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ポーラ化成、細胞が持つ老廃物分解浄化システムの停滞が肌老化を促進することを発見
細胞が持つ老廃物分解浄化システム「オートファジーサイクル」の停滞が肌老化を促進することを発見
「オートファジーサイクル」の改善効果を持つ『アマチャエキス』を開発
ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業株式会社(本社:東京都品川区、社長:岩崎泰夫(*))は、加齢とともに真皮線維芽細胞が持つ代謝システムである「オートファジーサイクル」が停滞することを発見しました。
また、「オートファジーサイクル」の停滞により
1.コラーゲンなど真皮を形作る成分の産生が低下すること
2.エネルギー産生に必要であるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)の産生が低下すること
を発見しました。
さらに「オートファジーサイクル」の停滞改善作用を持つ素材を探索した結果、『アマチャエキス』に高い効果を見出しました。
*社長名の正式表記は添付の関連資料を参照
「オートファジーサイクル」は近年、癌やアルツハイマー病などの疾患との関係が示唆され、注目度の高い研究領域となっていますが、肌のハリや弾力を生み出す真皮での役割はまだほとんど知られていませんでした。そこでポーラ化成工業株式会社では、この「オートファジーサイクル」が肌でも重要な働きをしているのではないかと研究を進め、今回の発見に至りました。
これにより、肌のシワ、ハリのなさなどの年齢を重ねることで起きる肌悩みの改善が期待できます。
<「オートファジーサイクル」の流れ>
※添付の関連資料「参考資料」を参照
これらの研究結果は、2012年10月15〜18日に開催された第27回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)南アフリカ・ヨハネスブルク大会、および2013年5月17〜19日に開催された第10回オーストラリア皮膚科学会において発表しました。また、本成果はポーラ・オルビスグループの株式会社ポーラから2013年秋に発売される化粧品に活用される予定です。
【「オートファジーサイクル」と肌の老化】
私たちの体を形作っている細胞は、タンパク質などの構成成分の合成と分解の絶妙なバランスの基に正常な機能を維持しています。「オートファジーサイクル」は、細胞が持つ代謝システムのひとつで、細胞の中で、古くなったタンパク質やミトコンドリアなどの不要なものを膜で隔離した後、膜内部の包み込まれたものを分解し、再生のための原料を供給しています。
今回の研究では、年齢を重ねることで「オートファジーサイクル」が停滞し、不要なものを包み込んだ膜構造物が細胞の中に蓄積すること(次頁・実験結果1)、さらに「オートファジーサイクル」の停滞がコラーゲンなどの真皮を形作る成分の産生低下を引き起こすことが明らかになりました。
また、エネルギー産生に必要であるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)の産生を低下させることもわかりました(次頁・実験結果2)。
【「オートファジーサイクル」改善素材『アマチャエキス』】
アマチャ(学名:Hydrangea macrophylla var.thunbergii)はユキノシタ科アジサイ属の植物で葉は甘茶の原料として使われます。
アマチャエキスは「オートファジーサイクル」を改善し(次頁・実験結果3)、真皮線維芽細胞の機能を高め、年齢を重ねることで起きる肌悩みの解決に貢献すると考えられます。
※参考画像は添付の関連資料を参照
※実験結果1〜3は添付の関連資料を参照