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富士経済、一般用医薬品(市販薬)の国内市場調査結果を発表

2013-06-14

政府のインターネット通販解禁策で活性化なるか?
一般用医薬品(市販薬)の国内市場を調査
―2013年に長年の低迷を一歩脱して前年比0.5%プラス、6,072億円見込み―


 総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 阿部 界 03−3664−5811)は、一般用医薬品(市販薬)市場を12年12月から13年4月にかけて調査した。
 その調査結果を報告書「一般用医薬品データブック2013」No.1、No.2にまとめた。

 この調査では、一般用医薬品を17分野67薬効に分類しその動向をとらえており、13年版ではNo.1で、ドリンク剤、疲労対策、女性関連、フットケア、美容関連用薬、肩こり・関節痛関連、小児用薬、その他外用薬、環境衛生用薬の9分野を、No.2で、感冒関連用薬、花粉症関連、生活習慣病関連、生活改善薬、胃腸・消化器官用薬、オーラルケア、感覚器官用薬、漢方薬の8分野を対象とした。
 今月初め、安倍内閣の成長戦略第3弾に一般用医薬品のインターネット販売解禁が明記されて、秋の最終決着に向かい、この市場活性化の方向が明らかになるか予断を許さない。


<調査結果の概要>

 [一般用医薬品国内市場]

  2008年:6,297億円

  2012年:6,043億円
  前年比:98.9%

  2013年見込:6,072億円
  前年比:100.5%

 ここ10年間、一般用医薬品(市販薬)市場は、2000年代前半は市場規模の大きい総合感冒薬や総合胃腸薬の減少が続き、ドリンク剤の医薬部外品化が大きな要因となり縮小、07年から08年にはスイッチOTCの新製品や肥満防止剤、禁煙補助薬の需要が実績を底上げしプラスに転じた。しかし、再び09年の改正薬事法施行以降は、リスク分類第1類薬品を中心に店頭販売の規制が痛手となり減少をたどっている。拡販の牽引役と期待されたスイッチ化の促進は、各方面の利害が絡み合い、当初の思惑ほど成果が上らず、OTCによるセルフメディケーションの促進には程遠い状況にある。
 12年の主な分野別動向を見ると、ドリンク剤・ミニドリンク剤は、機能性飲料などと競合の結果、需要は顕著に縮小しており、大震災の影響はなくなりつつも依然として減少続きからの脱却は難しい。
 花粉症関連薬は、12年は花粉飛散量が少なく飛散時期も遅れたため、殆どの製品が実績を落としたが、注目スイッチOTCの相次ぐ登場と重点的なプロモーションが奏功して縮小は最小限に留まった。また13年は花粉飛散量が多かったことも追い風になり、順調にスイッチOTCの新製品が(いずれも第1類)需要を獲得しており、販売施策および今後の動きが注目される。
 胃腸・消化器官用薬は生活者の暴飲暴食機会が減り、他の分野との競合も増えて前年割れを続けている。しかし一部の健胃・消化薬や整腸薬は、強力なプロモーションを展開して着実に売上を伸ばしている。他製品も方策次第で拡大の余地がある。

 [注目薬効領域別市場]

  ※添付の関連資料を参照


●ドリンク剤・ミニドリンク剤 13年見込 391億円 前年比99.5%
 100ml以上サイズのドリンク剤市場は、10年に猛暑の影響で止渇性に加えて滋養強壮効果もあり夏バテ防止や熱中症対策に使用され、特にCVSの販売増加があって久々に市場はプラスに転じた。その後、大震災の影響が一段落し、生産や流通システムは回復したが、機能性飲料の台頭でドリンク剤の需要縮小が目立った。
 一方50ml主体のミニドリンク剤市場は、効果感で差別化を図り、高価格帯製品を展開している。12年は風邪効能訴求を強化した佐藤製薬「ユンケル」や肝臓への作用を訴求したゼリア新薬工業「新ヘパリーゼドリンク」が好調を続け3年ぶりにプラスに転じている。今後も新製品開発に活気があり、食品群との差別化と優位訴求をいかに浸透させるかが鍵である。

