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日本IBM、処理特性に応じ最適な資源配置を自動化する新コンピューティング・モデルなど発表

2013-06-14

処理特性に応じ最適な資源配置を自動化する
新コンピューティング・モデル「Software Defined Environment」と新製品の発表
ビッグデータとクラウドの強化に向け、製品ラインアップを強化


 日本IBM(社長:マーティン・イェッター、NYSE:IBM)は、変化し続けるアプリケーション処理の特性に応じて瞬時にかつ自動で最適なシステム資源を配置することで、ビジネスニーズに即応し、継続的なビジネス変革を実現するための新コンピューティング・モデル「Software Defined Environment(SDE)」と、新製品および機能強化を発表します。主な内容は、既存環境に変更を加えることなくネットワーク全体の管理を仮想化、自動化し、運用負荷やコストを低減するネットワーク・ソフトウェア「IBM(R) Software Defined Network for VirtualEnvironments VMware Edition (SDN VE)」、アプリケーションの優先度に応じた自律的データ配置の最適化により、処理の高速化とシステム資源の使用効率向上を低コストで実現するストレージ・ソフトウェア「IBM System Storage Easy TierApplication(Easy Tier Application)」の発表、「IBM Storwizeファミリー」製品の機能拡張、プライベート・ストレージ・クラウド環境を簡単に構成できるソフトウェア「IBM SmarterCloud Storage Access(SCSA)」の開発意向です。

 新製品や新機能は、本日より日本IBMおよびIBMビジネス・パートナーから順次提供を開始します。

 飛躍的に増加を続けるモバイル・デバイスやSNSから生み出されるビッグデータのリアルタイム活用や、刻々と変化する市場要求にあったビジネスを展開するには、専門知識を持ったシステム要員を必要とする煩雑な手作業に依存したシステム構築が必要でした。SDEでは、IT資源やデータを一元的に管理し、処理の特性に応じ、ポリシー・ベースで柔軟かつ自律的に資源配備を行うことで、迅速にビジネス機会に対応するITインフラの構築を実現できます。

 また、ハイブリッド・クラウドの容易な構築と多種多様なクラウド環境のシームレスな活用にはオープン・テクノロジーが重要です。IBMは、OpenStack(*1)やOpenDaylight(*2)などを推進し、パブリック・クラウドとプライベート・クラウド間、または異なるベンダーのクラウド環境間で、アプリケーションを相互連携できるよう、オープンなクラウド環境の実現にも取り組んでおり、お客様のビジネス変革を支えるスマートなコンピューティング環境を提供していきます。

 本日発表する「IBM Software Defined Network for Virtual Environments VMwareEdition (SDN VE)」は、ネットワークをソフトウェアで制御するフレームワークで、既存の物理スイッチ網上に集中管理型の仮想ネットワークを構成し、ビジネス要求に応じて、ネットワークの構成や設定を柔軟かつ動的に変更できます。当製品は、数百台以上の物理スイッチがある既設IPネットワーク環境でも、拠点をまたがるデータセンター間でも、統合管理でき、サーバーやストレージに比べて仮想化が遅れていたネットワークの分野において、運用負荷を低減しながら、ネットワーク全体の管理を自動化します。従来は、通信状況に応じた構成や経路変更には、機器の追加や個々の機器に対する手動の設定変更など、その都度人的作業が発生していましたが、SDN VEは、あらかじめ定義した優先度に従ってこれらの作業を自動化できるため、管理の負荷やコストを大幅に低減しながら、業務要件にあった処理性能を発揮できます。SDN VEの最小構成価格は、1ソケットあたり2万2,100円(税別)(*3)で、本年6月21日から出荷します。

 ストレージにおいては、アクセス頻度に応じたデータの自動階層化機能「IBM System Storage Easy Tier(Easy Tier)」を強化し、ストレージ資源活用の最適化とアプリケーション処理性能の向上を図ります。たとえば、アプリケーションの優先度に応じて適切なストレージ階層へデータを自動配置する機能「IBM System Storage Easy Tier Application(Easy Tier Application)」は、ハイエンド・ストレージ「IBM System Storage DS8700」に適用できます。当機能により、ユーザーは業務の優先度といった非機能要件さえ事前に定義すれば、ビジネスの要求に即した最適なストレージ環境を自律的に構成し、より重要な業務の処理速度を向上できます。

 Easy Tierと、アクティブ・データのリアルタイム圧縮機能「IBM Real−time Compression」の両機能は、「IBM Storwize ファミリー」のミッドレンジ・ストレージ「IBM Storwize V7000(V7000)」とストレージ仮想化製品「IBM SAN VolumeController(SVC)」において、同時に利用できるようになりました。これにより、データを最大80%圧縮しながらストレージの自動階層化を実現できるため、ストレージ・コストの最適化とデータ管理の効率化とともに、システム環境全体の処理性能を向上できます。たとえば、V7000の管理下に、極めて高速で集積率の高いフラッシュ・ストレージ「IBM FlashSystem ファミリー」や他のストレージ装置を配置し、Easy TierとReal−time Compressionを同時適用すれば、実物理容量以上のデータをフラッシュ・ストレージに収容でき、高速なストレージ資源を有効活用しながら、データ量削減による転送時間や処理時間を短縮できます。

