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ルネサスエレクトロニクス、開発効率向上の車載制御システム用16ビットマイコンを発売

2013-09-18

車載制御システムの低消費電力化、小型化、開発効率向上を実現する16ビットマイコンを発売
〜車載向けローパワーマイコン「RL78/F13」「RL78/F14」合計91品種をプラットフォーム・ソリューションとして提供〜

 ※製品画像は添付の関連資料を参照

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役会長兼CEO:作田 久男、以下ルネサス)は、車体制御システムに向けて開発効率向上、システムコスト低減、システムの低消費電力化や機能安全への対応を実現する16ビットマイコンを製品化し、「RL78/F13」「RL78/F14」の名称で本年10月よりサンプル出荷を開始いたします。
 新製品は、パワーウィンドウやドアミラーなどの車体制御システムだけでなく、電動ウォーターポンプや冷却用ファンなどの車載モータ制御システムをはじめとする幅広い車載分野に向けたRL78/F13が60品種、およびBCM(Body Control Module)やHVAC(Heating,Ventilation,and Air Conditioning)など、車体制御システムのなかでも特に大容量メモリを必要とする用途に対応可能なRL78/F14が31品種の合計91品種です。
 新製品は、(1)CPUコアや周辺機能を共通化し、プラットフォーム・ソリューション化が容易な豊富なラインナップで開発効率向上に貢献、(2)パッケージの小型化および150℃の高温環境対応により車載制御ユニット(Electronic Control Unit、以下ECU)の小型化に貢献、(3)当社従来品「78K0R/Fx3」と比べ、スタンバイ時の消費電流を50%削減することによりシステムの低消費電力化に貢献、などの特長を有しております。
 新製品のサンプル価格は製品により異なりますが、例えばRL78/F14端子数48ピンのパッケージで128KB(キロバイト)のメモリ容量を搭載する製品が600円/個となります。また、量産は2014年9月より開始し、2015年9月には月産250万個を計画しております。

 近年、自動車には走る・曲がる・止まるといった従来の機能に加え、安心・安全・快適な車の実現に向けてクラウドにつながるIT技術やリアルタイム認識といった新技術の搭載が始まり、急速に電子化が進んでいます。従来どおり自動車メーカー別、車両別の仕様の多様化が求められる一方で、このような動きに伴い、全てのECUを共通のプラットフォーム・ソリューションでカバーできる幅広いマイコンのラインナップが求められております。また車両の電子化が進展するにつれて、1台の車に搭載されるECU車載制御ユニットが増加しています。
 このため自動車メーカーやECUメーカーは、ECUの小型化、軽量化、消費電力削減に加え、安全性の確立を追求しています。これらの市場ニーズに応えるため、ルネサスは新製品を開発し、市場投入するものです。

 新製品の特長の詳細は以下の通りです。


(1)プラットフォーム化が容易な豊富なラインナップで開発効率向上に貢献

 システムの仕様違いによるROMサイズ変更から、全く異なるシステムへの流用などに対応するため、新製品はCPUコアやCAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)といった車両内ネットワークなどの各種周辺機能および端子レイアウトが共通となっている。RL78/F13は、メモリ容量が16KBから128KB、パッケージの端子数が20ピンから80ピン、RL78/F14は、メモリ容量が48KBから256KB、端子数が30ピンから100ピン、RAMは最大20KBまで拡張。このように多くのラインナップを準備しているため、幅広いアプリケーションに対応できる。これにより、ソフトウェアや基板などの設計資産の流用による開発プラットフォーム構築が可能になるため、ユーザーのシステム開発効率の向上に貢献する。
 さらに新製品は、当社従来のCPUコア「78K0R」、「R8C」を搭載したマイコンの高機能な周辺回路をそれぞれから採用しているためユーザーの既存資産の有効活用が可能になっているほか、CPUコアに乗除算・積和演算命令を追加し、さらなる性能改善を図っている。


(2)パッケージの小型化および150度の高温環境対応により、ユニットの小型化に貢献

 ECUの小型化ニーズに応えるため、QFN(Quad Flat Non−Leaded Package)パッケージを新規に開発。32ピンのSSOP(Shrink Small Outline Package)と比較した場合、実装面積を約69%削減可能となる。本QFNパッケージは従来のQFNパッケージに比べ、端子側面にくぼみをつけることで実装時のはんだ濡れ性を向上させているため、工場の生産ラインを変更することなく実装可能。また、本QFNパッケージを採用することで基板サイズを縮小できるため、ECUの小型化に貢献できる。
 さらに、システムのさらなる小型化のため、アクチュエータに直接マイコンを実装する機電一体化の要求が高まってきているが、ウォーターポンプのようなアプリケーションでは周囲温度が高温になるため、従来のマイコンでは実装が困難という課題があった。新製品は周囲温度150℃での動作が可能なため、アクチュエータに直接マイコンを実装できることから、システムのさらなる小型化に貢献できる。


(3)スタンバイ時の消費電流を50%削減(従来比)することにより、システムの低消費電力化に貢献

 新製品は、「78K0R/Fx3」と比べ、低消費電流のプロセスを採用する事により、スタンバイ時の消費電流を当社従来品の1μA(マイクロアンペア)から500nA(ナノアンペア、Ta=25℃でのTyp.値)と50%削減。またスタンバイ中でもCPUを起動せずにA/D変換が可能な機能を搭載するなど、システムの低消費電力化に貢献できる。


(4)機能安全をサポートする各種ハードウェア機能の搭載により、システムの機能安全対応に貢献

 機能安全規格ISO26262への準拠に向けて、電気・電子機器の故障を検出し、安全を確保できる機構(機能安全)の強化が車載システムに求められており、マイコン自身にも自己診断機能の搭載が必要とされている。
 新製品では、例えば基準電圧や電源をA/D変換し期待値と比較することでA/Dが正常に動作しているかテストする機能、割り込みによるスタックのオーバーフローを検出し暴走を防ぐ機能や、内蔵発振器と比較することで外部クロックの発振停止を検出する機能など、機能安全をサポートする様々なハードウェアを搭載しており、システムの機能安全対応に貢献する。


 ルネサスは、新製品は自動車に幅広い用途で搭載され、低消費電力化、小型化、開発効率の最大化に貢献するものと位置づけ、積極的な拡販活動およびユーザーサポートを推進する計画です。
 新製品の主な仕様は、別紙をご参照下さい。

  ※別紙は添付の関連資料を参照


 >RL78/F13の製品情報はこちら
  http://japan.renesas.com/products/mpumcu/rl78/rl78f1x/rl78f13/index.jsp
 >RL78/F14の製品情報はこちら
  http://japan.renesas.com/products/mpumcu/rl78/rl78f1x/rl78f14/index.jsp


以上


 *本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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