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富士経済、イムノアッセイ(免疫血清検査)市場の調査結果を発表

2013-12-19

―臨床検査市場調査―イムノアッセイ(免疫血清検査)市場を調査


 検査薬 2012年の市場              2018年の市場予測
  検査薬 前年比1.0%増の1,856億円     年率2.2%増の2,117億円
                                 ※年率は2012年から2018年


 総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 阿部 界 03−3664−5811)は、2013年7月より国内の臨床検査市場を網羅する調査を開始した。調査は4回に分けて行い、今回はその第一回目としてイムノアッセイ(免疫反応を用いる主に血液を検体とした検査。血液凝固・線溶系検査は除外)市場を調査した。その結果を報告書「2013臨床検査市場No.1(イムノアッセイ市場)」にまとめた。
 この報告書では、イムノアッセイの国内の検査数と、用いられる検査薬、測定装置の市場を検査分野ごとに、また、測定方法ごとに分析し、将来を予測した。


<調査結果の概要>
■国内イムノアッセイ市場

 *参考画像は、添付の関連資料を参照


 2012年の市場は検査数が前年比2.8%増の7億1,004万件、検査薬が同1.0%増の1,856億円となった。2011年の市場は花粉の飛散量が多く特異IgE(自己免疫)が伸びて大幅に拡大したが、2012年は2011年ほど飛散量が多くなかったことから市場の拡大は小幅にとどまった。なお、2013年は花粉の飛散量が多かったことから特異IgEが伸びたが、2011年ほどの伸びには至らないとみられる。今後は2018年に向け、検査数が年率3.8%増の8億8,708万件、検査薬が同2.2%増の2,117億円が予測される。


1.主な検査分野の検査薬市場

 *添付の関連資料を参照


 癌マーカー(検査項目)は、便潜血、CEA、CA19−9、PSA、AFPの5マーカーで市場の7割弱を占める。市場は大型の新規マーカーがないため、このところ年率1〜2%増にとどまっている。
 ホルモンでは、甲状腺、副甲状腺、性腺などの基本マーカーは微増で推移している。トピックスとしては心不全マーカーのBNPとNT−proBNPが普及開始から長期を経た現在も伸びが続いていることと、プロカルシトニンが大きく伸びていることがあげられる。なお、化学発光法のBNPは、検査センターでメーカー間の競合が激化している。BNP、NT−proBNPは今後も伸びるが、伸び率は徐々に鈍化する。プロカルシトニンは、大手メーカーの参入により、今後も伸びると予想される。
 感染症は従来、肝炎ウイルスマーカーを中心とした市場であったが、インフルエンザ迅速検査キットをはじめとするPOC検査キットの増加や、梅毒マーカーのTPとRPRのラテックスキットの普及が上乗せされている。2013年はヘリコバクター・ピロリ治療薬の胃炎への適応拡大でその関連マーカーが伸びている。また、風疹の流行でその関連マーカーが一時的に伸びた。
 自己免疫では、市場の6割を占める特異IgEの検査ニーズは、2012年は飛散量が少なかったため減少したが、2013年は2011年ほどではないが増加している。今後の伸びが期待できるマーカーとしては抗CCP抗体、抗TSHレセプター抗体、抗サイログロブリン抗体、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体があげられる。
 血漿蛋白では、これまで市場を支えてきたCRP、IgG・A・M・Dなどのマーカーは単価の下落で横ばいとなっており、心筋マーカー、シスタチンC、KL−6が市場を牽引している。これまで、測定方法ではLA定量、TIAがメインであったが、心筋マーカーの台頭で今後は化学発光法、イムノクロマト法のウエイトが大きくなると思われる。ただし、シスタチンCは今後もLA定量がメインである。


