Article Detail
第一三共、欧州医薬品庁に抗凝固剤「エドキサバン」の販売承認を申請
抗凝固剤「エドキサバン」の欧州における販売承認申請のお知らせ
第一三共株式会社(本社:東京都中央区)は、抗凝固剤(経口FXa阻害剤)エドキサバンについて、国際共同試験として実施したENGAGE AF−TIMI 48試験(*1)ならびにHokusai−VTE試験(*2)の結果に基づき、非弁膜症性心房細動(AF)に伴う脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制、ならびに、深部静脈血栓症(DVT)、肺塞栓症(PE)患者における静脈血栓塞栓症(VTE)の治療および再発抑制に関する適応について、欧州医薬品庁(EMA)へ販売承認申請を行いましたのでお知らせします。
なお、米国においても同様の適応症に関する承認申請を行う予定です。
日本においては、2013年12月19日に承認申請を行いました。
以上
*1.ENGAGE AF−TIMI 48試験
目的:非弁膜症性心房細動(AF)患者を対象に、脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制に関し、エドキサバンを1日1回60mgおよび30mg経口投与したときの有効性の検証と安全性の評価を行った
デザイン:ワルファリンを対照とした無作為化、二重盲検比較試験
症例数:21,105例
観察期間:2.8年
有効性:脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制について、エドキサバンのワルファリンに対する非劣性が検証された
安全性:重大な出血の発現について、エドキサバンのワルファリンに対する優越性が示された
<心房細動について>
心房細動は、心拍数が速く不規則になり、脳卒中を引き起こすことのある病気であり、先進国では、約1〜2%が罹患している疾患です。脳卒中は、世界中で死亡原因の2番目にあげられる疾患であり、毎年、約620万人が死亡します。心房細動に罹患していない患者に比べ、罹患患者では、脳卒中のリスクが3〜5倍高くなります。心房細動に伴う脳卒中患者の死亡率は、心房細動を伴わない患者の約2倍です。
*2.Hokusai−VTE試験
目的:急性症候性の深部静脈血栓症(DVT)患者、または、肺塞栓症(PE)患者を対象に、症候性静脈血栓塞栓症(VTE)の治療および再発抑制に関し、エドキサバンを1日1回60mg経口投与したときの有効性の検証と安全性の評価を行った
デザイン:ワルファリンを対照とした無作為化、二重盲検比較試験
症例数:8,292例
観察期間:12ヵ月
有効性:静脈血栓塞栓症の再発抑制について、エドキサバンのワルファリンに対する非劣性が検証された
安全性:臨床的に重要な出血(重大な出血、もしくは重大ではないが臨床的に重要な出血)の発現について、エドキサバンのワルファリンに対する優越性が示された
<静脈血栓塞栓症(VTE)について>
VTEは、DVTとPEの総称です。DVTは、脚、骨盤、腕などの深部静脈に血栓が形成される疾患です。PEは、深部静脈で形成された血栓の一部が遊離して肺に流れ、肺動脈を閉塞し、致死的状況をもたらす疾患です。
なお、日本においては、下肢整形外科手術(膝関節全置換術、股関節全置換術、股関節骨折手術)施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制の適応で2011年7月より販売しております。(製品名:リクシアナ(R))