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ルネサスエレクトロニクス、アナログフロントエンド設定を柔軟に変更可能なICを発売

2013-11-22

アナログフロントエンドの設定を環境変化に応じて柔軟に変更可能なICを発売
〜流量計、圧力計等に向けて16ビットΔΣ型A/Dコンバータ内蔵「Smart Analog IC101」を新たに展開〜

 ※製品画像は添付の関連資料を参照

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役会長兼CEO:作田 久男、以下ルネサス)は、マイコンとアナログ半導体とを組み合わせたセンサ向けのシステムソリューションとして、アナログフロントエンド(AFE)の回路構成や主要な特性をマイコンから柔軟に且つ容易に変更できるアナログ回路内蔵製品「Smart Analog」を市場投入しています。
 このたびルネサスは、高精度分解能が必要とされる流量計測・圧力計測・電力計測に最適な製品として16ビットΔΣ(デルタシグマ)型A/Dコンバータ(注1)を内蔵した「Smart Analog IC101」を製品化し、2014年1月よりサンプル出荷を開始いたします。
 新製品は、(1)高性能・高機能なAFEを4mm×4mmの小型パッケージに搭載しているためセンサモジュールの小型化に貢献できる、(2)回路設定情報格納用にフラッシュメモリを内蔵しているため起動が速い、(3)125℃までの高温な動作温度に対応している他、プログラマブル・ゲイン計装アンプ(注2)の入力方式を選択可能なため様々なセンサに応用可能、といった特長を有しております。
 新製品は、サンプル価格が500円/個となっており、量産を2014年10月より開始する計画です。

 近年、使い勝手の向上やエコシステムの拡大、ヘルスケアの浸透、セキュリティの強化などから、民生、産業、医療を始めとした各種機器でセンサ搭載が進んでいます。
 例えば、最もエネルギーを消費する様々な製造工場においては、工場単位でエネルギーを最適化しコストの低減とCO2排出抑制達成のため、次世代のエネルギー管理システムFEMS(Factory Energy Management System)の構築が加速しており、高精度なセンサシステムが必要となります。
 しかしながら水、油、ガスの流量、圧力といった各種センサには、測定対象を微量なレベルで検出する必要があるためより高精度なAFEの開発が必要とされており、開発コストおよび開発期間の増大という課題があります。また、温度変化をはじめとする各種環境変化に応じてAFE設定を柔軟に調整したいという要望もあります。
 当社は、マイコンとアナログ半導体とを組み合わせたセンサ向けのシステムソリューションとして2011年10月に「Smart Analog IC500シリーズ」、同年11月に「Smart Analog MCU500」、2013年4月に低電圧・低消費電力版「Smart Analog IC300シリーズ」を市場投入しておりますが、このたび、こうした課題・要望へ対応するため、流量計、圧力計など産業用計測機器に最適なプログラマブル・ゲイン計装アンプと16ビットΔΣ型A/Dコンバータを内蔵した「Smart Analog IC101」を製品化しました。

 新製品の特長の詳細は以下のとおりです。

 (1)高性能・高機能AFEを小型パッケージに搭載
 16ビットΔΣ型A/Dコンバータの他、1〜32倍(10段階)の設定が可能なプログラマブル・ゲイン計装アンプ、回路内にセンサ入力のオフセットを調整可能なD/Aコンバータを内蔵。プログラマブル・ゲイン計装アンプと16ビットΔΣ型A/DコンバータでS/N(注3)比 86dB(デシベル、@3.9ksps)を実現している。36ピン、4mm×4mm FPBGA小型パッケージの採用により、アナログセンサモジュールの小型化にも貢献する。
 また、従来はマイコン側に内蔵されていたD/Aコンバータが新製品に内蔵されていることに加え、出力インタフェースはSPI(TM)に加え、UARTによる通信もサポートしているため、様々なマイコンをホストマイコンとして選択できる。

 (2)回路設定情報格納用にフラッシュメモリを内蔵
 従来のSmart Analogシリーズではシステム起動時にAFEの回路設定情報をマイコンからSPI通信によって設定する必要があったが、新製品はIC内に256バイトのフラッシュメモリとシーケンサを内蔵。
 これにより、任意のアナログフロントエンド初期設定の値を元に、起動時に外部から設定なしにセンシング動作を開始することが可能なため、従来製品に対して約5倍の高速起動が可能となる。

 (3)様々なセンサに対応
 動作温度範囲の最高温度が、従来の105℃から125℃まで対応。
 またプログラマブル・ゲイン計装アンプの外部入力は4本で、それぞれチャネル毎に差動入力かシングルエンド入力が選択可能かつ内部入力として内蔵温度センサも選択可能となっている。
 さらに、センサ出力のA/D変換結果をUART通信にてホストマイコンへ連続して出力し続ける、連続変換出力モードを備えているため、アナログセンサのデジタル化を簡単に実現できるセンサノードを提供できる。
 ほかにも1.2〜2.2Vの出力範囲で使用可能なセンサ用の電源回路も内蔵しているため、幅広いセンサシステムの応用が可能。

 「Smart Analog IC」を制御するマイコンを含めたソフトウェア開発環境としては、ルネサス統合開発環境「CubeSuite+(キューブスイートプラス)」とオンチップデバッキングエミュレータ「E1」を揃えており、AFE設定用GUI(Graphical User Interface)ツールと合わせ、容易にシステム制御などのプログラム開発が可能となり、センサ向けのシステムソリューション開発において、開発コスト削減、開発期間約6か月の短縮(注4)を実現します。
 ルネサスは今後も、市場ニーズに応えるSmart Analogシリーズの新製品を開発・展開してまいります。
 新製品の主な仕様は別紙をご参照ください。

 ※別紙は、添付の関連資料を参照

 なお、当社は本年11月20日から11月22日まで、パシフィコ横浜で開催される「ET2013/組込み総合技術展」にて新製品のデモ展示を行います。


 >製品情報はこちら
 http://japan.renesas.com/products/smart_analog/smart_analog_ic/smart_analog_ic_101/index.jsp


以上


 (注1)
 ΔΣ型A/Dコンバータ:オーバサンプリングによるビットストリーム化したアナログデータをΔ変調、積分処理及びフィルタリングによるノイズ除去を行い、デジタルデータに変換する方式。

 (注2)
 プログラマブル・ゲイン計装アンプ:プログラムによってゲイン(増幅率)を設定できる、ゲージ、圧力などの微小な差動信号を計測及び増幅するためのアンプ。

 (注3)
 S/N比:信号に対するノイズ(雑音)の量を対数で表したもの。基準信号を入力したときの出力レベルを、入力なしの場合の出力レベルに対してdB(デシベル)で表す。数値が大きいほど雑音が少なく高品質の信号が得られることを意味する。

 (注4)
 開発コスト削減、開発期間約6か月の短縮:ユーザーでのセンサ向けシステムソリューションのシステム仕様検討、センサを含むデバイス選定からシステム評価までの期間短縮と、開発費及びAFEの部品共通化による費用削減が可能。


 *SPIは、Motorola Incの登録商標です。その他、本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。

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