2.主な測定方法の検査薬市場

 *添付の関連資料を参照


 EIA(enzyme immunoassay)法には、測定装置と一対になった専用検査薬と、汎用装置(マイクロプレートリーダー)を用いるELISA法検査薬がある。EIA法の登場で、測定装置を導入する必要があるものの、中小規模の病院においても高感度な定量検査が可能となった。高感度な定量検査は化学発光法に移ってきているが、一方ではそれに匹敵する高感度なEIA法で業績を伸ばしているメーカーもある。
 化学発光法は測定装置と専用検査薬が一対になっている。より高感度で迅速な測定方法へのニーズから開発され、現在、EIA法に替わって台頭している。参入メーカーはEIA法とほぼ同じであり、各社ともEIA法を中止し、化学発光法に切り替えている。癌、ホルモン、感染症など、各社とも主要なマーカーはほぼ揃っている。ここからどう発展させるかは各社各様であり、マーカー数を増やさずに大きな市場のマーカーのみに注力したり、逆に広範な項目を揃えたり、或いは特異IgEのようなマーカーで特色を出すなどの戦略が見られる。また、近年は小型、または大型装置を発売し、ユーザーの施設規模に合わせた装置の提案が可能になっている。さらに、生化学検査装置と結合させた検査システムが好評を博している。
 ラテックス定量法は、血漿蛋白(CRP)、感染症(梅毒)、GHbA1c、TDMなどの検査数が多い。当初は測定装置と専用検査薬の一対であったが、自動化学分析装置用の汎用検査薬が登場し、一般化してきており、専用検査薬は減少している。GHbA1cの汎用検査薬は、糖尿病患者の増加にともない拡大してきた。しかし、酵素法の検査薬の普及が進んできているため、ラテックス定量法と酵素法の競合の熾烈化が予想される。
 ラテックス凝集法は市場の8割以上を占める便潜血が拡大をけん引してきた。その便潜血市場の約9割を、最初にラテックス凝集法の自動化に成功した栄研化学が占めている。測定装置のバージョンアップも継続しており、今なお注力度は高い。
 イムノクロマト法は、操作の簡便性、精度の高さなどにより、POC検査において期待される測定方法として登場した。インパクトを与えたのがインフルエンザ迅速検査キットで、発売後わずか数年で100億円をこえる市場を構築した。日本ベクトン・ディッキンソン、テイエフビー、DSファーマバイオメディカル、アルフレッサ ファーマ、積水メディカル、ミズホメディー、タウンズ、アリーアメディカル、デンカ生研、大塚製薬などはイムノクロマトによるPOC検査を事業戦略上、重要視している。インフルエンザのみならずロタウイルスアデノウイルスノロウイルス、肺炎マイコプラズマ、肺炎球菌、A群β溶連菌、HBs抗原、梅毒、心筋などのマーカーで各社競合している。


<調査対象>
 検査分野:輸血検査、癌マーカー、ホルモン、感染症、自己免疫、血漿蛋白、TDM、その他
 測定方法:EIA、FIA、化学発光、LA定量、RIA、TIA、NIA、LA凝集、赤血球凝集、PA、CG(イムノクロマト)、その他


<調査方法>
 富士経済専門調査員による調査対象企業及び関連企業・団体等へのヒアリング調査及び関連文献を併用


<調査期間>
 2013年7月〜10月


以上


 資料タイトル:「2013 臨床検査市場 No.1(イムノアッセイ市場)」
 体裁:A4判 355頁
 価格:書籍版 200,000円+税
     PDF/データ版 210,000円+税
     書籍版+PDF/データ版セット 220,000円+税
 調査・編集:株式会社 富士経済 東京マーケティング本部 第二統括部 第三部
        TEL:03−3664−5821(代)FAX:03−3661−9514
 発行所:株式会社 富士経済
       〒103−0001 東京都中央区日本橋小伝馬町12−5 小伝馬町YSビル
       TEL:03−3664−5811(代)FAX:03−3661−0165
       e‐mail:info@fuji-keizai.co.jp
       この情報はホームページでもご覧いただけます。
       URL:http://www.group.fuji-keizai.co.jp/ https://www.fuji-keizai.co.jp/


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