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新日本科学、米社と経鼻製剤基盤技術でライセンス契約を締結

2013-10-01

経鼻製剤基盤技術のライセンス契約に関するお知らせ
‐偏頭痛の治療を目的としたジヒドロエルゴタミン経鼻剤の技術導出‐


 株式会社新日本科学(本社:東京、社長:永田良一、以下「新日本科学」)は、独自の経鼻製剤基盤技術(1)を応用したジヒドロエルゴタミン経鼻剤に関し、Transcept Pharmaceuticals,Inc.(本社:米国カリフォルニア州、社長:Glenn A.Oclassen、NASDAQ上場、以下「Transcept」)とライセンス契約を締結しましたのでお知らせします。

 本契約は、新日本科学が独自開発し、国際特許を有する経鼻製剤基盤技術(1)を応用したジヒドロエルゴタミンを対象とする粉末経鼻製剤(以下「本製剤」)のライセンス付与です。Transceptは全世界における本製剤の独占的な開発権および販売権の許諾を受けます。一方、新日本科学は、その対価として、契約締結時一時金および本製剤の開発段階と上市後の売上高等に応じた上限総額4,250万米ドルのマイルストーンに加えて、売上高に対する二桁台パーセントのロイヤリティーの支払いをTransceptから受けます。

 偏頭痛は、片側のこめかみに脈打つように「ずきずき」、「がんがん」と強い痛みが起こり、ひどいときには日常生活が妨げられるほどの強さで、吐き気を伴うとてもつらい頭痛です。米国では毎年約3千万人、日本では毎年約840万人がそれぞれ偏頭痛に苦しんでおり、偏頭痛薬の世界市場は約30億米ドル以上と報告されております。患者さんは、働き盛りの20歳〜40歳代の若い年齢層に多いことが特徴で、日常生活の中で、いつ強い頭痛が起きるか不安を持っており、偏頭痛を速やかに緩和させ、且つ自己投与が可能な製剤を強く望んでおります。ジヒドロエルゴタミンは、すでに偏頭痛の治療薬として市販されており、米国では注射剤のほか、点鼻液も認可されていますが、従来の点鼻液は、薬剤の吸収が比較的遅く偏頭痛を速やかに治療する製剤としては充足できないのが現状です。

 今回、Transceptは、霊長類による試験において、市販の点鼻液に比べて、本製剤が薬剤の速やかな吸収を可能にすることが確認されたことを受けて、患者さんのニーズに適合した製剤として、本製剤の開発に着手することを決定いたしました。本製剤の開発により、注射剤に代わり簡易な方法で薬物の投与を行うことが可能となり、速やかで且つ確実な偏頭痛の治療が期待できます。
 Transceptは、来年に本製剤の臨床試験を開始する計画であり、一日も早い上市を目指しております。

 一方、新日本科学は、本製剤における前臨床試験等の受託や経鼻投与用デバイスの供給も実施しながら、Transceptによる本製剤の研究開発を引き続き全力でサポートしてまいります。さらに、Transceptは、本ライセンス契約の対象になったジヒドロエルゴタミンのみならず、治療ニーズが高い神経科学領域の他の薬物についても、新日本科学の経鼻製剤基盤技術への応用性評価を引き続き実施していきます。

 新日本科学は、1998年から経鼻製剤技術の研究を開始し、経鼻製剤基盤技術を応用した糖尿病薬(インスリン経鼻製剤)、制吐薬(グラニセトロン経鼻製剤)、偏頭痛薬(ゾルミトリプタン経鼻製剤)などの臨床試験実績を独自に重ねながら、種々の薬物に応用可能な汎用性のある基盤技術を確立してまいりました。このような経緯のもと、新日本科学は、2011年2月にはPastorus Pharma,LLCに自閉症スペクトラム領域の治療薬(オキシトシン経鼻製剤)を、本年の4月にはBesins Healthcareグループに頭部外傷治療薬(プロゲステロン経鼻製剤)をそれぞれライセンス付与致しました。今回のTransceptへのライセンス付与を含めて、当社の経鼻製剤基盤技術に対する評価は着実に高まってきていることがうかがえます。新日本科学は、基幹事業である医薬品の研究開発受託事業(CRO事業)に加えて、本契約に代表されるように知財により収益を上げていく研究開発型のトランスレーショナルリサーチ事業(TR 事業)(2)にも注力していくことで、より一層の付加価値を付けた質の高い技術と特化したサービスをお客様に提供する体制を整備し、より深化させた事業形態に発展できるように努力してまいります。

 なお、本契約締結に伴う契約締結時一時金は、平成25年5月14日に公表しました当期業績予想に織り込み済みであり、当期業績に及ぼす影響は軽微であります。


以上


 Transcept Pharmaceuticals,Inc.;神経科学領域の重要な治療ニーズに特化した専売医薬品の開発および商品化を行っている製薬企業です。Transceptのマネージメントチームは、自社製品のIntermezzo(R)(3)について、その構想段階から2011年のFDA承認に至るまで、一連の開発に携わりました。なお、Intermezzo(R)の米国における開発および商品化に関する権利はPurdue社が有しております。会社ホームページ:http://www.transcept.com/、Intermezzo(R)ホームページ:http://www.myintermezzo.com./


【備考】
 1)経鼻製剤基盤技術;新日本科学が独自開発した国際特許を有する基盤技術で、薬物の鼻粘膜からの吸収性と吸収速度を著しく高める粉体経鼻製剤処方とその経鼻製剤を簡便且つ確実に鼻腔内に送り込むことができる経鼻投与用の医療デバイスの技術から構成されています。本技術は、種々の薬物に応用可能な汎用性のある基盤技術であり、これまでに複数の臨床試験を実施しており、安全性と有効性が実証されています。技術紹介ホームページ: http://www.snbl-nds.co.jp/

 2)トランスレーショナルリサーチ事業;医療につながる基礎研究成果を実用化させる事業のことです。新日本科学は、自社が有する前臨床試験施設や臨床試験施設を活用して、基礎技術の付加価値や開発ステージを高めて、製薬企業へのライセンス付与を行うことを目的とした事業をトランスレーショナルリサーチ事業(TR事業)と称しています。

 3)Intermezzo(R)(酒石酸ゾルピデム舌下錠);Intermezzo(R)は、夜間に覚醒し再入眠が困難な不眠症の治療として使用されます。なお、夜間覚醒から起床までの時間が4時間未満に満たない場合には、Intermezzo(R)は使用になれません。


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