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富士経済、新エネルギーシステムの市場調査結果を発表

2013-06-26

創出、貯蔵、変換、利用・・・新エネルギーシステム市場を調査
―2020年 国内市場―
洋上風力発電システムは767億円、海洋温度差発電システムは1,800億円、自動車向けワイヤレス給電システムは500億円・・・


 総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 阿部 界 03−3664−5811)は、太陽エネルギー/風力/バイオマスや燃料電池/エネルギーハーベスティングなど、再生可能資源や新技術を用いた創エネ関連システムと、エネルギーの計測・制御や貯蔵、変換、利用するシステムの国内・海外市場を調査した。その結果を報告書「2013 電力・エネルギーシステム新市場 創エネ関連システム編」と「同 エネルギー貯蔵・変換・利用システム編」にまとめた。


<注目システムの国内市場>

1.洋上風力発電
 「2012年 0.5億円 2016年予測 61億円 2020年予測 767億円」

 洋上風力発電システムは着床式と浮体式がある。これまで北海道、山形県、茨城県に3件、25.2MWの実績があり、すべて着床式である。浮体式は建築基準法の適用外で、2013年の政府予算でも開発費が計上されるなど、今後の需要拡大の好材料が多い。2012年は長崎県に国内初となる浮体式小規模実証機が建設され、市場は0.5億円となった(2013年に2MWのシステムが建設されると撤去)。2013年は長崎と福島にそれぞれ2MWの浮体式、また、茨城県に16MW、千葉県に2.4MW、福岡県に2MWの着床式のシステム建設が予定されている。更に2014年と2015年には福島に各年7MWの浮体式システムの建設が予定されている。日本は排他的経済水域が広く、原発事故もあったことから、洋上風力発電の需要は高まると見られる。
 一方、海外ではイギリス、デンマーク、ベルギー、ドイツなど、ヨーロッパを中心に着床式の市場が拡大している。中国においても実績がある。累計導入量を2020年までに、イギリスが32GW、中国が30GW、アメリカが10GW、ドイツが9GWにする計画を掲げている。


2.海洋温度差発電
 「2012年―2016年予測 150億円 2020年予測 1,800億円」

 海洋温度差発電は、海洋の表層部と深層部約600〜1,000mの海水の温度差を利用して発電する。温度差は昼夜の変動が少なく、季節変動の予測も可能であるため安定したエネルギー源として期待されている。2012年まで実績はないが、2013年は沖縄県が3月より久米島で実証を開始している。また、NEDOが採択した神戸製鋼所と佐賀大学共同の実証事業も出力10kW程度の実験を行う。NEDOは2015年までに1MW、2020年までに10MWの商用プラントの運用開始を目標としている。
 一方、海外では、2008年にアメリカが、2009年にフランスが研究開発を再開し、日本同様に商用プラントの早期実現を目指している。


3.太陽熱発電
 太陽熱発電は太陽光の集光による熱を利用して液体(熱媒)を加熱し、タービンを回して発電する。国内では日射量等の環境的な制約から2020年までの市場の立ち上がりは困難と予測される。
 一方、海外ではスペインとアメリカが市場を牽引しており、2012年にはスペインで850MWが稼働を開始している。50MWクラスの開発案件も複数ある。2013年〜2015年にかけては100MWを超える大型案件が多いアメリカで稼働開始が相次ぐとみられる。これにより2013年の海外市場の60〜70%をアメリカが占める見込みである。今後期待されるのは100MWクラスの開発案件を持つインドや南アフリカである。また、中国やMENA(Middle East&North Africa:中東、北アフリカ)でも開発が進むと予想される。


4.電力スマートメーター
 「2012年 216億円 2016年予測 1,136億円 2020年予測 1,629億円」

 関西電力と九州電力が導入を進めており、2012年は両社合計で80万台程度となった。その他、中部電力も高圧メーターのスマート化を進めている。2014年以降、電力各社はスマートメーターの本格導入に乗り出す。東京電力は2018年までに1,700万台、中国、四国、九州電力も2014〜2015年にかけて低圧需要家の1割に設置する計画を進める。
 一方、海外では2011年、2012年の電力メーター出荷台数の約1割にあたる3,000万台がスマートメーターである。その中心はアメリカであるが、2012〜2013年は補助金の圧縮により市場が縮小する。2015年以降はヨーロッパで大規模プロジェクトが開始され、市場の拡大が予想される。また、ブラジルや中国などでもインフラ整備に伴い導入が進むとみられる。


