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富士経済、精密小型モータの世界市場調査結果を発表

2013-08-21

精密小型モータの世界市場を調査


―2020年予測―
 世界市場は119億個(12年比11.0%増)、内車載用は29.2億個(同29.2%増)


 総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 阿部 界 03−3664−5811)は、自動車、家電・住設機器、情報通信機器、音響映像機器など幅広い用途に使用される精密小型モータの世界市場を調査した。その結果を報告書「精密小型モータ市場実態総調査 2013」にまとめた。この報告書では、ガバナレスモータ、コアレスモータ、ステッピングモータ、ファンモータ(ブロワモータ含む)、ブラシレスモータ、インダクションモータ、シンクロナスモータ、ユニバーサルモータといった精密小型モータ8品目と、軸受や永久磁石などの部品・材料8品目の市場を分析している。


<調査結果の概要>

◆小型モータの世界市場◆
 2012年:107.2億個 ⇒ 2020年予測:119.0億個
                    12年比:111.0%

 ODD(光学ディスク駆動装置)、デジタルカメラ、AV機器向けの需要減少から2012年は前年比3.5%減の107.2億個となったが、2013年はスマートフォン、タブレット、自動車向けの需要拡大により、前年比3.1%増の110.5億個が見込まれる。ACモータやコアレスモータなど価格競争力が問われる品目では中国勢や韓国勢の存在感が増す一方、日系メーカーはモータ単体のビジネスからモジュールやユニット対応による付加価値化を進めている。自動車の電装化に伴うモータ搭載数の増加、新興国での家電の普及によるモータ需要の増加、医療機器など各種業務機器、産業機器での増加もあり、モータを使用したアプリケーションは今後も広がり、モータの役割はますます多様化、高度化すると予想される。
 中国には家電、自動車、情報通信機器、AV機器、業務機器、産業機器など様々な製品の生産拠点があり、セット機器や部品も数多く生産されることから、エリア別の生産も70%弱を中国が占める(2012年数量ベース)。中国への一極集中によるリスク回避に向けた動きも見られたが、予算面や需要地としての潜在性の高さもあり、量産が求められるモータについては中国を中心とした生産戦略をとるメーカーが多く、急速な生産シフトは起こっていない。しかし、徐々にではあるが、東南アジアでのモータ生産を強化する動きがあり、20%強がその他アジア(中国・日本以外)となる。日本、北米、欧州でのモータの生産はそれぞれ2〜4%と低いが、自動車向けや今後新たな分野として期待される医療、航空宇宙向けなど付加価値が求められる品目については、今後も生産が続くと見られる。


◆車載用小型モータの世界市場◆
 2012年:22.6億個 ⇒ 2020年予測:29.2億個
                   12年比:129.2%

 中国をはじめとする新興国での自動車需要拡大と共に、車載用小型モータ市場は拡大し、2020年には2012年比29.2%増の29.2億個が予測される。
 ガバナレスモータが9割以上(2012年数量ベース)を占めるが、パワーウインドウ用やワイパーシステム用を中心に長寿命で静音性に優れるブラシレスモータの需要が拡大している。また、自動車の燃費規制強化を背景にガバナレスモータからブラシレスモータに切り替えるケースも見られる。そのため車載用小型モータ市場の中ではブラシレスモータが注目されており、元々車載用を展開していないブラシレスモータメーカーの開発強化や新規参入が見られる。


<注目市場>
 モータ市場における日系メーカーの位置付けは高く、特にブラシレスモータ、ガバナレスモータ、ステッピングモータは日系メーカーがけん引している。どのモータに対してもPC周辺機器のODDやデジタルカメラの需要減少により市場が縮小しており、新たな用途の開発による市場の回復が必要とされる。


■ガバナレスモータ
 2012年:52.0億個 ⇒ 2013年見込:54.0億個
                   前年比:103.8%

 小型モータ市場の半数近くを占め、最も汎用性が高いモータである。2012年の市場は縮小したが、中国モータメーカーが中国の携帯電話メーカー向けにガバナレスモータの供給を開始したことから、コアレスモータからの切り替えが見られた。2013年はガバナレスモータへの切り替えが本格化しており、数量ベースでは前年比3.8%増が見込まれる。しかし、携帯電話向けに採用されるのは安価なバータイプであることから金額ベースでは横ばいに留まると見られる。
 電動ミラー用、ドアロック用を始めとして自動車向けが大きく、底堅い需要が見られる。マブチモーターやJohnson Electricなど大手メーカーが自動車向けに、新興国エリアへの展開やユニット品での付加価値化を図っている。
 日系メーカーのシェアは5割を占めるが、携帯電話向けについては、中国メーカーの存在感が増している。生産拠点としては、家電など価格競争力が要求される分野については中国が中心となり、東南アジアも徐々に増加している。また、車載電装向けでは高品質であることが求められており、北米、欧州での生産が続けられている。


