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J.D.パワー、2013年日本自動車セールス満足度調査結果を発表

2013-08-31

納期日数は業界全体で短縮、特にハイブリッド車で改善が顕著
ラグジュリーブランドはレクサス、量販ブランドではMINIが第1位



 東京:2013年8月28日―2013年J.D.パワー アジア・パシフィック日本自動車セールス満足度(Sales Satisfaction Index、略称SSI)調査では、昨今の自動車販売市場の背景を踏まえ、評価項目および内容の改訂を行っている。本調査は今年で12回目の実施となる。


◆納期日数の短縮◆

 本年調査では、エコカー補助金対象期間と重なっていた昨年調査と比較し、業界平均で9日の納期短縮が実現されている。内訳は、非ハイブリッド車では7日、ハイブリッド車では23日の大幅短縮となっている。国産車ではハイブリッド車種の販売台数の多いトヨタ、および、昨年のタイでの洪水被害が特に甚大であったホンダの納期短縮が顕著である。納期が長くなればなるほど満足度を低下させることも調査から明らかとなっており、納期短縮の努力が、顧客満足度の維持・向上には重要である。

 J.D.パワー アジア・パシフィックのオートモーティブ部門 執行役員の木本卓は、『エコカー補助金終了による市場の需要とメーカー側の生産のバランスが、昨年に比べて取れてきた結果、納期が短縮され、満足度が改善傾向を示している』と述べている。


◆納車時の説明と所要時間の重要性◆

 本調査では、納車時に説明全般にかかった時間、および、それを顧客がどう感じているのかを聴取しているが、「ちょうど良かった」と感じた顧客が納車に費やした時間は、業界平均で46分であった。但し、ラグジュアリーブランドは量販ブランドと比較して、説明実施時間が長い傾向にある。

 『納車時の説明時間については、それが短くても長くても顧客の満足度は低い。納車の際の説明事項については標準を定めているブランドが多いが、それを実行するための適切な時間についても今後は定義してゆくことが必要』と木本は言う。

 さらに、納車時の説明事項について、顧客が「丁寧に説明を受けた」と感じた場合の満足度は、「簡単に説明を受けた」と回答した顧客よりも一層高まるため、説明の質の向上に努めることも重要である。調査では納車時の説明事項として5つの項目(注)を設定しているが、レクサスでは顧客のおおよそ半数が、5つの項目の全てに対して「丁寧に説明を受けた」と回答しており、業界内に於いて突出した実施率となっている。

 注)納車時の5つの説明事項:「取扱説明書の説明」、「車両の保証期間/内容の説明」、「点検スケジュール/点検内容の説明」、「サービス担当者の紹介」、「緊急時の対処方法」


◆売り逃し(リジェクター)顧客への対応強化が今後の課題◆

 本年の調査から、実際に該当メーカーの車を購入した人(以下、バイヤー)の満足度に加え、購入検討し販売店を訪問したが最終的に該当メーカーの車を購入しなかった人(以下、リジェクター)の満足度を測定している。業界全体の傾向として、リジェクターの満足度はバイヤーに比べて、100ポイント以上低い状況である。

 尚、ラグジュリーブランドではレクサスとアウディ、量販ブランドでは日産とホンダにおいて、リジェクターとバイヤーのスコア格差が大きい結果となった。
 又、リジェクターの非購入理由としては、商品、価格・条件といった理由が上位を占めるが、販売店・スタッフといった人的対応に起因する非購入理由も、2割以上を占めている。

 『国内需要の成長が見込めない中、また特に若年層における自動車離れが叫ばれる中、販売店への来場者の成約率を高めることは必須の課題である。メーカーとして、バイヤーとリジェクターの満足度の差分を縮小する、特に販売現場での顧客対応による売り逃がしを抑制する為に、リジェクターの非購入理由の分析と、それらの問題点に対する可及的速やかな対応が求められている』と木本は強調する。

 本調査では、新車購時の販売店の対応に関する顧客の総合的な評価を、4つのファクターに基づいて算出している。それらは「セールス担当者」(34%)、「契約・価格」(26%)、「店舗施設」(21%)、「納車」(20%)となっている(カッコ内は総合満足度に対する影響度)。これらのファクターにおける複数の詳細項目に対する評価を基に総合満足度(1,000点満点)を算出している。

 2013年の総合的なセールス満足度(以下、総合満足度)の業界平均スコアは666ポイントとなった。ラグジュリーブランドセグメントではレクサスが777ポイントで、第1位となった。レクサスの総合SSIスコアはラグジュリーブランドセグメント平均を49ポイント上まわる。販売店の総合的なセールス満足度に影響を与える4つのファクターの全てで、ラグジュリーブランドセグメントの最高値を獲得した。

