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浜松ホトニクス、超小型・軽量で低価格の指先サイズのマイクロ分光器を開発

2013-11-09

スマートフォンと接続したモバイル測定機器などの用途に
世界最小、指先サイズのマイクロ分光器を新たに開発


 当社は、現行の分光器(以下MSシリーズ)に比べ、ほぼ同等の性能を維持しながら、体積と価格を2分の1以下とさらに超小型、軽量で低価格にした指先サイズのマイクロ分光器を新たに開発しました。可視光に感度のある「C12666MA」を12月25日から、印刷機器やLED照明などの色管理をはじめ、スマートフォンなどの携帯端末と接続したPOCT(臨床現場即時検査)などのモバイル測定機器などの用途に、国内外の各種機器メーカーにサンプル出荷を開始します。
 なお、本製品は、11月7日(木)から3日間、アクトシティ浜松浜松市中区)で5年ぶりに開催される、浜松ホトニクス総合展示会「フォトンフェア2013」に出展します。

<製品の概要>
 本製品は、色管理や色計測用途に適した波長範囲340ナノメートル(ナノは10億分の1、以下nm)から780nmの可視光を測定する、世界最小(当社調査)の分散型分光器です。当社が長年培ったMEMS(微小電気機械システム)技術と独自のイメージセンサ技術の融合により、貫通スリットを一体化したCMOSセンサとナノインプリント技術により成型した反射型凹面グレーティング(回折格子)を配置することにより、超小型で低価格を実現しました。
 これらは、当社が光半導体センサとMEMSの両技術を保有していることから、設計の自由さによって実現したものです。また、本製品は、ハーメチックパッケージを採用することで、堅牢性と湿度に対する高い信頼性も確保されています。
 本製品は、印刷機器や各種大型ディスプレイのLED照明の色管理はもとより、超小型で低価格な特長を活かして、スマートフォンなどの携帯端末と接続して分光測定を行うPOCTなどのモバイル測定器への組み込みなど、さまざまな新しい分光器応用に発展することを期待しています。

 *POCT(ポイントオブケアテスティング):小型分析機器や迅速診断キットを用いて患者の近くで診療中に簡単に測定でき、病院内の検査室で行う検査と同じ結果を得られる検査。

 また、本製品を簡易的に評価するための評価用モジュールを用意しました。本製品と付属のUSBケーブル、評価用ソフトウェアを使用して特性を評価することができます。

<構造と動作原理>
 入射スリットを通過した光は、反射型凹面ブレーズドグレーティングにて分光され、スリット付きイメージセンサの受光面表面に結像されるように光学設計されています。入射スリットはCMOSイメージセンサに一体形成されており、CMOSイメージセンサ受光部に対して高精度な位置決めがなされています。
 凹面グレーティングで分光・結像された光信号を電気信号に変換して出力します。分光器では、多重反射光や測定光以外の回折次数の光が迷光成分となりますが、CMOSイメージセンサの受光チップ上にカットフィルタを直接形成することで迷光を除去しています。CMOSイメージセンサの各画素には分光された波長の光が入射し、それに対応した電気信号を出力して分光器として機能します。

 ※参考画像は、添付の関連資料「参考画像1」を参照

<開発の背景>
 分光分析は、産業・民生、環境分析、食品・農業、医療・健康など幅広い分野で利用されています。その手法も多岐を極め、発光・吸光・蛍光・ラマン散乱など、紫外領域から可視、赤外域の波長帯域で、色測定や化学分析などが行われています。従来、分光分析器は、大型で高価な据え置きタイプのため、分析室などに被測定物を持ち込む必要がありました。
 近年、測定対象がある現場で分析を行うリアタイム計測や常時測定監視を行うモニタリング計測など各種環境計測機器やモバイル測定器への組み込みが可能な小型で低価格な製品化が進められています。
 現在は、スマートフォンなどの携帯端末と接続して分光測定を行うPOCTなどのモバイル測定器への組み込みへの関心が急速に高まりつつあり、さらに小型で低価格な製品開発が求められています。このような背景のもと、超小型で低価格を満たすことができるマイクロ分光器の開発を進めてきました。

<主な特長>
1、体積と価格が現行品の2分の1以下
 MSシリーズはガラス部材を使用しているため、小型・低コスト化に限界がありました。本製品はガラス部材を無くしたエアー光路を採用することで、現行品の体積約6cm3、質量9gに比べ、ほぼ同等の性能を維持しながら、体積を約2.5cm3、質量5gに抑え、価格も2分の1以下を実現しました。

 ※参考画像は、添付の関連資料「参考画像2」を参照

2、堅牢性と高湿環境に対応
 本製品は、さまざまな用途で使用することを考慮し、金属のCANパッケージでハーメチックシールの採用により、堅牢性と高湿環境に対する信頼性を確保しています。

●主な仕様

 ※添付の関連資料を参照

●サンプル出荷開始日 2013年12月25日

●サンプル価格(税込) マイクロ分光器「C12666MA」 18,900円

●販売目標数 1年目1万個/年、3年後10万個/年


 ※製品画像は、添付の関連資料を参照


「この件に関するお問い合わせ先」
■一般の方
 浜松ホトニクス株式会社
 固体事業部 固体営業推進部
 〒435−8558 浜松市東区市野町1126−1
 TEL053−434−3311
 FAX053−434−5184
 E−mail:toshinori-i@ssd.hpk.co.jp

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