5.自動車向けワイヤレス給電
 「2012年 0.2億円 2016年予測 40億円 2020年予測 500億円」

 自動車向けワイヤレス給電は、充電の際に給電ノズルを車両に接続する必要がないことから、利便性が高く、国内のみならず世界の主要な自動車メーカーが開発に乗り出している。給電方式には電磁誘導方式、磁界共鳴方式、マイクロ波方式がある。中でも有力とされているのは、電磁誘導方式と磁界共鳴方式である。一方、マイクロ波方式も2013年に入り産学連携の実用化に向けたコンソーシアムが設立されるなど動きが出てきた。市場は電動バス用のシステムが年間1〜2台程度導入されている。現時点では実証実験レベルであるが、2016年に500台、2020年には1万台の導入が予測される。
 一方、海外では2012年に実証実験が開始されたばかりで、商用化には至っていない。2015年頃から市場は立ち上がり、2017年以降から本格化すると予想される。拡大要因は、電動自動車の普及とワイヤレス給電システムの仕様の国際標準化による量産化と低価格化である。


<調査結果の概要>

■創エネ関連システム全体の国内市場
 創エネ関連システムは太陽エネルギー発電6品目、風力発電3品目、バイオマス発電3品目、その他再生可能エネルギー発電5品目、エネルギーハーベスティング5品目、燃料電池5品目、内燃式分散型発電4品目の7分野31品目を対象としている。2012年の市場は3,523億円となった。対象分野の内、風力発電、バイオマス発電、その他再生可能エネルギー発電、エネルギーハーベスティングの伸びが大きく、2020年には2012年比3.4倍の1兆1,878億円へと拡大が予測される。
 再生可能エネルギーでは、2020年前後には波力発電や海洋温度差発電の技術が確立し、これら市場が形成されることで大幅な拡大が期待される。エネルギーハーベスティングは、市場全体のシェアは小さいものの、無線センサネットワークなどの分野でバッテリーレス化が実現できるなど、関連する用途開発が進められることで市場が拡大していくとみられる。

■エネルギー貯蔵・変換・利用システムの国内市場
 エネルギー貯蔵・変換・利用システムは計測・制御機器9品目、電動自動車関連機器12品目、グリッド関連機器8品目、電力貯蔵・電源品質保護システム9品目、パワーデバイス2品目の5分野40品目を対象としている。2012年の市場は2兆4,199億円となった。電動自動車関連機器が市場の80%近くを占める。対象分野は何れも拡大基調にある。特にパワーデバイス、計測・制御機器、電力貯蔵・電源品質保護システムが伸びている。2020年の市場は2012年比2.0倍の4兆8,798億円が予測される。


<調査対象>

 ※添付の関連資料を参照


<調査方法>
 富士経済専門調査員による対象企業・団体などへのヒアリング調査と各種データによる補完


<調査期間>
 2013年1月〜6月


以上


 資料タイトル :「2013 電力・エネルギーシステム新市場」
 体裁      :A4判 創エネ関連システム編:211頁、エネルギー貯蔵・変換・利用システム編:237頁
 価格      :書籍版 各97,000円(税込み101,850円)
           PDF/データ版 各107,000円(税込み112,350円)
           書籍版+PDF/データ版 各117,000円(税込み122,850円)

           両編セット価格 書籍版 184,000円(税込み193,200円)
           PDF/データ版 204,000円(税込み214,200円)
           書籍版+PDF/データ版 224,000円(税込み235,200円)
 調査・編集  :富士経済 東京マーケティング本部 第二統括部 第四部
          TEL:03−3664−5821 FAX:03−3661−9514
 発行所    :株式会社 富士経済
          〒103−0001 東京都中央区日本橋小伝馬町12−5 小伝馬町YSビル
          TEL:03−3664−5811(代) FAX:03−3661−0165
          e‐mail:info@fuji-keizai.co.jp
          この情報はホームページでもご覧いただけます。
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