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富士キメラ総研、有機エレクトロニクスデバイスとその材料の世界市場の調査結果を発表

2013-07-16

有機ELディスプレイや有機EL照明、有機半導体、有機系太陽電池、有機電池など
有機エレクトロニクスデバイスとその材料の世界市場を調査

ディスプレイや照明の拡大と、有機系の太陽電池や半導体などが本格化し
2030年の有機エレクトロニクスデバイス市場は2012年比12倍の7兆1,554億円

有機エレクトロニクスデバイス市場の拡大とフレキシブル化のなどの進展により
2030年の材料市場は2012年比18倍の9,724億円



 マーケティング&コンサルテーションの(株)富士キメラ総研(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 田中 一志03−3664−5839)は、2013年3月から5月にかけ、フレキシブル化やプリンテッド化の中核部材として注目される有機エレクトロニクスデバイスとその材料の世界市場を調査した。
 その結果を報告書「2013 有機エレクトロニクス関連市場総調査」にまとめた。
 この報告書では有機ELディスプレイ(大型AMOLED、中小型AMOLED、PMOLEDに分類)、有機EL照明、有機TFT、有機メモリー、有機薄膜太陽電池、色素増感型太陽電池、有機二次電池といった有機エレクトロニクスデバイス9品目をはじめ、フレキシブル化や大面積化の実現に向けて需要の高まりを見せている新規材料(有機・機能材料、基板、封止材料、導電・配線関連部材、光学フィルム部材)23品目の市場についても調査し、最新技術動向や将来を展望した。


<調査結果の概要>
1.有機エレクトロニクスデバイスの世界市場

 2012年     2030年予測    12年比
 5,888億円  7兆1,554億円  12.2倍

 2012年の有機エレクトロニクスデバイス市場は5,888億円となった。この時点では大型AMOLED、中小型AMOLED、PMOLED、有機EL照明、有機TFTが市場を形成しているが、全体市場の大半は中小型AMOLEDが占めている。
 2013年は、有機ELテレビの投入によって大型AMOLED市場の拡大が見込まれる。大型AMOLEDは、中小型AMOLEDと構造が異なることから、新規材料の需要の増加も期待される。また、有機EL照明も照明器具としての製品化が始まったこと、有機EL照明器具の研究開発が活発化していることによるR&D用途が増加しており市場拡大が見込まれる。しかし、市場の本格化は2015年以降と予測される。これらディスプレイと照明は他の有機エレクロニクスデバイスに先行して市場拡大が続く。
 長期的に見てもディスプレイと照明(特にAMOLED)の全体市場に占める比率は高いが、有機系太陽電池、有機TFT、有機メモリーなどが2020年以降、市場開拓が進み拡大し始めると予想される。全体市場は、2030年には2012年比12.2倍の7兆1,554億円と予測される。


■有機エレクトロニクスデバイスのフレキシブル化の動向

 主なデバイスのフレキシブル化率(数量ベース)

              2012年   2030年予測
 有機          100.0%  100.0%
 中小型AMOLED    0.0%    69.0%
 大型AMOLED     0.0%    29.4%

 有機TFTは基本コンセプトがフレキシブル化が可能なTFTであるため、全ての製品がフレキシブルデバイスとなる。既に実績のある製品は、PET基材をベースとしている。
 中小型AMOLEDは、Samsung Display、LG Displayがフレキシブル化の開発を精力的に進めており、2013年末頃に製品投入が期待される。両社とも"UnBreakable(割れにくい)Display"をコンセプトに掲げ、Samsung Displayはスマートフォンやタブレット向けに、LG Displayはスマートウォッチ向けに2〜3インチ台の小型サイズでのフレキシブル化を進めている。
 大型AMOLEDはテレビ向けで薄型・軽量化を目的としたフレキシブル(フィルム基板)ニーズが高いものの、ガラス基板上での生産技術が整っていない状況にあるため、フレキシブル化は2020年以降と予想される。将来的には「Rollable Display」や「Wall Display(壁一体型ディスプレイ)」といったテレビとは異なる大型スクリーンの登場が期待されるが、新たなフレキシブル対応部材の採用が必要と見られる。


2.有機エレクトロニクス材料の世界市場

 ※表資料は添付の関連資料を参照


 有機・機能材料は、有機ELや有機薄膜太陽電池、有機TFTなどに使用される。有機ELの発光材料は低分子発光材料がメインであるが、塗布プロセスの適用により高分子発光材料の需要が2014年頃から増加すると見られる。アプリケーションの大幅な拡がりが期待される有機EL向けの発光材料や薄膜材料が特に伸び、2030年には2012年比6.5倍の2,405億円が予測される。
 基板は、現状、ほぼ全ての製品でガラスが採用されている。対抗品としてフレキシブル中小型AMOLED向けがメインとなるポリイミドと、有機EL照明や太陽電池、有機TFTなど向けがメインとなるPETが、2020年頃から市場の本格化が期待される。
 封止材料はデバイスサイズの大型化やフレキシブル化のニーズに伴って、全面封止のニーズが出てきている。全面封止になると、従来の枠封止技術と比較して封止材料の使用量が大幅に増加する。そのため、中大型のAMOLEDなどで全面封止が本格化する2014〜2015年頃から爆発的な需要増が期待される。ゲッター剤は、発光効率に影響しないボトムエミッションでの採用がメインとなる。トップエミッションの製品では、全面封止材にゲッター剤の機能性を付与することで、採用を控えていく方向にある。
 導電・配線材料は透明導電性フィルムと導電性材料を対象としている。透明導電性フィルムは、主にITOフィルムが採用されているが、低抵抗、低価格、曲げ特性の向上などから、メタル系やグラフェンシートの需要が2015〜2020年頃から増加すると見られる。また、導電性材料はインクジェット装置の性能向上と共に、2015年頃からインクジェット対応の導電性金属ナノペーストや絶縁性インクの市場の本格化が期待される。
 光学フィルム部材は光取り出しフィルムと円偏光板を対象としている。光取り出しフィルムは有機EL照明パネルの表面に貼ることでの発光効率の改善が進められており、有機EL照明の必須部材の一つになると見られる。市場は、有機EL照明市場の拡大と共に、2020年頃から本格化すると予想される。円偏光板は有機ELディスプレイの部材の一つで、内部反射を抑制する役割を持つ。中小型AMOLEDのほぼ全てに採用される材料であることから、順調に市場拡大を続ける見通しである。また、大型AMOLEDでも必須部材とはならないものの、採用の進展が期待される。


 ※調査対象は添付の関連資料を参照


<調査方法>
 富士キメラ総研専門調査員による直接面接調査及び関連情報の収集・分析


<調査期間>
 2013年3月〜5月


以上


 資料タイトル:「2013 有機エレクトロニクス関連市場総調査」
 体裁:A4判 284頁
 価格:書籍版 120,000円(税込み126,000円)
     CDROM付価格 130,000円(税込み136,500円)
 調査・編集:株式会社 富士キメラ総研 研究開発本部 第一研究開発部門
        TEL:03−3664−5839 FAX:03−3661−1414
 発行所:株式会社 富士キメラ総研
      〒103−0001 東京都中央区日本橋小伝馬町12−5 小伝馬町YSビル
      TEL:03−3664−5839(代) FAX:03−3661−1414
      e‐mail:info@fcr.co.jp
      この情報はホームページでもご覧いただけます。
      URL:http://www.group.fuji-keizai.co.jp/ https://www.fcr.co.jp/

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