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清水建設など、光る斜面崩壊検知センサ杭を開発・実用化

2013-10-07

光る斜面崩壊検知センサ杭を開発・実用化
〜杭自体が斜面崩壊を検知し、警報を発報〜


清水建設(株)<社長 宮本洋一>、プラスチックのリサイクル事業を手掛ける(株)リプロ、無線通信機器メーカーの(株)テスコムの3社はこのほど、斜面に生じる変状をリアルタイムに検知し、回転灯で崩壊リスクを見える化する「光る斜面崩壊検知センサ杭」(通称:光るセンサ杭)を共同で開発・実用化しました。現在、当社JVが愛媛県で施工中の鹿野川ダムトンネル洪水吐新設工事に初適用しています。

斜面地で工事を行う場合や切土により急斜面が生じる場合、現場では崩壊防止措置を採った上で、斜面に生じる変状を検知するシステムを採用することがあります。既存の検知システムでは、現場のセンサから送信されてくるデータを事務所のパソコンがチェックし、管理値を超えていると判断すると現場で警報を発報する仕組みになっています。ただ、変状発生から警報発報までの間にタイムラグが生じること、工事騒音により警報を聞きづらいことがあること、設置に配線工事等が必要なことから、新たなセンサが求められていました。

新開発の光るセンサ杭は、LED回転灯、回転灯用の充電式乾電池、電池内蔵の無線センサ端末、プラスチック杭を一体化したものです。この杭は2パーツに分かれ、無線センサ端末と充電式乾電池を内蔵する杭本体と杭頭に搭載する回転灯からなります。全長900mmで、温度変化による影響を排除するため杭表面は断熱セラミック塗装を施しています。

設置方法は、まず、岩盤の場合は削孔した孔の中に杭本体の下部500mmを差し込み隙間にモルタル充填、土砂の場合は杭を打ち込みモルタルで根巻きし固定します。その後、杭本体の所定の収納部位にセンサ端末、乾電池、杭頭に回転灯を取り付けるという簡単なものです。設置時に無線センサ端末の電源を入れることで、すぐに計測を開始できます。設置間隔は地盤条件や傾斜具合により異なりますが、概ね20mピッチとなります。

センサの管理値は、過去の斜面崩壊の事例をもとに2°に設定しており、センサがX方向とY方向の合成角で2°以上の傾斜の発生を検知すると瞬時に回転灯を点灯させる仕組みになっています。回転灯の視野角は360度で、視認距離は50mです。傾斜を検知した光るセンサ杭が点灯するので、広大な傾斜地を監視する場合に特に威力を発揮します。管理値の変更や回転灯のオン・オフはモバイル送受信機とパソコンで自在に設定できます。なお、無線センサ端末は内蔵の電池により約2年間連続稼働でき、回転灯は充電式の電池に半年に1回充電することで繰り返し使用できます。

鹿野川トンネル洪水吐新設工事では、山を切って生じた急斜面に光るセンサ杭5本を採用しています。管理値の2°に対して、温度差により0〜0.5°の範囲で計測値が推移しています。トータルステーションによる地山の変形計測でも崩壊を示すような兆候が表れていないため、光るセンサ杭の検知性能は信頼しうるものと判断できます。当社は今後、この光るセンサ杭を総合評価案件の有効な技術提案項目に加え、提案力の差別化を図ります。

以 上

≪参 考≫

 ※下記は添付の関連資料を参照

1.鹿野川ダムトンネル洪水吐新設工事の概要
2.(株)リプロ、(株)テスコムの会社概要
3.光る斜面崩壊検知センサ杭

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