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帝人、多彩な樹脂に対応できる新しいリン系難燃剤を開発
新規リン系難燃剤「FCX−210」を開発
帝人株式会社は、このたび、スチレン系樹脂やポリアミド系樹脂など、より多彩な樹脂に対応可能な新規リン系難燃剤「ファイヤガード FCX−210」を開発しました。
OA機器や家電製品、自動車などの急速な高性能化に伴い、火災や事故からユーザーを守るため、それらに使用される材料にもより高い安全性や環境適合性が求められています。難燃剤(樹脂などの可燃性素材を燃えにくくする添加剤)は、こうしたニーズに応えるソリューションの1つとして、エレクトロニクス製品や自動車材料などに幅広く使われています。
主要な難燃剤の1つであるリン系難燃剤は、特にポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂などに添加することで高い難燃効果を発揮しますが、顧客からは、これらの樹脂に限らず高い難燃効果を発揮する難燃剤の開発を強く求められていました。また、従来のリン系難燃剤は、添加することによる耐熱性の低下が課題となっていたため、添加しても耐熱性が低下しない難燃剤の開発も強く求められていました。
<「ファイヤガード FCX−210」について>
このたび開発した「ファイヤガード FCX−210」は、当社独自の分子設計技術で開発した新規リン系難燃剤で、以下の特長を有します。
・一般的なリン系難燃剤では高い難燃効果の付与が困難であったABSやポリスチレンなどのスチレン系樹脂、ナイロンをはじめとするポリアミド系樹脂など、OA機器や家電製品、ゲーム機器、自動車などに広く使用される、より多彩な樹脂に高い難燃効果を付与することが可能です。
・従来のリン系難燃剤は添加することにより樹脂の耐熱性が低下しましたが、「FCX−210」は耐熱性を維持することが可能です。
・「FCX−210」は、少量の添加で難燃性を向上させることができるため、樹脂本来の特性を保持することができます。たとえば、HIポリスチレンでは添加量を約4割低減することが可能です。
・ユーザーニーズが極めて高いノンハロゲン対応です。
今後は、従来より展開している臭素系難燃剤に、このたび開発した「ファイヤガード FCX−210」を加えてラインナップを拡充し、エレクトロニクスや自動車市場を中心に用途展開を進めます。その結果、難燃剤事業として2018年度には40億円の売上高を目指します。
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>樹脂
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