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パナソニック電工、防犯照明で光源の分光分布を変化させた照明空間の視環境評価実験を実施
薄明視(※1)環境下において防犯照明の分光分布の違いが視環境に与える影響を調査
「プルキンエ現象(※2)により、
人は短波長成分の多い白色LEDによる照明空間を明るく感じること」を確認
〜福井大学 明石 行生 准教授と共同研究〜
<実験場所 パナソニック電工施設照明株式会社 福井工場内/実験の様子>
*画像は添付の関連資料を参照
パナソニック電工株式会社は、照明光が人への快適性や安全性に及ぼす影響について、視覚心理面などから研究を進めています。
このたび、福井大学 明石 行生 准教授と共同研究を行い、薄明視(※1)環境下での防犯照明において、光源の分光分布を変化させた照明空間の視環境評価実験を実施しました。評価実験の結果、路面の平均照度や鉛直面照度が同じ状態において、「蛍光灯で照明された空間よりも、白色LEDで照明された空間の方が人は明るいと感じ、また、均一に照明されている印象を受けやすい」との結果が得られました。さらに、白色LED同士の比較において「相対的に短波長成分が多い白色LEDで照明された空間は、上記の傾向が顕著となる」ことがわかりました。
防犯照明が設置されるような薄明視環境下では、プルキンエ現象という視覚心理効果によって短波長成分の光を人は明るく感じます。今回の評価結果は、その効果によるものと考えられます。この研究成果は、今後、国内外の照明関連学会で発表する予定です。
パナソニック電工株式会社は、今回の研究成果を生かして、視環境を改善する防犯照明の製品開発を進めていきます。
※1 薄明視(はくめいし:mesopic vision)・・・詳細は後述参照
物の色と形がいくらかわかる0.01ルクス〜10ルクスぐらいの明るさの状態。満月は0.2ルクス、街路灯は1〜5ルクス程度。明所視と暗所視の中間状態の視覚。人の目の網膜に分布している光受容器のうち、明所視では錐体(すいたい)、暗所視では桿体(かんたい)が主に活動し、薄明視ではその両方が活動する。
※2 プルキンエ現象(Purkinje phenomenon)・・・詳細は後述参照
明所視から薄明視または暗所視へ経過すると、ヒトの目の明るさへの感度特性(視感度)が短波長側に移動しつつ上昇する現象。これは、桿体の視感度が錐体に比べて短波長にあるために起こる。
プルキンエとは19世紀のチェコの生理学者の名前。
■視環境評価実験の内容
実験方法:
実験道路内にさまざまな光源を用いた防犯照明器具を複数灯設置し、その空間を評価者が見て、評価項目について回答する。
評価光源:
直管蛍光灯(4200K・白色)・白色LED(5000K・昼白色)・短波長成分の多い白色LED
実験期間:
平成22年11月18〜19日
実験場所:
パナソニック電工施設照明株式会社福井工場内 実験道路(福井県坂井市)
評価者:
福井県内の住民43名(18〜59才の男女 計43名)
評価項目:
明るさ、視認性、均一性、色の見え方など9項目
*以下、「検証結果」など詳細は添付の関連資料を参照