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昭和電工、FA向けジスプロシウムフリー磁石用合金の開発に成功

2013-12-02

FA向けジスプロシウムフリー磁石用合金の開発に成功


 昭和電工株式会社(社長:市川 秀夫)は、ジスプロシウム元素記号Dy)を使用せずに従来品と同様の性能を持つFA(ファクトリーオートメーション、一般産業用)向けネオジム磁石用合金の開発に成功し、量産を開始しました。

 今回の当社の新合金は、HDD用ボイスコイルモーターや風力発電用モーターに加え、より添加量の多いFA向けについてもジスプロシウムフリー(以下、Dyフリー)化を実現したものです。さらに、ジスプロシウムの添加量が多い電動パワーステアリング用や電気自動車のモーターについても、同率でのジスプロシウムの削減を可能とするものであり、将来の資源制約の問題を解決するものとなります。

1.当社の磁石合金で削減されるジスプロシウム添加量
 磁石の磁力(磁石の強さ)と保磁力(外部からの磁界に耐える力、耐熱性)には反比例の関係があり、高温下になるほど磁力は弱くなります。工業製品や自動車・産業機械の電動モーターには磁力の高いネオジム磁石が使用されていますが、ネオジム磁石の耐熱性を高めるために、ジスプロシウムが添加されています。
 ただしジスプロシウムは、世界的に資源量が限られるレアアースの中でも特に希少性が高く、採掘される地域も中国の江西省、広東省、福建省などに限定されていることから、省エネルギーの進展等で高性能ネオジム磁石の需要増加が見込まれる中、将来の原料確保が不安視されています。
 当社は磁石製造の前工程である磁石用合金メーカーとして、ジスプロシウムを添加せずに添加品と同性能を維持するDyフリー化の研究開発に取り組んでいます。当社ではすでに、2%添加品と同性能のDyフリー磁石用合金を量産していますが、今回、4%添加品の性能まで向上させることができました。

 〈従来品および当社品の磁石用途別 Dy必要量(重量比での添加量)〉

  ※参考資料は、添付の関連資料を参照

2.開発技術の内容
 一般的にネオジム磁石は磁性を持つ主相と粒界相の二相を持ちますが、当社が開発したDyフリー磁石用合金で製造した磁石には、鉄を主成分とした第3の相が発生し、その第3相が保磁力を高めていると考えられます。
 なお、新合金を用いた磁石製造は、従来の工程で対応可能なため、お客様である磁石メーカーでの新規設備の導入や工程の追加は必要ありません。また、他の省ジスプロシウム技術を併用し、さらに添加量を削減することも可能です。

 当社では本技術をベースとしたさらなる省ジスプロシウム化に取り組んでいます。来年には、6%添加品と同性能を持つDyフリー磁石用合金を開発し、省エネルギー社会に貢献してまいります。


以上


 ※参考画像は、添付の関連資料を参照

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