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東北大、2012年の合計特殊出生率で福島県など4県が全国値を上回っていたことが判明
「福島県,茨城県,群馬県,兵庫県の2012年の実際の出生率は全国値を上回っていた」
−2012年都道府県別合計特殊出生率の修正値の推計−
先に厚生労働省から2012年の合計特殊出生率が発表されました。しかし,この数値は全国の値と都道府県の値で計算方法が異なるため,両者は単純に比較はできません。そこで,本学大学院経済学研究科吉田 浩教授と山形県庁統計企画課 石井 憲雄(博士)は,厚生労働省による計算方法の問題点を改善し,全国の値と比較できる2012年の都道府県別の合計特殊出生率を算出しました。それによれば,別紙表1,表2のとおり,厚生労働省の計算では全国の値1.41以下とされていた15都道府県のうち,福島県,茨城県,群馬県,兵庫県の4県の合計特殊出生率は,実際には全国値を上回っていたことが明らかになりました。
また,この結果,都道府県ごとの順位も大きく入れ替わり,特に福井県は厚生労働省の公表値では第8位となっていましたが,実際は第4位だったことがわかりました。
【研究概要】
合計特殊出生率は,15歳から49歳までの年齢別の出生率(母の年齢別の出生数をその年齢の女性人口で割った値)を合計することによって計算されます。ここで,厚生労働省が『人口動態統計』で公表した2012年の全国値の合計特殊出生率の計算方法をみると,分子の出生数,分母の女性人口とも,外国人を含まない日本人のみのデータを用いて計算されており,分子と分母の整合性が取れています。これに対し,都道府県別の合計特殊出生率は,分子の出生数は日本人のみのデータであるのに対し,分母の女性人口については資料の制約から外国人を含む総人口のデータを用いており,分子と分母の整合性が取れていません。
このような計算方法の違いにより,先ごろ発表された2012年の都道府県別の合計特殊出生率は,全国値よりも分母に外国人人口が含まれる分だけ小さめに計算されており,両者は単純に比較することができません。
そこで,吉田教授らは,分母に用いる女性人口を,独自に推計した日本人人口の推計値に取り替えることによって,全国の値と比較可能な2012年の都道府県別の合計特殊出生率を算出しました。
※表資料などリリースの詳細は添付の関連資料を参照