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東京商工リサーチ、「東日本大震災」関連倒産(8月7日現在)の調査結果を発表
[特別記事]
「東日本大震災」関連倒産(8月7日現在)
〜7月は28件15カ月連続で前年同月を下回る〜
2013年7月の「東日本大震災」関連倒産は28件で、15カ月連続で前年同月を下回った。累計は1,251件(8月7日現在)にのぼった。倒産のほか、事業停止や法的手続準備中の「実質破綻」が24件あり、震災関連の経営破綻(倒産+実質破綻)は累計1,275件に達した。
<7月の倒産事例>
水産加工の(有)大和フーズ(TSR企業コード:170186377、岩手県)は、東日本大震災の津波で社屋や工場が流出し、加工設備を失ったことから事業停止の状態が続いていた。金融債務は保証会社によって代位弁済され、代表者自身も破産手続を行うなど整理を進めるなか、震災から2年を経て破産手続に踏み切った。
ランドセル、カバン卸の(株)ナカタニ(TSR企業コード:140053549、宮城県)は、昭和22年創業の老舗企業。最近はランドセルに特化した事業を展開し、東北6県の大手スーパーや小売店を販路としていた。しかし、ランドセルはシーズンオフとなる4〜5月頃に大量仕入し、秋口から販売を強化する営業スタイルのため在庫負担が重荷となっていた。こうしたなか、3月の書き入れどきに東日本大震災が発生し、平成23年7月期の売上は2億7,802万円まで落ち込み、特損計上から債務超過へ転落した。さらに全国各地から被災地区にランドセルの寄付が相次いだこともあって業績不振に歯止めがかからず、破産を申請した。
震災関連倒産は、2カ月連続で30件を下回った。1−7月の月平均も31.1件(前年同期44.1件)とペースが鈍化し、緩やかながら収束傾向をたどっている。
※下記資料は、添付の関連資料「参考資料」を参照
・東日本大震災関連倒産(負債総額単位:百万円)
・パターン別(負債総額単位:百万円)
・東日本大震災関連倒産 震災後月次推移
7月の地区別では、関東17件、東北5件、中部3件、近畿・中国・九州が各1件だった。このうち、東北は宮城4件、岩手1件だった。
「震災関連」倒産の累計1,251件を都道府県別にみると、最多は東京の375件(7月10件)。次いで、宮城83件(同4件)、北海道75件(同ゼロ件)、福岡54件(同ゼロ件)、神奈川49件(同1件)、千葉46件、大阪43件、群馬と岩手が41件、福島38件、石川37件と続く。直接被害地の東北6県の倒産件数は212件(構成比16.9%)だった。
「震災関連」倒産の累計1,251件を産業別にみると、最多は宿泊業・飲食店などを含むサービス業他の313件(7月11件)。次いで製造業が306件(同5件)、卸売業が220件(同4件)、建設業が175件(同3件)、小売業が106件(同4件)と続く。
累計1,251件を被害型で分類すると、「間接型」1,155件(構成比92.3%)に対し「直接型」は96件(同7.6%)だった。7月は「直接型」が3件だった。
※下記資料は、添付の関連資料「参考資料」を参照
・東日本大震災関連倒産 産業別倒産状況
・産業別 件数構成比
・東日本大震災関連倒産 原因別倒産状況
・原因別 件数構成比
・東日本大震災関連倒産 形態別倒産状況
・形態別 件数構成比
・「東日本大震災」関連 経営破綻状況(2013年8月7日現在)
・東日本大震災関連倒産 地区別倒産状況
・地区別 倒産件数構成比
・東日本大震災 都道府県別倒産状況