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慶大、電波を用いて人の転倒・転落を検出するシステムを開発

2013-07-22

「電波を用いた転倒・転落監視システム」の開発に成功


 慶應義塾大学理工学部情報工学科の大槻知明教授は、センサなどを身につけること無く、電波を用いて人の転倒・転落を検出するシステムの開発に成功しました。
 この研究成果によって、センサ装着の煩わしさや監視カメラによる心理的負担無しに、高齢者等の見守りが可能になります。
 本研究成果は、7月17日(水)〜19日(金)にアクトシティ浜松で開催される電子情報通信学会知的環境とセンサーネットワーク研究会にて、また、9月8日(日)〜11日(水)にロンドンで開催されるIEEE International Symposium on Personal,Indoor,Mobile and Radio Communications (PIMRC2013)にて、それぞれ発表されます。


1.研究の背景
 厚生労働省国民生活基礎調査(平成22年度版)によると、高齢者(65歳以上の人)の要介護の直接原因(ほぼ“寝たきり”の直接原因)の約1割が骨折・転倒によるものです。また、1年間に高齢者(同)の5人に1人が転倒を経験しています。転倒を速やかに検出することは、生命や後遺症の観点からとても重要です。これまでにセンサを身につけるシステムや監視カメラを用いたシステムがありましたが、装着の煩わしさや監視カメラによる心理的負担等が問題となっていました。

2.研究成果
 大槻知明研究室では、電波を用いた行動識別の研究を行っており、研究室で開発した、電波を用いた「行動・状態識別センサ(アレーセンサ)」と、車のスピードや球速を計測するとき等に用いられている「ドップラーレーダ」を用いた転倒・転落監視システムの開発に成功しました。それらセンサにより、空間の電波の伝わり方の変化と、転倒・転落によるドップラーシフトをそれぞれ検出し、それらに基づき、センサなどを身につけること無く、人の転倒・転落を検出することができます。センサから直接見える場所での転倒を95%以上、物陰など直接は見えないところでの転倒も85%以上の確率で検出することに成功しました。開発した転倒・転落監視システムは、アレーセンサ単独で構成することも可能です。

3.今後の展開
 今回、開発した電波を用いた転倒・転落監視システムによって、センサ装着の煩わしさや監視カメラによる心理的負担無しに、高齢者等の見守りが可能になります。実用化に向けて、今年度、住友電気工業株式会社と共同で、開発したシステムの有効性について検証していく予定です。


 ※図は添付の関連資料を参照


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