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TI、分光器向け近赤外線DLPデバイスと「DLP NIRscan」評価モジュールを発表

2014-03-12

TI、分光器向け近赤外線DLPデバイスと、
『DLP NIRscan』評価モジュールを発表

プログラム可能な携帯型NIR(近赤外線)分光器を実現し、
システム・コストを大幅に低減


 テキサス・インスツルメンツは、米国イリノイ州シカゴで開催中の「Pittcon 2014」で、近赤外線(NIR)光の利用に最適な、初のDLP(R)デバイスと評価モジュールを発表しました。新製品の『DLP4500NIR(http://www.tij.co.jp/dlp-emb-cat-dlp4500nir-pr-pf-jp)』と『DLP NIRscan(TM)(http://www.tij.co.jp/dlp-emb-cat-dlpnirscanevm-pr-evm-jp)』評価モジュールは、数々の受賞実績を持つTIのMEMS技術であるDLPテクノロジーをさらに発展させ、透過型/反射型分光器市場やその他の用途向けに開発したものです。DLPテクノロジーにより、食品、製薬、石油/天然ガスのほか、新たな成長産業の現場や製造ラインで分光器を使用する際の性能を、研究室で要求される品質レベルまで向上することが可能になりました。詳細に関してはhttp://www.tij.co.jp/dlp-emb-cat-dlpnirscan-pr-lp-jpをご覧ください。

 Ibsen Photonics社のCEO兼社長のヘンリック・スコブ・アンダーセン(Henrik Skov Andersen)氏は、「私たちがOEM生産している分光器へのDLPテクノロジーの採用は、分光器に対する従来からのアプローチに革命をもたらしています」と述べ、さらに「DLPテクノロジーを採用したコンパクトでプログラム可能な新型ポリクロメーターは、複数の波長のプリディスパーシブな選択を可能にし、安価な広帯域ディテクタを使用しても、全可視近赤外線(VIS−NIR)範囲で光透過/吸収の高速計測を実現します。このユニークな性能により、動的計測手法とアルゴリズムの開発、クリティカルな用途での動作速度と精度の向上、サンプルの不必要な露出の防止が可能になります」と語りました。

 TIのDLP Embeddedマネージャのマリキータ・ゴードン(Mariquita Gordon)は、「私たちはDLPテクノロジーの持つ能力の限界を超えるために常に挑戦しており、その用途を高度な科学、産業、医療機器向けソリューションまで拡大しつつあります」と述べ、さらに「今回の新しい近赤外線DLPプラットフォームにより、分光器の総合的なシステム・コスト低減と同時に、研究室用機器で要求されるレベルの感度と精度を実際の計測現場でも実現する、まったく新しいクラスのモバイル計測機器開発の道が拓かれました」と語りました。


■『DLP4500NIR』デバイスについて
 『DLP4500NIR』デバイスは、デジタル・プログラミングが可能な約100万個のマイクロミラーを内蔵したDLPテクノロジーを心臓部に採用しており、現行のNIR分光器向け部品やソリューションとは一線を画す、高い性能を提供します。『DLP4500NIR』と1エレメント型ディテクタを組み合わせて使用することにより、高価なリニア・ディテクタ・アレイを使用せずに、高性能分光器の設計が可能になり、BOMコストを低減できます。さらに、波長が700nm〜2500nmの光に最適化されており、最大4kHzの速度で、複数の波長の選択と減衰を可能にします。DLPテクノロジーのアーキテクチャは設定された全計測周期にわたって、SNR(信号−ノイズ比)を30,000:1以上に改善し、従来型の分光器と比較して、計測速度と精度の向上を実現します。

 『DLP4500NIR』は、内蔵のマイクロミラーを個別に制御し、複数の設定パターンを生成でき、ユーザーにとってスペクトラム分解能と波長範囲の微調整、積分時間の調整、光スループットの均一化が可能になります。この結果、複数のアダプティブ・スキャン手法を使い、計測中の材料解析の最適化が可能になり、一つのシステムで、より広範な物質に対応できるようになります。

 『DLP4500NIR』は実装面積の低減を可能にし、現場や工場で使用するシステムの設計自由度を向上します。用途としては、分光器のほか、シングル・ピクセル・カメラ、レーザー・マーキング、顕微鏡にも使用可能です。


