矢野経済研究所、ＯＴＣ市場に関する調査結果を発表

ＯＴＣ市場に関する調査結果　２０１０
〜改正薬事法施行から１年が経過したＯＴＣ市場の明日を探る〜


■調査要綱
　矢野経済研究所では、次の調査要綱にてＯＴＣ市場の調査を実施した。

１．調査期間：２０１０年６月〜９月
２．調査対象：国内有力ＯＴＣメーカー２１社
３．調査方法：当社専門研究員による直接面談、電話・ｅ−ｍａｉｌ等によるヒアリング、ならびに文献調査併用


＜ＯＴＣとは＞
　ＯＴＣとは、Ｏｖｅｒ　Ｔｈｅ　Ｃｏｕｎｔｅｒの略で、医師による処方せんを必要とせずに購入できる一般用医薬品を指す。主な薬効として、総合感冒薬、ドリンク剤、ビタミン剤、胃腸薬、解熱鎮痛剤などがある。


■調査結果サマリー
◆２００９年のＯＴＣ市場規模は、前年比０．９％増の７，９００億円
　２００９年のＯＴＣ市場（指定医薬部外品含む）は、前年比０．９％増の７，９００億円と推計した。成長率は１％未満の微増ではあるが、３年連続でプラス成長を記録した。

◆総合感冒薬やドリンク剤、ビタミン剤など市場規模の大きい薬効はいずれも減少
　薬効別では、市場規模が大きい総合感冒薬やドリンク剤、ミニドリンク剤、ビタミン剤、胃腸薬などはいずれも減少した。総合感冒薬は新型インフルエンザ流行の影響により大幅に減少した他、ドリンク剤は夏場の需要期における天候不順などにより減少微減に止まった。ビタミン剤は、景気減退の影響を受け、高額品を中心に苦戦を強いられ、胃腸薬は需要低迷に歯止めが掛からず市場縮小が続いている。

◆異業態小売業の展開は限定的、改正薬事法施行も市場活性化には至らず
　改正薬事法施行初年度における異業態小売業の展開は限定的で、ＯＴＣ市場に大きな変革をもたらす状況には至っていない。今後、ＯＴＣ市場が拡大するためには、販売店の情報提供と相談体制の整備、国民全体におけるセルフメディケーションの定着、新領域へのスイッチＯＴＣの投入および新たな効能・効果を持つスイッチＯＴＣの開発、異業態小売業の新規参入増加など、いくつかの条件を満たす必要がある。


■資料発刊
　資料名：「２０１０年版　ＯＴＣ市場の展望と戦略」
　　http://www.yano.co.jp/market_reports/C52109600


※詳細は添付の関連資料「オリジナルリリース」を参照