■ブラシレスモータ

 ※表資料は、添付の関連資料を参照

 情報通信機器や音響映像機器、車載電装機器に採用される情報系と、給湯器やエアコンなどの家電・住設機器や自動車のパワーステアリングなどに採用されるパワー系に大別される。
 情報系では参入メーカーが量的拡大よりも薄型化など付加価値製品の展開を進めている。これはHDDの需要減少により長期的に市場縮小が予測されるためであり、この他パワー系に注力するメーカーも見られる。
 パワー系では、エアコンを中心とする白物家電で省エネ規制に対応したDC化が想定され、ACモータからの切り替えによる需要拡大が期待される。また、自動車においても長寿命で静音性に優れるブラシレスモータの需要拡大が予想され、2020年の市場は2012年比50.0%増が予測される。
 日系メーカーのシェアは情報系で7割、パワー系では5割を占める。生産拠点としては、HDDの生産拠点がタイに多いことから情報系はその他アジアが半数を超え、パワー系では家電の生産が集中していることから7割以上を中国が占める。


■ステッピングモータ
 2012年:10.7億個 ⇒ 2020年予測:10.3億個
                   12年比:96.3%

 PM(Permanent Magnet)型、HB(Hybrid)型に大きく分かれ、PM型の派生としてLS(Lead Screw)型がある。2012年の市場構成比はPMが37%、LS型が57%、HB型が6%である。
 ODD、デジタルカメラ向けの需要が大きいPM型とLS型は、プリンターなどの事務情報機器で安定した需要があり、メータやカーエアコンなど自動車向けの需要が増加することで、市場縮小に歯止めがかかると期待される。HB型は家電や自動車向けでの採用は見られないが、産業機器やATM関連や金銭処理機などの業務機器など幅広いニーズに対応しており、底堅い市場であることから、2013年から拡大に転じると見込まれる。単価の高いHB型が先んじて回復することにより、2020年の市場は数量ベースでは縮小するものの金額ベースでは2012年比4.6%増が予測される。
 日系メーカーのシェアは、PM型で7割、LS型で10割近く、HB型では8割を占める。生産拠点としては、中国とその他アジアに集中しているが、年々中国の比率が低下し、2013年には全てのタイプでその他アジアの比率が中国を上回ると見込まれる。
 PCとデジタルカメラから需要が置き換わっているタブレットとスマートフォンでは、モータサイズの大きさからステッピングモータの採用には至っていないが、他のモータと比較し位置決め制御が簡単にできることから、医療機器、エネルギー機器、電気自動車関連の周辺機器など、市場拡大が予想される用途への開発が活発になっている。


<調査対象>
 小型モータ市場:ガバナレスモータ、コアレスモータ、ステッピングモータ(PM・LS・HB)、ファンモータ(DC軸流ファンモータ・ブロワモータ/AC軸流ファンモータ)、ブラシレスモータ(情報系・パワー系)、インダクションモータ、シンクロナスモータ、ユニバーサルモータ
 モータ部品・材料:転がり軸受、メタル軸受、ネオジウム焼結磁石、希土類ボンド磁石、フェライト焼結磁石、モータ用ドライバIC、マグネットワイヤ、プリントコイル


<調査方法>
 富士経済専門調査員による対象企業及び関連企業・団体等へのヒアリング調査


<調査期間>
 2013年5月〜7月


以上


 資料タイトル:「精密小型モータ市場実態総調査 2013」
 体裁:A4判 230頁
 価格:書籍版 97,000円(税込み101,850円)
     PDF版 97,000円(税込み101,850円)
     書籍版・PDF版セット 117,000円(税込み122,850円)
 調査・編集:富士経済 大阪マーケティング本部
         TEL:06−6228−2020 FAX:06−6228−2030
 発行所:株式会社 富士経済
       〒103−0001 東京都中央区日本橋小伝馬町12−5 小伝馬町YSビル
       TEL:03−3664−5811(代) FAX:03−3661−0165
       e‐mail:info@fuji-keizai.co.jp
       この情報はホームページでもご覧いただけます。
       URL:http://www.group.fuji-keizai.co.jp/ https://www.fuji-keizai.co.jp/

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