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JFEスチール、堀之内橋側道橋新設工事に鋼管杭先端拡大根固め工法として「Super KING工法」を採用

2011-01-26

「Super KING工法」が鋼管杭先端拡大根固め工法として道路橋基礎に国内初採用


 千葉県成田市の「堀之内橋側道橋新設工事」に、当社の鋼管杭を用いた「Super KING工法」が採用され、この度鋼管杭の納入および施工が完了しました。道路橋基礎用として鋼管杭先端拡大根固め工法の国内初採用となります。

 「Super KING工法」は、JFEスチール株式会社、ジャパンパイル株式会社、ノザキ建工株式会社が共同で開発した高支持力を持つ鋼管杭先端拡大根固め工法で、高い先端支持力(*1)を発揮します。建築基礎分野向けには2003年に財団法人日本建築センターの性能評価を取得し、既に多くの採用実績があります。道路橋基礎等の土木分野向けには、2007年に財団法人土木研究センターの建設技術審査証明を取得し、2010年にはNETIS登録(登録番号KT−100003)(*2)を行いました。

 「堀之内橋側道橋新設工事」は、取香川(とっこうがわ)を渡る堀之内橋を利用する歩行者の安全確保・便益向上を目的に、現橋に並行して人道橋を設置するものです。本工事では「Super KING工法」が拡大根固め球根により大きな鉛直支持力を発揮することが評価され、さらに、重量の軽い鋼管杭を小型の施工機械で打設することで、狭い敷地での施工が可能となったことが採用の理由となりました。

 「Super KING工法」は、先端内外面にらせん状の突起を設けた鋼管杭(写真1)と拡大根固め球根とを一体化させ大きな支持力を発現する工法です。拡大根固め球根は、機械式に拡翼する特殊ビットを用いて杭先端部の支持地盤に築造します。

 「Super KING工法」は、以下の特徴を有しています。


・Super KINGビット(写真2)により鋼管外径の1.5倍の外径をもつ拡大根固め球根(写真3)の築造が可能であり、大きな先端支持力(従来比2.25倍)が得られる。 

・Super KINGビットは独自のシステムにより拡大掘削したことを確認できる。 

・拡大根固め球根の外径は、鋼管外径の1.25倍、1.50倍の2通りが可能であり、設計で必要な鉛直支持力に応じた選択が可能である。 

・耐震設計で必要な水平抵抗力を確保するために、杭頭部近傍の鋼管外径を拡大した拡頭タイプ(写真4)を使用することができる。 

・地盤が良質な場合には、杭周固定液を充填することによって大きな周面摩擦力が得られる。 

 以上のことから、杭本数の低減や杭径の縮小効果が得られる。 


 日本は地震多発国であり、設計において厳しい耐震照査が求められています。実際に、道路橋基礎の7割は地震に対する水平方向の抵抗力を確保するために杭の寸法・数量が決定されており、この分野では、場所打ち杭(*3)とともに鋼管杭が広く利用されています。一方で、残りの3割は鉛直支持力によって設計が決定されており、場所打ち杭が広く採用されていますが、この分野においても、高い支持力を発揮し、施工性の高い「Super KING工法」への置き換えで工期短縮やコストダウンが可能となり、鋼管杭の普及拡大が見込めます。

 当社は今後も社会のニーズの変化に対応した様々な建材商品を開発してまいります。


(*1)先端支持力:
 一般に杭の鉛直支持力は、先端支持力と周面摩擦力との和で表される。鋼管杭は、杭先端部に液状セメントを注入し、土と一体化させた根固め球根を設けることによって、先端支持力を発揮させる施工法が多いが、この場合、先端支持力に有効な断面積は鋼管杭の閉鎖断面積である。Super KING工法では、根固め球根を拡大させ、設計上有効な断面積を大きくすることで、通常の根固め工法と比較して2.25倍の先端支持力を得ている。 

(*2)NETIS:
 国土交通省にて運営される公共工事における新技術活用システム。 

(*3)場所打ち杭:
 掘削した地盤中に円筒状に組立てた鉄筋を設置の上、コンクリートを打設することによって造成される杭。杭の種類には、主に、場所打ち杭、鋼管杭、既製コンクリート杭等がある。 


【案件概要】
 工事名称:十余三駒井野線堀之内橋側道橋新設工事 
 発注者:成田市 
 元請:株式会社国井組 
 杭寸法:SKK400 杭径400mm×厚さ9mm×長さ12,000mm 8set 
 工期:2010年8月〜2011年3月(杭の施工は1.5日) 


 施工風景
  ※ 関連資料参照


【会社概要】
○JFEスチール株式会社 
 本社:東京都千代田区内幸町 
 代表者:代表取締役社長 林田 英治 
 設立:2003年4月1日 
 資本金:2,396億円 
 売上高:22,814億円(2009年度、連結) 
 従業員数:13,922名(2010年3月31日現在、単独) 

○ジャパンパイル株式会社 
 本社:東京都中央区日本橋浜町 
 代表者:代表取締役社長 黒瀬 晃 
 設立:2005年4月1日 
 資本金:28億1560万円 
 売上高:438億円(2009年度、連結) 
 従業員数:1026名(2010年3月31日現在、連結) 

○ノザキ建工株式会社 
 本社:千葉県千葉市美浜区新港 
 代表者:代表取締役社長 木村 仁彦 
 設立:1972年10月1日 
 資本金:1億円 
 売上高:30億円(2009年度) 
 従業員数:56名(2010年3月31日現在) 


【道路橋杭基礎の設計上の決定要因】
 ※ 関連資料参照

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