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東京商工リサーチ、「上場企業2,318社の平均年齢」調査結果を発表

2013-09-12

[特別記事]
「上場企業2,318社の平均年齢」調査(2013年3月期決算)
〜平均年齢40.2歳業種別の最高は建設業の43.1歳〜



 上場企業2,318社の2013年3月期の平均年齢は40.2歳(前年比0.3歳上昇)だった。調査を開始した2010年3月期以降、3年連続で上昇した。新規採用の抑制や上場企業の持株会社制移行などが影響した。業種別で最も平均年齢が高かったのは建設業の43.1歳で、最も低かったのは小売業の37.7歳だった。
 ※本調査は、2013年3月期決算の全証券取引所の上場企業を対象に有価証券報告書の「従業員の状況」から平均年齢を抽出した。2010年3月期決算から比較可能な従業員数10人以上の企業を対象にし、変則決算企業は除いた。業種分類は証券コード協議会の定めに準じ、純粋持株会社の業種は、傘下の主力事業を( )内に表示した。


<上場企業の平均年齢40.2歳>
 上場企業2,318社の平均年齢の3月期推移は、調査を開始した2010年は39.3歳だったが、2011年39.6歳、2012年39.9歳と年々上昇し、2013年は40.2歳と40歳台に乗せた。
 平均年齢が上昇した要因は、業績低迷のため新卒採用を抑制したことに加え、バブル景気時に大量採用した社員が、40歳半ばを迎えていることが挙げられる。さらに、最近は事業会社を傘下に置いた持株会社制に移行する動きが、上場企業で増加していることも影響した。持株会社は、グループ経営の統括管理を目的として、経営戦略や機動的な意思決定が求められるため、総じて業務に精通した人員を配し、事業会社に比べて人数も少なく、平均年齢が高くなる傾向がある。


<上場企業の約7割で平均年齢が上昇>
 上場企業2,318社のうち、平均年齢が前年より上昇したのは1,551社(構成比66.9%)、全体の約7割を占めた。一方、平均年齢の低下は628社(同27.0%)、横ばいは139社(同6.0%)だった。


<業種別平均年齢の最高は建設業の43.1歳>
 業種別で平均年齢が最も高かったのは、建設業の43.1歳で、最も低かったのは小売業の37.7歳だった。全体では、10業種すべてで前年を上回り、小売業(0.5歳上昇)、金融・保険業(0.4歳上昇)、運輸・情報通信業(0.4歳上昇)で上昇が目立った。
 細分化した業種別でみると、平均年齢の最高は石油・石炭製品の43.5歳。次いで、陸運業42.1歳、鉱業41.8歳、電気・ガス業41.6歳など。
 一方、平均年齢が低かったのは、空運業の37.4歳。次いで、情報・通信業37.8歳、その他の金融業39.3歳、鉄鋼と海運が各39.4歳、パルプ・紙と銀行業が各39.6歳と続く。


 *グラフ資料などは、添付の関連資料「参考資料」を参照


<年齢別40歳以上45歳未満が半数近くを占める>
 平均年齢の年齢別分布では、最も多かったのは40歳以上45歳未満が1,158社(構成比49.9%、前年比6.4%増)だった。次いで、35歳以上40歳未満が857社(同36.9%、同5.4%減)、30歳以上35歳未満が154社(同6.6%、同15.8%減)、45歳以上50歳未満が129社(同5.5%、同8.4%増)、50歳以上が13社(同0.5%、同7.1%減)、30歳未満が7社(同0.3%、同12.5%減)の順。年齢別では、40歳以上50歳未満が合計1,287社(前年比6.6%増)と増加が目立ち、従業員の高齢化が進んでいることを示した。


<平均年齢の高い企業運輸業、ビル管理、持株会社などで目立つ>
 平均年齢の高い企業のランキングでは、トップが鉱物卸や不動産賃貸などの太平洋興発の57.1歳。2位がハイヤー・タクシー大手、大和自動車交通の56.3歳、3位がマンション管理大手の日本ハウズイングの54.4歳、4位が注文紳士服大手で持株会社の銀座山形屋が53.5歳、5位が建築資材販売会社等を傘下に抱える、持株会社すてきナイスグループの52.4歳。総じてビル管理業や運輸業、持株会社などが目立つ。
 一方、平均年齢の低い企業のランキングでは、美容室のチェーン展開する田谷の26.7歳を筆頭にして、スポーツクラブ運営の東祥が27.8歳、ネット通販サイト「ZOZOTOWN」運営のスタートトゥデイの28.6歳、インターネットコンテンツ事業のクルーズが29.0歳、家電量販店のノジマが29.5歳、携帯電話販売会社のクロップスが29.8歳の順で、サービス業、ネット関連、小売業などが多い。


<主要企業の平均年齢トヨタ自動車38.6歳、パナソニック44.5歳>
 主要企業をみると、輸送用機器ではトヨタ自動車が38.6歳、日産自動車42.6歳、本田技研工業が44.3歳。電気機器では、パナソニック44.5歳、東芝42.2歳、ソニー42.0歳だった。
 このほか、建設業では大手ゼネコンの清水建設44.7歳、大成建設42.7歳など。サービス業では、広告大手の電通が38.9歳、東京ディズニーランド運営のオリエンタルランドが43.7歳だった。


 *グラフ資料などは、添付の関連資料「参考資料」を参照


<平均年齢の上昇企業持株会社へ移行した企業が目立つ>
 前年比較で最も平均年齢が上昇したのは、郊外型の大型書店を展開する三洋堂ホールディングスの8.9歳上昇(33.3→42.2歳)、2012年4月の持株会社移行に伴ない、会社分割で従業員が283人から70人に減少した影響。2位がECソリューション事業のソフトクリエイトホールディングスの7.0歳上昇(33.7→40.7歳)、2012年10月の持株会社移行に伴ない転籍により従業員が274人から30人に減少した影響。3位が定食専門店チェーンの大戸屋ホールディングスの6.9歳上昇(40.5→47.4歳)。4位が放送局を傘下に抱える日本テレビホールディングスの5.3歳上昇(41.8→47.1歳)、5位が御園座の4.7歳上昇(36.7→41.4歳)、早期退職者募集が影響したとみられる。総じて、平均年齢の上昇企業は持株会社に移行したケースが目立つ。


<平均年齢の低下企業従業員数の減少が影響したケースも>
 一方、前年比較で最も平均年齢が低下したのは、マンション管理などの東急コミュニティーの15.3歳低下(54.4→39.1歳)、2013年3月期から正社員(契約社員を除く)だけの算定方法に変更したことが影響した。2位がプラスチック押出機製造などのフリージア・マクロスの9.6歳低下(57.6→48.0歳)、製造供給事業の従業員数が減少した。3位が携帯電話や計測器製造販売会社を傘下に抱える多摩川ホールディングスの7.6歳低下(46.2→38.6歳)。4位が海運業の玉井商船の6.3歳低下(45.7→39.4歳)、2012年12月末に輸送船の輸送契約終了に伴い、従業員が退職したことが影響した。


 2013年4月に希望者全員を継続雇用制度の対象とする、改正高年齢者雇用安定法が施行され、企業の高齢化は一段と進むことが見込まれる。これまで業績低迷のため、新規採用を抑制してきた企業は多いが、企業の活力を維持するためには若手・中堅社員の士気の向上は欠かせない。このため、平均年齢の推移は企業の活力を計るバロメーターの一つとして注目される。


 *グラフ資料などは、添付の関連資料「参考資料」を参照

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