■『DLP NIRscan』評価モジュールについて
 『DLP NIRscan』評価モジュールは、真の携帯性を備え、低価格の多機能分光器の開発に新たな選択肢を提供します。この評価モジュールは、DLPテクノロジーをベースとした初の分光器向け開発プラットフォームで、数々のインターフェイスを提供し、多様な設計に対応しています。また、『DLP4500NIR』デバイスと『DLPC350』デジタル・コントローラを採用しているほか、透過サンプリング・モジュールとハロゲンランプにマッチした、1エレメント型拡張InGaAsディテクタを搭載しています。

 処理能力については、TIのSitara(TM)『AM3358』ARM(R)Cortex(R)−A8プロセッサと、『ADS1255』24ビット、30kSPSデルタ−シグマ型A/Dコンバータを搭載しています。また、コンピュータとのインターフェイス向けにEthernetポートと2本のUSBポートを内蔵しており、有線と無線(Wi−Fi(R)とBluetooth(R)コネクタは別売)のいずれの接続も可能です。

 プリロード済みのLinuxオペレーティング・システムと、BeagleBone Blackアーキテクチャ・ベースの高集積ウェブ・サーバは、設定に特別なダウンロードが不要で、設計者はUSBで『DLP4500NIR』をコンピュータに接続し、ウェブ・ブラウザを開くだけで簡単に使用できます。こうしたウェブ駆動型インターフェイスは、スマートフォンやタブレットなどの異なるデバイス経由による遠隔システム接続を実現します。また、ユーザーはBeagleBoard.orgのオープン・ソース・コミュニティのツールやサポートの利用も可能です。


■供給
 『DLP4500NIR』と『DLPC350』コントローラはすでに供給可能です。Keynote Photonicsの開発による『DLP NIRscan』は、単価(参考価格)8,499ドルで、2014年4月から供給開始の予定です。『DLP NIRscan』プラットフォームの分光器の設計への使用法に関しては、こちら(http://www.tij.co.jp/dlp-emb-cat-dlpnirscan-pr-lp-jp)をご覧ください。各種DLPチップセットとそれぞれの開発プラットフォームについては、米国イリノイ州シカゴで3月3日〜6日開催の「Pittcon 2014」のブース515でご紹介しています。


<RSS配信について>
 日本TIでは、製品・技術に関するニュースリリースをRSS配信しています。以下のページにある「RSS配信」のコーナーで「日本TIニュースリリース」をクリックしてください。
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■TIのDLP製品について
 1996年以来、テキサス・インスツルメンツの数々の受賞実績を持つDLPテクノロジーは、世界をリードする、さまざまなディスプレイ機器に採用されており、産業、車載、医療、双方向ディスプレイなどの広範な用途で、色彩、コントラスト、明瞭度、輝度の優れた高解像度画像を提供してきました。DLPテクノロジーは映画館(DLP Cinema)や、大規模ホール、会議室、教室、ホームシアターなどで使用されています。DLP Pico搭載のモバイル機器により、手のひらサイズのデバイスからの画像ディスプレイが可能になります。すべてのDLPチップセットには、スイッチのオン/オフを最大で秒あたり1万回行う、一連の極小ミラーが敷き詰められています。
 DLPテクノロジーの詳細については、http://www.tij.co.jp/dlp-home-jpをご覧ください。
 また、ツイッター(http://www.Twitter.com/TI_DLP)でもDLPの最新情報を入手できます。

 *DLP、DLPロゴはテキサス・インスツルメンツの登録商標です。
 *すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。


 ※製品画像は添付の関連資料を参照


テキサス・インスツルメンツおよび日本テキサス・インスツルメンツについて>

 テキサス・インスツルメンツは(本社:米国テキサス州ダラス、会長、社長兼CEO:リッチ・テンプルトン、略称:TI)は、未来のイノベーションを生み出すアナログICおよび組込みプロセッサを主に開発設計・製造するグローバルな半導体企業です。未来を変革する10万社にのぼるお客様を支援しています。当社の情報はホームページ(http://www.tij.co.jp)をご参照ください。

 日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:田口 倫彰、略称:日本TI)は、テキサス・インスツルメンツの子会社で日本市場における外資系半導体サプライヤです。当社に関する詳細はホームページ(http://www.tij.co.jp)をご参照ください。


<読者向けお問い合わせ先>
 日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
 プロダクト・インフォメーション・センター(PIC)
 URL:http://www.tij.co.jp/pic


以上


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