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協和発酵キリン、「KW−6500」のパーキンソン病対象の国内第3相臨床試験結果を発表
KW−6500(アポモルヒネ塩酸塩水和物)の
パーキンソン病を対象とした国内第3相臨床試験の結果のお知らせ
協和発酵キリン株式会社(本社:東京、代表取締役社長:松田 譲、以下「協和発酵キリン」)は、パーキンソン病による運動機能低下に対する治療薬として開発中のKW−6500(アポモルヒネ塩酸塩水和物)の第3相臨床試験における結果を得ましたので、お知らせいたします。
本試験では、進行期のパーキンソン病を対象として、本剤をあらかじめ12週間投与した後、クロスオーバーデザイン(注1)により、本剤とプラセボとの二重盲検比較試験を実施し、有効性を比較検討しました。主要評価項目は治験薬投与前後の運動機能スコア(UPDRS(注2) part3)の変化量としました。
今般、本試験結果を解析したところ、運動機能スコアの変化量について本剤のプラセボに対する統計学的な有意差が示され、臨床効果が確認されました(最小二乗平均値 本剤:−24.5、プラセボ:−2.3、p<0.001)。
本結果を踏まえて、今後、本剤の新薬承認申請の準備を進めていきます。
協和発酵キリンは、「がん」「腎」「免疫疾患」を研究・開発の重点領域とし、特徴ある抗体技術を活かした抗体医薬品の開発に取り組んでいます。低分子医薬品においても画期的な新薬を継続的に創出することで、世界の人々の健康と豊かさに貢献したいと考えています。
【試験概要】
治験デザイン:多施設共同、プラセボ対照、二重盲検クロスオーバー比較試験
対象:進行期のパーキンソン病(28名)
主要評価項目:本剤を12週間投与した後の、治験薬投与前後の運動機能スコア変化量
【解析結果の要約】
変化量の最小二乗平均値
KW−6500:−24.5
プラセボ:−2.3
差(KW−6500−プラセボ)の点推定値 [95%信頼区間]:−22.1 [−27.8, −16.4]
p値:<0.001
(注1).クロスオーバーデザイン
治験参加者は2つ又はそれ以上の順序を無作為に割付けられ(被験薬と対照薬を投与する時期を互いにずらす)、それぞれの効果を治験参加者内で評価する試験方法です。
(注2).UPDRS
Unified Parkinson’s Disease Rating Scaleの略で、パーキンソン病の病態を総合的に把握するための評価尺度として利用されています。Part1(精神機能、行動および気分)、Part2(日常生活動作)、Part3(運動能力検査)、Part4(治療の合併症)の4つのパートに分かれており、スコアが高いほど病態が重度であることを示します。