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STマイクロ、システム・オン・チップ(SoC)アーキテクチャー「STi8K」を発表
STマイクロエレクトロニクス、
デジタル・ホームの64bitコンピューティングへの移行を促進する
画期的なアーキテクチャを発表
・「Cannes」、「Monaco」および「Alicante」ファミリをはじめとした、現在、幅広く普及しているARMベースのSoC上に構築
・最新の64bit ARMコアを利用し、SoCに対する将来的な性能およびメモリ要求の高まりに対応
多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーで、高解像度(HD)および超高解像度(UHD)に対応したセット・トップ・ボックス(STB)用ICの主要サプライヤであるSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、将来のデジタル・ホームで使用される革新的なシステム・オン・チップ(SoC)アーキテクチャであるSTi8K(TM)の詳細を発表しました。
最新のARMv8−Aコアを搭載するSTi8K(TM)は、現在利用可能なCannes/STiH3(FHD/UHD HEVCクライアント・ボックス)、Monaco/STiH4(FHD(1)/UHD HEVCサーバ/ゲートウェイ)、およびAlicante/STiD12(DOCSIS(R))ファミリをさらに拡張し、それぞれと連携して、将来的に必要となる32bitコンピューティングから64bitコンピューティングへの円滑な移行を促進します。
STのエグゼクティブ・バイスプレジデント兼デジタル・コンバージェンス・グループ担当ジェネラル・マネージャであるGian Luca Bertinoは、次の様にコメントしています。「コンスーマ業界においては、モバイル機器市場で32bitコンピューティングから64bitコンピューティングへの移行が進みつつあります。DOCSIS3.1や、60フレーム/秒UHDに対応するフル機能の10bit High−Efficiency Video Coding(HEVC)など、要求水準の高い新技術の登場により、デジタル・ホーム市場にも同様の変化が起こるでしょう。当社はすでに、各製品ファミリ(Cannes、Monaco、Alicante)により、開発期間が短く、将来の要件にも対応できる確かな基盤を築いています。新しいSTi8Kアーキテクチャは、当社の実績ある製品ファミリの新たなステップで、デジタル・ホームに64bitコンピューティングをもたらします。」
STi8K(TM)アーキテクチャは、STの28nm完全空乏型シリコン・オン・インシュレータ(FD−SOI)および、より微細化された製造プロセスに最適化されています。
また、最新のARM(R) Cortex(TM)−A53およびCortex(TM)−A57の64bitプロセッサ技術により、データ・スループットの向上、メモリ・アドレス空間の拡張、および低消費電力を実現します。さらに、高い性能と信頼性を優れた電力効率と組み合わせることで、米国のEnergy StarやEUのEuP(Energy using Products)指令など、消費者ならびに環境関連の諸要求にも対応します。
ARM社のコマーシャル・オペレーション担当シニア・バイスプレジデントであるTom Cronk氏は、次の様にコメントしています。「当社は、デジタル・ホーム市場の未来についてSTとビジョンを共有しています。DOCSIS3.1技術で実現する超広帯域のホーム・ネットワーク・アクセス・システム、およびフルカラーのUHD機器により、ホーム・エンターテインメント体験が大きく変わります。STが当社の最新64bitプロセッサを採用するなど、両社は長期にわたって協力関係にあり、Linaroなどを通じてソフトウェア・エコシステム開発への相互投資も行っています。そうした関係が、高度な没入型メディア体験を実現する上で重要な基盤となっています。」
STi8K(TM)アーキテクチャは、8チャネル対応HDストリーミングやハードウェアにアシストされた先進的なネットワーキング機能等に対応するFaroudja(R)トランスコーディングを特徴としており、今後の衛星・ケーブル・ハイブリッド放送用のホームサーバおよびゲートウェイ機器に求められる最先端のマルチメディア・コンテンツ配信機能に対応できます。
ITU−R勧告 BT.2020で要求される広色域10bitカラーのUHD(最大60フレーム/秒動作)や、OpenGL ES2.0やOpenGL ES 3.0規格に基づく高性能グラフィックス(フル・フレームレート)がサポートされているため、事業者はネイティブ4K解像度によるブランディングを展開できる一方、ユーザは圧倒的なリアリティで迫ってくるスポーツの生中継やゲームなど、UHDによる真の没入型デジタル視聴を体感できます。
さらにSTi8K(TM)は、要求されるデータ・スループットがチャネルあたり最大6Gbpsとなる新規格HDMI2.0の他、最新のHDCP2.2(High−Bandwidth Digital Content Protection)セキュリティおよびDisplayPort v1.2により、フルカラー/フル・フレームレートのUHDスクリーンへの高速接続を実現します。
Gian Luca Bertinoは、次の様に付け加えています。「最近発表されたCannes、Monaco、およびAlicanteは非常に好調で、STはUHD/HEVC技術分野において主導的地位を確立しています。これらの製品ファミリを採用するお客様には、将来のデジタル・ホーム機器の開発期間短縮というメリットが提供されます。」
STは、ラスベガスで開催された2014 International CESの会場周辺ホテルにおいて、デジタル・ホーム向けの技術とSoCのさまざまなデモを実施しました。デモには、DOCSISホームゲートウェイ、DOCSISケーブル・モデム、フルHD/UHDSTBが含まれ、市場における大手HEVCエンコーダ・メーカー各社とST製SoCの相互運用性が実証されました。
(1)Full High−Definition
<STマイクロエレクトロニクスについて>
STは、「センス&パワー、オートモーティブ製品」と「エンベデッド・プロセッシングソリューション」の多種多様なアプリケーションに半導体を提供する世界的な総合半導体メーカーです。エネルギー管理・省電力からデータ・セキュリティ、医療・ヘルスケアからスマート・コンスーマ機器まで、そして、家庭、自動車、オフィスおよび仕事や遊びの中など、人々の暮らしのあらゆるシーンにおいてSTの技術が活躍しています。STは、よりスマートな生活に向けた技術革新を通し、「life.augmented」の実現に取り組んでいます。2013年の売上は80.8億ドルでした。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト(http://www.st-japan.co.jp)をご覧ください。
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