●皮膚治療薬 13年見込 161億円 前年比106.6%
 09年、この市場は薬事法改正や、新規製品の活発な市場開拓により、前年比6.1%増の高成長を遂げた。11年は頭皮湿疹に着目したロート製薬「メンソレータム メディクックH」や肌の傷跡を目立たなくするコンセプトの小林製薬「アットノン」が潜在需要を掘り起こすことに成功して新分野を開きさらに成長した。12年には頭皮湿疹の需要開拓がさらに進んで市場全体も引き続き増加した。頭皮湿疹薬の発想は生活者ニーズを見つけ対応製品を提供することで大きな成果を上げることが出来る好例である。他の薬効領域にも共通することであり、低迷が続く一般用医薬品市場の活性化にも寄与することが期待される。

●解熱鎮痛剤 13年見込 391億円 前年比100.5%
 解熱鎮痛剤は11年1月に発売されたスイッチOTC「ロキソニンS」(第一三共ヘルスケア)が引き続き好調に実績を伸ばし、市場拡大に貢献した。市場は活性化しているが、「ロキソニンS」に実績を奪われた企業の減退は深刻化している。今後は従来品の強化と新製品による需要獲得が進まなければ市場の活性化は一過性に留まりかねないと考えられる。

●鼻炎治療剤 13年見込 225億円 前年比118.4%
 この市場は花粉飛散量・飛散期間に伴う変動が大きく市場はつねに流動的である。11年は猛暑から大量飛散を招き、年前半発売の新製品も売り上げが伸びて200億円を突破した。11〜12年はスイッチOTCの投入が相次いで、医療用医薬品の認知度の高さを生かした販売戦略が続いており市場活性化につながっている。また、各ブランドの定着とともに生活者のセルフメディケーションを主体とした花粉対策の傾向が高まることが期待できることから今後も好調な推移が予測される。

●外用消炎鎮痛剤 13年見込 428億円 前年比98.8%
 一時500億円規模を誇った外用消炎鎮痛剤は、インドメタシン製剤などがPBの攻勢に晒され低調な販売が続いており12年も前年割れとなった。09年発売のスイッチOTC「ジクロフェナクナトリウム製剤」が13年中に第2類に変更されることから、市場活性化に繋がると期待される。
 09年には「ボルタレンAC」(ノバルティス ファーマ)をはじめとする第三世代のジクロフェナクナトリウム製剤がスイッチOTCとして登場し、インドメタシンフェルビナクの効果面での優位性は失われ、これらの成分を配合した製品の実績が落ち込んだ、また、ジクロフェナクナトリウム製剤に関しても、リスク分類第1類ゆえの店頭露出不足や薬剤師不在による販売機会ロスから売上を伸ばすことが難しく、10年の市場は前年比で二桁近い減少を強いられた。高齢者人口の増加で需要は拡大すると見られるが、医療機関の処方が増加し、安価なPB品の増加がマイナス要因となって、一般用医薬品市場の拡大には繋がらず、11年、12年も引き続き減少が続いた。

●目薬 13年見込 403億円 前年比102.5%
 ニーズに合わせた細分化による成長も09年に一段落、10年は対前年比95%の低調な推移を強いられた。高付加価値型製品の投入により単価を引き上げていく動きが目立つようになり、プロモーション活動も高付加価値型製品に力を注ぎ、11年以降は市場規模を維持する事が出来るようになって来た。12年は花粉の飛散量が少なくてアレルギー用点眼薬が大きく落ち込んだものの、高付加価値型製品による底上げで市場全体では僅かながら前年を上回った。花粉の大量飛散によるアレルギー用点眼薬の需要増が大きく、13年は対前年比で2.5%程度の増加が見込まれる。PCやスマートフォンの普及から目を酷使する環境は増えており、近年の機能性眼鏡の広がりを見てもアイケアのニーズは拡大している。生活者ニーズにピンポイントでフィットした提案や訴求で市場を拡大に導くことは十分に可能と考えられる。


※「調査対象薬効領域」などは、添付の関連資料を参照

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