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野村総研、「NISA(少額投資非課税制度)の利用実態調査」結果を発表

2014-02-17

「NISA(少額投資非課税制度)の利用実態調査」を実施
〜NISA口座の申込みは年内に865万件に達する見込み〜


 株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:嶋本正、以下「NRI」)は、2014年2月初めに、NISA(少額投資非課税制度)(※1)についての利用実態調査(以下、「本調査」)を実施しました。2014年1月に開始されたNISAの口座開設数は475万件(国税庁発表。1月1日現在)にのぼり、順調な滑り出しを見せています。NRIがこれまでに行った調査との比較でも、NISAについて大幅な認知度の向上が見られます。今回の調査を踏まえると、NISA口座の申込みは年内に865万件まで伸びると試算されます。
 本調査から得られた主な結果は、以下の通りです。


■NISAの認知度は69.5%。1年間で3倍以上に上昇
 NISAの認知度については、「聞いたことがあり、内容も知っていた」が25.7%、「聞いたことはあるが、内容は知らなかった」は43.8%で、両者あわせて69.5%でした(図1)。NISA導入が閣議決定された直後、昨年2月に行った調査では、あわせて22.4%(それぞれ4.8%、17.6%)であったのに対して、1年間で3倍以上の割合に高まっています。株式等への投資を行っていない「非投資家(※2)」層においても、NISAの認知度は合わせて63.0%(それぞれ14.8%、48.2%)に達しています。

 NISAを聞いたことがある人に、そのきっかけを尋ねた結果では、「テレビ・ラジオで聞いた」(61.3%)、「新聞・雑誌で読んだ」(44.0%)が高くなっています(図2、複数回答)。「テレビ・ラジオで聞いた」は、昨年2月の調査では26.0%あり、NISA口座獲得に向けて各金融機関がテレビ・ラジオを通して積極的に広告を流した効果や、マスメディアによる各種報道が、NISAの認知度上昇につながったものと考えられます。


■NISA口座の申込み数は、今年中に865万件に達する見込み
 国税庁が2014年1月1日現在の値として発表した、金融機関から国税庁への口座開設申請数(556万件、重複件数を除く)、NISA口座開設数(475万件)、及び1月中の申込ペースについて金融機関からヒアリングした情報を基にすると、NISA口座の開設を金融機関に申し込んだ人は、1月末時点で全国に約650万人いると推計されます。

 また、今回の調査をもとに今後のNISA口座の申込数を予測すると、2月から12月までにさらに215万人が申込み、2014年末には累計で865万件に達すると推計されます。


■NISA口座の開設金融機関は証券会社がリードするが、今後は銀行の割合が増加の見込み
 NISA口座の開設先は、ネット専業以外の「一般の証券会社」が最も多く、今回の調査で口座開設を申込んだ人の33.1%に達しています。それに対し、「一般の銀行」は29.1%でした。しかし、これから申込を考えている人については、開設先を「一般の証券会社」としている人が16.3%なのに対し「一般の銀行」と回答した人は48.5%にのぼっており、今後、「一般の銀行」の割合が増えていくものと考えられます(図3)。

 年末までの金融機関別にみたNISA口座の利用件数を推計すると、「一般の銀行」は293万件となり、「一般の証券会社」の250万件を上回ります(図4)。

 また、現状でNISA口座の開設・申込みをした人の75.8%は、「株式投資家(※2)」もしくは「株式以外投資家(※2)」です。NRIが2013年に実施した「生活者1万人アンケート(金融編)」によれば、株や投資信託に投資をしていない「非投資家」層が20歳〜79歳人口の78%強にのぼるという結果が出ており、今後のNISA普及の鍵は、これら非投資家層の参加者がどのくらい増えるかにかかってくると思われます。


■NISA口座で既に投資した人の50%超が投資信託に投資
 NISA口座を開設し、実際に投資を開始した人についてみると、「投資信託のみに投資した人」が50.8%、「上場株式のみに投資した人」は43.2%、「両方に投資した人」は6.0%となっています。非投資家に限ってみると、52.5%が「投資信託のみ」に、47.5%が「株式のみ」に投資しており、ほぼ拮抗する結果となっています(図5)。

