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日本気象協会、熊本で最新の超小型XバンドMPレーダによる降雨監視を開始

2013-10-03

熊本で最新の超小型XバンドMPレーダによる降雨監視を開始



 一般財団法人日本気象協会(本社:東京都豊島区 会長:繩野克彦)は、新たに気象観測用のXバンドMPレーダ(※注1)を熊本県内に2基設置し、明日(10月1日)より観測を開始します。国土交通省が整備しているXRAIN(Xバンドレーダネットワーク)(※注2)ではカバーしていない熊本地域を補完するものです。

 日本気象協会では、2012年11月より埼玉県羽生市にXバンドMPレーダを導入し、都市域における極端気象現象(豪雨や竜巻など)の解明や、首都圏などの大都市での防災対策に貢献しています。

 今回の最新の超小型XバンドMPレーダ(※注3)による高頻度・高解像度の降雨観測を通じて、2012年7月に豪雨災害が発生した熊本県において、政令指定都市である熊本市及び周辺地域と、県南部にある市房ダム流域の降雨監視体制強化に向けた試験を開始します。
 導入したレーダは、高精度の観測が可能であり、加えて従来の気象レーダに比べて非常に小型であるため、設置が容易であるという利点があります。この特徴を活かし、都市部で急速に発達する積乱雲の発生とその変化を捉え、局地的な大雨の予測手法の検討を行います。また、今まで正確な降雨分布を捉えることが難しいとされてきた山間部において本レーダを導入することによって的確な降雨分布の把握を可能にします。

 *参考画像は、添付の関連資料を参照

 日本気象協会は、風水害・土砂災害等を引き起こす恐れのある突発的な豪雨や竜巻などの気象現象の解明や予測精度の向上、防災、交通機関の運行管理、道路の通行規制等に役立つ情報提供を目指し、XバンドMPレーダの観測情報を有効に活用していきます。

 ※注1:XバンドMPレーダ
 XバンドMPレーダは、既存のレーダに比べて、高分解能・高頻度で観測可能な最新型のレーダです。水平方向と垂直方向の2種類の電波を同時に送信・受信することで、雨及び風の観測を三次元で行います。このため、雨雲の発達と移動過程の予測が可能となり、局地的な豪雨の早期検知が期待されています。雨粒の形状を測定することも可能で、雨・雪・あられ・雹などを判別することができます。

 ※注2:XRAIN(Xバンドレーダネットワーク)
 近年、増加する集中豪雨や局所的な大雨による水害や土砂災害等に対して、適切な河川管理や防災活動等に役立てるために、国土交通省が整備しているXバンドレーダネットワークのことです。九州では、福岡県内に4基(九千部、菅岳、古月山、風師山)、鹿児島県内に1基(垂水)に設置されています。

 ※注3:超小型XバンドMPレーダ
 今回の降雨観測で実験試験局として使用する気象レーダは、古野電気株式会社製の「WR−2100(http://www.furuno.com/jp/systems/products/wr-2100/)」です。レドームアンテナの大きさが約1m、重量65kgと従来のレーダに比べて非常に小さく、高速回転(アンテナが6秒間で1回転)、距離方向に最小50m単位での観測が可能です。集中豪雨や局所的な大雨(いわゆるゲリラ豪雨)をもたらす急速に発達する積乱雲を瞬時に捉えることができ、局地観測、複数基によるネットワーク化による豪雨監視に威力を発揮します。

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