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東大、グリア細胞が脳傷害から神経を守るカルシウム機構を解明

2013-06-29

グリア細胞が脳傷害から神経を守るカルシウム機構の解明


1.発表者:
 飯野 正光(東京大学大学院医学系研究科 細胞分子薬理学分野 教授)
 金丸 和典(東京大学大学院医学系研究科 細胞分子薬理学分野 助教)
 久保田 淳(東京大学大学院医学系研究科 細胞分子薬理学分野 特任研究員)
 関谷 敬(東京大学大学院医学系研究科 細胞分子薬理学分野 助教)
 廣瀬 謙造(東京大学大学院医学系研究科 神経生物学分野 教授)
 大久保 洋平(東京大学大学院医学系研究科 細胞分子薬理学分野 講師)


2.発表のポイント:

 ◆グリア細胞の中で起こるカルシウム濃度上昇がタンパク質合成のスイッチとなり、脳が傷害された時に神経細胞を保護する機能に関与していることを発見

 ◆グリア細胞における役割の知られていなかった2つの分子が神経細胞を保護する機能に関わっていることを初めて明らかに

 ◆今後、このメカニズムを人為的に制御する薬物や手法を開発することで、脳疾患や脳損傷による神経の損傷を軽減する治療法となりえる。


3.発表概要:

 脳内において神経細胞を取り囲むように存在するグリア細胞は、その数が神経細胞を凌ぎます。通常、グリア細胞神経細胞の信号伝達をサポートすると考えられています。しかし、てんかん脳梗塞などの脳疾患、あるいは脳挫傷などの外傷により脳がダメージを受けると、グリア細胞は「通常型」から「病態型」へと姿を変えて神経細胞を保護する機能を獲得します。このような変化が起こるメカニズムには不明な点が多く残されていますが、このたび東京大学医学系研究科細胞分子薬理学分野の飯野正光教授らは、そのメカニズムの一端を明らかにしました。グリア細胞内のカルシウム濃度の変化が、通常型から病態型への変化と神経細胞を保護する作用を獲得するために重要であることが分かりました。
 本研究では、損傷した脳組織周辺のグリア細胞において細胞内カルシウム濃度が上昇することに着目し、グリア細胞内のカルシウム濃度の変化とグリア細胞の通常型から病態型への変化との関係を調べました。その結果、カルシウム濃度の変化が、ある種のタンパク質の合成を加速させることで病態型への変化を制御していることがわかりました。本研究は、グリア細胞内のカルシウム濃度の変化が、脳損傷の治癒過程に貢献することを初めて示しただけではなく、脳疾患の新規治療法の開発につながる可能性を秘めた重要な知見です。


※以下、「発表内容」などリリース詳細は添付の関連資料を参照

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