太陽誘電、フレーム付き積層セラミックコンデンサーを商品化

太陽誘電：フレーム付き積層セラミックコンデンサを商品化
−タブレット端末やノートPCの音鳴き現象の大幅な低減を実現−


　太陽誘電株式会社（代表取締役社長：綿貫　英治、本社：東京都台東区）は、積層セラミックコンデンサの音鳴き現象（注１）対策として外部電極に金属フレームを取り付けた、フレーム付き積層セラミックコンデンサ「GMV３１６　BJ１０６KL」（３．５x１．７５x２．７mm）、「TMV２１２BBJ１０６KG」（２．４x１．４x１．９mm）を商品化します。
　これらの商品は、タブレット端末やノートPC、液晶パネルなどの電源回路や液晶駆動用回路の平滑（注２）用途に使用されます。
　積層セラミックコンデンサに金属フレームを取り付けることで、逆圧電効果（注３）による歪みを緩和させることができます。その結果、当社従来品の「TMK３１６　BJ１０６KL」と比較して、およそ３０dBの音圧レベルを低減、これは音鳴き現象の音量をおよそ１０００分の１まで減少させる効果があります（当社測定条件による）。
　２０１４年２月より韓国慶南太陽誘電（慶尚南道泗川市）にて月産１５０万個体制で量産を開始、順次増強を予定しております。当社サンプル価格はいずれも３０円です。

　積層セラミックコンデンサは、静電容量の大容量化のため、材料に高い圧電特性を有する誘電体が使用されています。そうした積層セラミックコンデンサは、電圧が印加されると特定方向に変形し、基板を振動させてしまいます。そのため、タブレット端末やノートPC、液晶パネルなどでは、電源回路に搭載された積層セラミックコンデンサの逆圧電効果による音鳴き現象が問題となることがあります。
　太陽誘電では、積層セラミックコンデンサの音鳴き現象の対策として、外部電極に金属フレームを取り付けた、フレーム付き積層セラミックコンデンサを商品化。金属フレームが積層セラミックコンデンサの伸縮を吸収することで、基板への振動を緩和し、音鳴き現象を低減させることができます。
　今後も市場からの要望に答え、商品ラインアップの拡大や高信頼性保証への対応などを進めてまいります。


■用途
　タブレット端末やノートPC、液晶パネルなどの電源回路や液晶駆動用回路の平滑用途

　【フレーム付き積層セラミックコンデンサの特性一例】

　　※添付の関連資料「参考資料」を参照


■用語解説
　（注１）音鳴き現象
　　　　積層セラミックコンデンサが逆圧電効果により歪み、実装されている基板を振動させ、音が鳴る現象のこと。積層セラミックコンデンサの歪み自体は小さいが、基板が振動を増幅し、人間の可聴域の振動が音として認識される。
　（注２）平滑
　　　　電源電圧に含まれる交流成分を取り除き、より安定した直流電圧にすること。自動車電装や産業機器の電源回路向け平滑用途では、高い定格電圧と静電容量が求められる。
　（注３）逆圧電効果
　　　　セラミック材料など誘電体に電圧を印加した際に変形すること。大容量タイプの積層セラミックコンデンサに使用している材料は高い圧電特性を有するため、電圧が印加されると特定の方向に歪みを生じる。

　※商品画像は添付の関連資料を参照