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産総研とJST、磁石の磁化の向きを電圧で効率よく制御する技術を開発

2013-06-27

電圧による磁化制御を高効率化
−電圧駆動型の低消費電力スピントロニクス素子の開発を加速−


■ポイント■
 ・鉄にホウ素を添加した材料を超薄膜化し、酸化マグネシウム絶縁層で挟んだ新しい素子構造
 ・磁石の磁化の向きを電流ではなく電圧で制御
 ・従来の構造と比較して約3倍の高効率化を達成


■概要■
 独立行政法人産業技術総合研究所【理事長中鉢良治】(以下「産総研」という)ナノスピントロニクス研究センターの湯浅新治研究センター長、野崎隆行主任研究員は、磁石の磁化の向きを電圧で高効率に制御する技術を開発した。
 鉄にホウ素を添加した磁石材料を超薄膜化し、酸化マグネシウムの絶縁層2層で挟み込んだ積層構造において、電圧を加えることで生じる磁気異方性の変化量を、従来よりも約3倍高効率化することに成功した。不揮発性固体磁気メモリーなどに代表されるスピントロニクスデバイスの低消費電力駆動化を促進する技術として期待される。
 この研究成果は、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(CREST 研究代表者:湯浅新治)の一環として行われ、2013年6月24日に日本の科学誌「Applied Physics Express」のオンライン速報版で公開される。

 ※参考図は、添付の関連資料「オリジナルリリース」を参照


■開発の社会的背景■
 省エネルギーで環境に優しい情報技術である「グリーンIT」の実現のため、低待機・駆動電力のエレクトロニクスデバイス技術の開発が求められている。電子が持つ磁気的な性質であるスピンを利用することで、新しい機能の発現を目指す「スピントロニクス」は、それを実現する有力な技術として期待されている。スピンの向きがそろうことで生じる磁石の磁化は、電力を供給しなくても向きが変わらない"不揮発性"と呼ばれる特長を持つため、待機電力がほとんど要らない磁気メモリーなどへの利用が進められている。
 スピントロニクスでは情報操作を磁石の磁化の方向と運動の制御により行う。現在は電流によって制御されているが、非常に大きな電流を必要とするため、ジュール熱によるエネルギーが消費(抵抗損失)されて、低消費電力駆動化の大きな壁となっている。この問題を根本的に解決するために、電流ではなく、電圧によって磁化状態を制御する技術が望まれている。電圧による磁化制御技術としては、1)室温で安定に動作する、2)高い繰り返し情報書き込み耐性を持つ、3)情報を出力する構造を持つ、4)ナノ秒台での高速動作が可能である、などが実用化する上で重要であるがこのような技術はないのが現状である。


※以下、リリース詳細は添付の関連資料「オリジナルリリース」を参照

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