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アンリツ、「ISDB−Tmm」対応の「MS269xA/MS2830A用解析ソフトウェア」など販売
業界初
次世代モバイルマルチメディア放送規格「ISDB−Tmm」に対応
MS269xA/MS2830A用解析ソフトウェアとMS8901A用BER測定機能の販売を開始
アンリツ株式会社(社長 橋本 裕一)は、業界で初めて、携帯端末向けのモバイルマルチメディア放送規格である「ISDB−Tmm」(注)に対応した測定機能を開発。シグナルアナライザMS269xAシリーズ/MS2830A用ISDB−Tmm解析ソフトウェアMX269037Aとデジタル放送信号アナライザMS8901A用 ISDB−Tmm BER機能拡張MS8901A−051/151の販売を1月12日から開始いたします。
MS269xAシリーズ/MS2830AにMX269037Aをインストールすることにより、ISDB−Tmm放送設備の変調[※1]解析を含めた送信特性を評価できます。
また、ISDB−TのBER[※2]測定構成のMS8901A(MS8901A+MU890100A+MX890110A)にMS8901A−051/151をインストールすることにより、ISDB−Tmm放送設備のBER測定が行えます。
ISDB−Tmmは2012年7月のサービス開始が予定されており、ISDB−Tmm送信機、中継器を評価できる測定器のニーズが高まっています。
アンリツは、業界で初めて、MS269xAシリーズ/MS2830AおよびMS8901AでISDB−Tmmに対応した送信機、中継器の測定ソリューションを提供することにより、ISDB−Tmm放送設備の円滑な開発に貢献いたします。
(注)ISDB−Tmm
地上デジタル放送方式の「ISDB−T」から派生したモバイルマルチメディア放送規格。2010年9月に総務省がアナログTV放送停波後に空く207.5MHz−222MHzの周波数帯域での使用を認可した。
[開発の背景]
ISDB−Tmmは、高画質なストリーム放送や映像コンテンツをダウンロードできるモバイルマルチメディア放送規格であり、関連業界では次世代の放送サービスとして注目されています。
ISDB−Tmmは、2012年7月に開業する東京スカイツリーと同時期にサービス開始が予定されており、今後ISDB−Tmmに対応した送信設備の開発・製造が本格化することが見込まれています。
アンリツは従来からデジタル放送システムの評価用ソリューションを提供してまいりました。
こうした計測技術を基盤に、シグナルアナライザMS269xAシリーズ/MS2830A、デジタル放送信号アナライザMS8901Aの機能を強化。新たにISDB−Tmm方式の送信特性評価を可能としました。
[製品概要]
■ISDB−Tmm解析ソフトウェアMX269037A
MX269037Aは、シグナルアナライザMS269xAシリーズ/MS2830A用ソフトウェアです。MS269xAシリーズ/MS2830Aにインストールすることにより、ISDB−Tmm信号の変調解析、位相雑音[※3]測定、スペクトラムマスク[※4]、スプリアス[※5]測定、MER[※6]など、送信特性評価に必要な各種測定が行えます。測定結果はグラフィカルに表示でき、送信特性を容易に確認できます。
<シグナルアナライザMS269xAシリーズ>
50Hz〜6GHzの周波数範囲において、優れた総合レベル確度と変調精度、広帯域解析を実現したシグナルアナライザ。広帯域FFT[※7]解析が行えるベクトル・シグナル・アナリシス機能、信号波形をデジタルデータとして取り込めるデジタイズ機能も標準搭載しており、複雑化するワイヤレス通信システムの研究・開発や、高性能が要求されるデバイス、基地局の試験が効率よく行えます。
<シグナルアナライザMS2830A>
周波数切替、掃引、測定結果データ転送の一連の測定動作を約12ミリ秒で可能とする高速測定と高精度測定を低価格で実現したシグナルアナライザ。スペクトラムアナライザのみから送受信試験を一台で実現するワンボックス構成まで、必要に応じた測定システムを柔軟に構築できます。
■ISDB−Tmm BER機能拡張MS8901A−051/151
MS8901A−051/151は、デジタル放送信号アナライザMS8901A用ソフトウェアです。ISDB−TのBER測定構成のMS8901A(+MU890100A ISDB−T復調ユニット+ MX890110A ISDB−T電測ソフトウェア)にMS8901A−051/151をインストールすることにより、ISDB−Tmm信号のBER測定が行えます。
また、本ソフトウェアはエリアワンセグ[※8]にも対応しており、エリアワンセグ信号のBER測定も行えます。
<デジタル放送信号アナライザMS8901A>
スペクトラムアナライザをベースとした計測器。各種解析ソフトウェアをインストールすることで、デジタル放送の送信設備やサービスエリアを管理するためのフィールド測定から関連デバイスの開発製造で必要とされる信号解析が高精度に行えます。
[対象市場・用途]
■対象市場:デジタル放送機器関連メーカー
■用途:ISDB−Tmm解析ソフトウェアMX269037A
ISDB−Tmm・ISDB−T・エリアワンセグ・ISDB−Tsbの送信機、中継器、部品の変調解析
ISDB−Tmm BER機能拡張MS8901A−051/151
ISDB−Tmm・エリアワンセグの送信機、中継器、部品のBER測定
[営業情報]
■販売開始:平成23年1月12日
■予定販売台数:ISDB−Tmm解析ソフトウェアMX269037A 50セット(初年度1年間)
ISDB−Tmm BER機能拡張MS8901A−051/151 50セット(初年度1年間)
■価格:ISDB−Tmm解析ソフトウェアMX269037A 150万円
ISDB−Tmm BER機能拡張MS8901A−051 70万円
ISDB−Tmm BER機能拡張MS8901A−151 100万円(注)
(注:お客さま所有のMS8901Aに後付した場合の価格)
<参考>
・シグナルアナライザMS2690A 開発用途構成価格:600万円
製造用途構成価格:550万円
・シグナルアナライザMS2830A 開発用途構成価格:498万円
製造用途構成価格:378万円
(上記価格は、本体、今回開発したソフトウェア及びその他オプションから構成されます。)
[用語解説]
※1 変調
伝送情報を電波の振幅、位相等に変換すること。
※2 BER:Bit Error Rate
受信したデジタルデータに含まれる誤りビットの比率。
※3 位相雑音
信号発生の原理上、必ず含まれる余分な周波数成分。
※4 スペクトラムマスク
近隣の無線機器への干渉を防ぐために定義されている規格線を意味し、デジタル変調された信号の品質を計る尺度となる。
※5 スプリアス
設計上意図されているものとは別の周波数成分のこと。不要波とも呼ぶ。
※6 MER:Modulation Error Ratio
変調誤差比。テレビ信号のデジタル変調において、放送局から送信された信号と実際に受信した信号の品質の差を数値化したもの。
※7 FFT:Fast Fourier Transform
高速フーリエ変換。フーリエ変換とは信号中に含まれている周波数成分を抽出する処理。
※8 エリアワンセグ
受信エリアを特定地域に限定して映像を配信するサービス。
<お客様からの問合せ先>
アンリツ株式会社
計測サポートセンター
TEL:0120(827)221
E−mail:MDVPOST@anritsu.com