 NISA口座を開設したが、まだ投資していない人については、その理由として「投資するタイミングを見定めているから」(33.3%)が最も多く、「特に急いで投資する必要はないと思っているから」(29.2%)、「投資したい商品の候補はある程度あるが、まだ何に投資するか迷っているから」(20.2%)が続きました(図6、複数回答)。


■NISA口座の運用原資については、約6割の人が預貯金を利用
 既に投資した人の中で「預貯金」を運用原資としてあげた人が最も多く59.7%でした。次に「既保有の株を売却した資金」(19.1%)が続いています。投資家別に見ると、株式投資家の場合でも「既保有の株を売却した資金」(31.3%)よりも「預貯金」(53.3%)の方が多く(図7、複数回答)、NISAによって「貯蓄から投資への流れ」の促進が期待できそうです。


■投資金額の平均は、59万3千円
 NISA口座への投資方法として、タイミングを見て一時金で投資する方法(以下、一括型投資)と毎月積み立てる方式(以下、積立型投資)に分けることができます。既に運用開始した人の84.4%は一括型投資、6.5%は積立型投資でした。また、9.1%が両者の併用と回答しています(図8)。既に投資を開始した人達には、投資経験者や高齢者が多く、比較的余裕資金があることから、一括型投資の比率が高くなったと考えられます。

 一括型投資の投資金額の平均値は64万1千円、積立型投資の平均値は月額31,081円で年に換算すると37万2千円でした。また、両者併用の回答者の平均投資金額は年額30万4千円でした。これら全体の平均は、59万3千円となります。なお、追加投資を考えている人は既に投資を開始した人の50.2%でした。


■金融機関の現状維持を希望する人は48.8%
 現行のNISA制度では、NISA口座を開設できる金融機関は1つに限られ、一度開設すると、金融機関を変更できません。これについて、改善を求める声が多く、来年から金融機関の変更が認められる方向で検討が進められています。

 本調査でNISA口座を設置する金融機関の変更について聞いたところ、「同じ金融機関を利用したい」が最も多く48.8%、「変更したい」は2.9%にとどまり、「変更するかもしれない」は20.6%でした(図9)。変更を考える理由としては、「他の金融機関で扱っている金融商品に投資してみたい」、「金融機関ごとのサービスの違いを知りたい」といった意見のほか、「口座開設前までは頻繁に連絡してきたのに、開設後に連絡がこなくなった」、といった不満の声もあがっています。

 口座開設先の金融機関別に見ると、「一般の銀行」で開設した人に変更を希望する人がやや多くなっており、「変更したい」(4.3%)、「変更するかもしれない」(26.0%)でした。


 ※1 NISA(少額投資非課税制度):
    NISAとは、上場株式や投資信託への投資によって得られる配当(分配)や売却益を非課税にする制度です。NISAを利用するには専用の非課税口座を開設する必要があり、この口座はひとり一口座と決まっています。また、この非課税口座で購入できる上場株式や投資信託は、年間100万円までです。
 ※2 投資家の区分:
    2013年12月末時点で、株式を保有している人を「株式投資家」、株は保有せず株式以外の投資商品(投資信託、債券など。不動産や美術品は除く。)を保有している人を「株式以外投資家」、投資商品を保有していない人を「非投資家」と区分しています。「株式以外投資家」が保有している投資商品は投資信託が中心です。


■ご参考

 <調査概要>
  調査名:NISA(少額投資非課税制度)の利用実態調査(2014年2月)
  実施時期:2014年2月1日(土)〜2月2日(日)
  調査対象:全国の20代〜70代の男女個人5,000人(回収数)
  ※集計した値を、「NRI生活者1万人アンケート(金融編)(2013)」と国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」に基づき、全国の人口分布に近い形になるように補正している。そのため、各グラフにはサンプル数は記載していない。
  調査方法:インターネット調査

  ※参考:過去調査の実施時期とサンプル数(調査対象の属性や手法は同上)
   ・実施時期:2013年2月16日〜2月18日、サンプル数:2,226人
   ・実施時期:2013年7月12日〜7月16日、サンプル数:5,000人
   ・実施時期:2013年10月4日〜10月6日、サンプル数10,000人


  *図1〜9は添付の関連資料を参照


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