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大日本印刷、次世代半導体量産技術の確立に向けナノインプリント用のテンプレート複製装置を導入

2011-01-14

次世代半導体量産技術の確立に向けて
米モレキュラーインプリント社のナノインプリント用テンプレート複製装置を導入


商品画像:テンプレート複製装置「PERFECTA(TM)MR5000」
 ※添付の関連資料を参照


 大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円、以下:DNP)は、米国のモレキュラーインプリント(Molecular Imprints,Inc.本社:米国テキサス州 CEO:Mark Melliar−Smith 以下:MII)のナノインプリント用の型(テンプレート)のレプリカ(複製)を製造する装置「PERFECTA(TM)MR5000」を業界に先駆けて導入しました。これにより、ナノインプリントによる次世代半導体製造の2012年の実用化に向けた実証的な開発を進めていきます。


【概 要】
 電子回路の線幅が22ナノメートル以下の超微細なレベルにおける次世代半導体の製造技術として、ナノインプリントリソグラフィ技術が注目されています。ナノインプリントリソグラフィは、複雑な光学系の製造方式に比べ、設備負担が小さいというメリットがありますが、シリコンウエハー上に直接テンプレートで型押しして電子回路パターンを転写するため、量産時には定期的にテンプレートを交換する必要があり、そのコストの低減が望まれていました。DNPは、ナノインプリントリソグラフィシステムの開発・販売を行うMIIと戦略的な提携関係を結び、2009年7月からテンプレートの複製技術の開発を共同で進めてきました。今回、DNPは、共同開発の成果を設計に活かしてMIIが業界に先駆けて開発したテンプレート複製装置「PERFECTA(TM)MR5000」の第1号機を上福岡工場(埼玉県)に導入しました。


【今回導入した装置によるテンプレート製造工程】
 MII独自の製造方式であるJet and Flash(TM) Imprint Lithography(J−FILTM)に基づき、原版となるマスターテンプレートを用いて、6インチ角で厚さ0.25インチの石英ガラス基板(6025規格)に、原版パターンを転写してレプリカテンプレートを製造します。工程は以下の通りです。


1.従来のフォトマスク製造に使用する電子ビーム描画装置を用いて回路パターンを石英ガラス基板上に直接描画してマスターテンプレートを作成します。

2.このマスターテンプレートを、レジストを塗布した石英ガラス基板に押し当て、紫外線を照射してレジストを硬化させた後、マスターテンプレートを外します。

3.この基板にエッチングを施し、レジストを除去すると、マスターテンプレートのパターンを忠実に転写したレプリカテンプレートが完成します。

 1枚のマスターテンプレートからレプリカテンプレートを複数製造することで、製造コストを低減することができます。また、パターンの微細な凹凸に合わせてレジストの塗布量を制御することで、精度を保つとともにレジストの使用量を最小限に抑えることができます。

※参考画像「ナノインプリント用マスターテンプレート」「20nmL&Sパターン(マスターテンプレート)」は添付の関連資料を参照


【ナノインプリントリソグラフィ技術について】
 次世代半導体の製造プロセスにおいて、ナノインプリントリソグラフィ技術は、ArF液浸露光技術(*1)やEUV(極端紫外線)露光技術(*2)などの光リソグラフィの次世代技術として注目されています。この技術は、樹脂を塗布したシリコンウエハーに、ナノメートルレベルのパターン加工を施したテンプレートを押し付け、そのパターンを樹脂上に転写して半導体製品を製造するものです。製造装置の構造が比較的単純で、複雑な光学系の製造装置が不要なため、コストダウンが可能です。また、等倍で転写するため寸法制御精度が高く、設計に忠実な回路パターンの転写が可能となるほか、光リソグラフィと異なり光学的近接効果補正(*3)が不要で、回路パターンの設計データ処理が容易、といった特長があります。


【今後の展開】
 DNPは今後、本装置を用いてテンプレート複製技術の実用化のための開発を継続し、2012年度の次世代半導体の量産開始に向けて、2011年度末までにテンプレート複製技術の確立を目指します。また同時に、半導体メーカーへのサンプル提供も開始します。

(*1)ArF液浸露光技術:露光装置の投影レンズとウエハーの間に液体を満たして露光する技術です。液体の屈折率の利用によって高い解像度が得られ65ナノメートルより微小な最先端半導体で利用されています。

(*2)EUV露光技術:極めて波長の短い極端紫外線(波長13.5nm)を用いて、ウエハーに微細な回路イメージを焼き付ける技術です。

(*3)光学的近接効果補正:微細化の進展に伴い、マスクのパターンをウエハーに正確に転写することが困難になるため、光の波長や特性を考慮してあらかじめマスクパターンに図形を付加したりパターンの疎密に応じてサイズを補正したりする技術です。

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