 第2位はメルセデス・ベンツ(724ポイント)で、第3位には僅差でアウディ(723ポイント)、第4位にBMW(709ポイント)、第5位にはボルボ(701ポイント)が続いた。

 量販ブランドセグメントでは、MINI(716ポイント)が初の首位を獲得した。4つの全てのファクターでセグメントトップスコアを獲得している。

 第2位はフォルクスワーゲン(683ポイント)で、第3位には日産(677ポイント)、第4位に三菱(673ポイント)、第5位にホンダ(670ポイント)となった。

 当調査は、乗用車を新車で購入した際の販売店の対応に関する顧客満足度を総合的に分析するもので、自動車メーカーおよび販売業界の現状と、それに対する顧客の満足度を把握するための指標となる。新車購入後2〜12ヶ月が経過した国産および輸入車ブランドの乗用車保有者を対象に2013年5月下旬から6月中旬にかけてWEB調査を実施し、7,200人から回答を得た。


 日本自動車セールス満足度は、J.D.パワー アジア パシフィックの代表的な8つのAUTOベンチマーク調査の一つであり、他の2013年自動車関連調査は下記の日程でリリース予定である。

・自家用の乗用車(軽自動車を含む)のスタッドレスタイヤに対する評価を測定した2013年日本冬用タイヤ顧客満足度(W−TSI)調査は本年5月に発表した。

・自動車を新車で購入したユーザーを対象に、購入後2〜9ヶ月における車両の初期品質を調査した2013年日本自動車初期品質(Initial Quality Study、略称IQS)調査を本年8月下旬に発表する予定である。

・新車購入店でサービスを受けた際の顧客満足度を測定した2013年日本自動車サービス満足度(Customer Service Index、略称CSI)調査を本年9月下旬に発表する予定である。

・自動車を新車で購入後2〜9ヶ月が経過した個人ユーザーを対象に、自動車の性能やデザインなどの商品魅力度に関する評価を測定した、2013年日本自動車商品魅力度(Automotive Performance,Execution and Layout、略称APEAL)調査を本年9月下旬に発表する予定である。

・新車に装着されたタイヤの満足度を測定した、2013年日本OEタイヤ顧客満足度(Original Equipment Tire Customer Satisfaction Index,OE−TSI)調査を本年10月に発表する予定である。

・自動車メーカー純正ならびに市販ブランドのナビゲーションシステムの満足度を測定した、2013年日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査を本年10月に発表する予定である。

・リプレイスタイヤを新品で購入した顧客の満足度を測定した、2013年日本リプレイスタイヤ顧客満足度調査を本年10月に発表する予定である。


 *J.D.パワーが結果を発表する調査はすべてJ.D.パワーが第三者機関として自主企画により実施したものです。


<株式会社J.D.パワー アジア・パシフィックについて>
 当社は米国J.D.パワーの日本を含むアジア地域でのビジネスの拠点として1990年に設立された。自動車業界を始め通信、IT、金融、保険、トラベルなど様々な業界において顧客満足に関する調査やコンサルティングを実施している。尚、J.D.パワーではシンガポール、北京、上海、バンコクに拠点をもち、日本、オーストラリア、中国、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、台湾、タイ、ベトナムで調査を実施している。会社概要や提供サービスなどの詳細は当社ウェブサイトhttp://japan.jdpower.comまで。


<J.D.パワーについて>
 マグロウヒル・フィナンシャルの一部門であるJ.D.パワー(本社:米国カリフォルニア州ウェストレイク・ビレッジ)は、パフォーマンス改善、ソーシャル・メディア、顧客満足に関するインサイトとソリューションを提供している国際的なマーケティング情報サービス企業である。数百万人の消費者からの回答をもとに品質や顧客満足度に関する調査を毎年行なっている。


<マグロウヒル・フィナンシャルについて>
 マグロウヒル・フィナンシャル(NYSE:MHP)は国際的な金融並びに商品市場に対する信用格付、ベンチマーク、情報・分析サービスを提供する事業を行う金融情報サービス企業である。主なブランドはスタンダード&プアーズ レーティングサービス、S&P Capital IQ、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス、プラッツ、クリシル、J.D.パワー、マグロウヒル・コンストラクションである。世界27カ国に約17,000人の従業員を有する。詳細はウェブサイトhttp://www.mhfi.comまで。


 ※グラフ資料は添付の関連資料を参照

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