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東京商工リサーチ、東京オリンピック開催で経営者アンケート調査結果を発表

2013-11-16

経営者アンケート
“2020年東京オリンピック開催”
〜金融・保険業で期待が突出、建設業は悪影響を懸念〜


 9月8日、2020年の東京オリンピック開催が決定した。日本の夏季オリンピックでは1964年の東京オリンピック以来56年ぶりの開催で、7年先だが次第にオリンピック景気への期待も広がりつつある。東京商工リサーチでは東京オリンピックの開催が景気と経営にどのような影響をもたらすか、全国の経営者にアンケート調査を実施した。
 経営者の関心は開催地の東京では「関心がある」と回答した経営者は約8割に達し、全体平均でも約7割を占め関心の高さが見られた。
 新たな事業展開については約9割が「予定はない」と回答。7年先のことは経済効果が未知数として、今後の経営に慎重姿勢を崩さない経営者がいる一方、直接的な経済波及効果が2兆9,600億円とも試算されるオリンピックに関連する経済効果に期待を寄せている。アベノミクス効果の底上げも期待されるオリンピック開催だが、まだ期待値は地域間での温度差が大きい。今後、東京以外の地域までいかに波及効果の裾野を広げられるかが問われている。
 アンケートは2013年10月21日〜10月30日の間、全国の経営者(代表、取締役)を対象に実施し、3,096社の3,131名から有効回答を得た。


<経営者の9割が関心あり>
 東京オリンピックへの関心は、経営者の約9割(「関心がある」71.9%、「やや関心がある」21.7%、合計93.6%)が示していることがわかった。「関心がある」と答えたのは、東京の8割(79.6%)が最多、次いで関東(75.7%)、中部(72.2%)までが7割を超え、開催地周辺での関心の高さがうかがえた。
 一方、北海道や東北、近畿、中国・四国、九州といった地方では7割を下回った。全体では約7割が関心を示しており、おおむね地域、産業別に関係なく、オリンピック開催に向けた社会インフラ整備に加え、開催地の東京以外でも経済効果の波及に期待する声が目立った。
 オリンピック開催までの景気予想では、アベノミクス効果で景気は回復局面に入り、今後の景気へのプラス効果を期待する回答が約9割(「良くなる」35.6%、「やや良くなる」54.0%、合計89.6%)あった。
 「良くなる」とした回答は、地域別では東京が約5割(46.7%)に達した。開催地の東京は他地区より期待度が飛びぬけて高く、関心の高さが目立った。産業別では、金融・保険業が約5割(47.6%)で最多だった。今後、老朽化した高速道路のほか、オリンピック関連の社会インフラ整備や物流の活発化に伴う資金需要の拡大への期待が大きいようだ。

<業績への影響には格差>
 一方、オリンピック開催に向けた事業展開は約9割(90.7%)が「予定はない」と回答した。7年先への期待はあるが、消費税率引き上げや実体経済の先行きが不透明な部分を残しており、設備への先行投資や新商品開発などには、慎重な姿勢が見られた。
 オリンピック開催が自社業績に与える影響では、約5割(「良い影響」10.2%、「どちらかといえば良い影響」38.6%、合計48.8%)が「良い」と回答した。しかし、地域別でみると「良い」は、北海道が25.2%、東北が28.1%にとどまったのに対し、東京は約7割(「良い影響」17.6%、「どちらかといえば良い影響」50.6%、合計68.2%)が「良い」と回答し、温度差が大きかった。東京は地元開催への期待が大きく、オリンピックを前向きにとらえている半面、距離の離れた地域ほど経済の波及効果には冷静で、盛り上がりに乏しいのがわかった。7年先のオリンピック開催だが、徐々に各地で環境整備が進み、こうした特需の恩恵を現実に受けることにより、オリンピックの盛り上がりに拍車がかかるものと予想される。

<建設業では冷静な見方も>
 業界への影響が良いとの回答は過半数(「良い影響」15.1%、「どちらかといえば良い影響」46.0%、合計61.1%)を大きく超え、全体的には好感をもって受け止められているオリンピック開催だが、自社の業績への影響については一部では冷ややかな見方もあった。
 地域別では北海道、東北で自社業績への波及効果への期待度が乏しかった。特に東北では復興工事の遅れなどの悪影響を指摘する声も聞かれた。産業別では建設業で1割以上(「悪い影響」1.3%、「やや悪い影響」13.4%、合計14.7%)、不動産業でも1割(「悪い影響」1.6%、「やや悪い影響」9.7%、合計11.3%)が、オリンピックで自社の業績が悪くなると回答し、全体の平均(「悪い影響」0.8%、「やや悪い影響」4.7%、合計5.5%)を大きく上回った。
 建設業では現状、建設資材の高騰や職人の人件費アップなどが収益の圧迫材料として懸念されているなか、今後のオリンピック関連需要でいっそう加速されるのではないか、と冷静な受け止め方をされている。また不動産業でも、長期にわたる不況を経て来年4月の消費税増税を前にした、いわゆる駆け込み需要の反動に懸念があるうえ、建設業と同様、建設コストの上昇が収益に影響するといった声が聞かれた。
 全体では「どちらともいえない」とする回答が約5割(45.7%)あり、7年先の動きまでは読みきれていない実態も浮き彫りになっている。7年後の東京オリンピック開催に向け、時間の経過にともなって経済の波及効果と実感の拡大が期待されている。


 ※以下、リリースの詳細は添付の関連資料を参照

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