 また、IBM Storwize ファミリーのエントリー・ストレージ「IBM Storwize V3700(V3700)」においては、エントリー・レベルの製品としては初めてEasy Tierが利用可能になりました。加えて、拠点間のデータコピーを実現するリモート・ミラー機能が追加されました。遠隔コピー機能はIBM Storwize ファミリー間で互換性があり、遠隔地に設置したV3700と他のIBM Storwize装置間においてデータ複製を行うことができます。これにより、お客様はストレージ装置の構成をより柔軟に選択しながら、有事における早急な事業回復を図れます。

 さらに、プライベート・ストレージ・クラウド環境を簡単に構成できるソフトウェア「IBM SmarterCloud Storage Access(SCSA)」においては、下記の開発意向を表明します。

 SCSAは、「IBM Storwize V7000 Unified」や「IBM Scale Out Network AttachedStorage(SONAS)」といったNASに対応していますが、今後は構造化データの保存に利用できるSANにも対応できるよう、V7000、SVC、「IBM XIV Storage System」で利用できるようになります。また、各ユーザーのストレージ利用量を可視化し、実際の使用料に応じて課金できる機能も追加します。これにより、非構造化データも構造化データも一元的に管理できるストレージ・クラウド環境を構成し、ユーザーは、各機器固有の設定など意識することなく、使いたいときに、使いたい分だけ、ストレージを活用できます。さらに、ストレージ・クラウドAPI(REST)を通じて、独立系ソフトウェア・ベンダー(ISV)による利用も可能になる予定です。


 その他、以下の提供により、最適なシステム環境を支援します。

  ・IBM SmarterCloud Entry V 3.1:仮想化環境の管理、プロビジョニングが行えるセルフサービス・ポータルで、すでに対応済みのPowerVM、KVM、VMware環境に加え、Hyper−Vに対応し、PureFlex System、Flex System、Power Systems、System x上で稼働。

  ・IBM PureFlex Solution for Cloud Backup and Recovery:IBM PureFlex SystemとTivoli Storage Manager(TSM)を使用した、バックアップおよびディザスターリカバー向けの推奨構成を発表。

  ・IBM System x GPFSストレージ・サーバー:大規模クラスターに最適な分散共有ファイルシステムであるGeneral Parallel File System(GPFS)をアプライアンス化し、高性能を簡単に提供可能にしたストレージ・サーバーを発表。

  ・IBM System x3950 X5 ワークロード最適化モデル for SAP HANA:SAP BusinessSuite on HANA製品向けアプライアンス製品で、これまでのHANA XS(128GB)構成からL(1TB)構成に加え、HANA−XL(2TB/4TB)構成を新たに発表。

  ・SAP製品向けPureSystems推奨構成:SAP HANAやSAP NetWeaver BusinessWarehouce Acceleratorなど、SAP製品向けプラットフォームとして、IBM PureFlexSystemやIBM Flex System、IBM System Storage DSシリーズなどを組み合わせた推奨構成を発表。

  ・AIX Solution Edition for IBM Analytical Decision Management:予測分析やスコアリングを活用したリアルタイムな洞察で意思決定を支援するソリューションの迅速な展開と多量データの高速処理を可能にする、事前導入・検証された PowerSystems 推奨構成を発表。

  ・IBM i 7.1 TR6:クライアント OS制約の大幅緩和、SVC、Storwise V7000/V3700の IBM i 直接接続サポートを可能にし、より柔軟なシステム構成や運用容易性を実現。


脚注
 (*1)OpenStack(オープン・スタック)とは、OpenStack Foundationが推進する、クラウド基盤(IaaS)を構築するオープンソース・ソフトウェア。IaaSを提供するための仮想マシンやストレージ、ネットワークの管理機能などを提供。
  http://www.openstack.org/

 (*2)OpenDaylight(オープンデイライト)とは、SDN(ソフトウエア・デファインド・ネットワーク)を実現するソフトウェア群をOSS(オープンソース・ソフトウエア)として開発するプロジェクト。IBMを含むIT企業各社が参画し、各社の開発したソフトウェアを公開することで、ネットワーク機器間の相互運用性を高め、SDNの普及を促進している。IBMはネットワーク仮想化のオーバーレイ技術「DistributedOverlay Virtual Ethernet(DOVE)」を公開し、OpenDaylightへ提供することをコミットしている。
  http://www.opendaylight.org/

 (*3)1年間のサポート&サブスクリプション付きの価格。


<関連情報>
 ・Software Defined Environment(SDE)ウェブサイト:
  http://www.ibm.com/smarter-computing/jp/ja/readynow/software-defined-environment.html

 ・IBM Software Defined Network for Virtual Environmentsウェブサイト:
  http://www.ibm.com/systems/jp/networking/software/sdnve/

 ・IBM Storwize V7000ウェブサイト:
  http://www.ibm.com/systems/jp/storage/products/disk/storwize_v7000/

 ・IBM Storwize V3700ウェブサイト:
  http://www.ibm.com/systems/jp/storage/products/disk/storwize_v3700/

 ・IBM FlashSystemウェブサイト:
  http://www.ibm.com/systems/jp/storage/products/flash/


以上


 IBM、IBM ロゴ、ibm.com、AIX、Easy Tier、IBM FlashSystem、IBM Flex System、Power Systems、Real−timeCompression、PowerVM、PureFlex、PureSystems、Storwize、System Storage、System Storage DS、System x、Tivoli、XIVは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。現時点での IBM の商標リストについては、http://www.ibm.com/legal/copytrade.shtmlをご覧ください。 VMwareは、VMware, Inc.の商標です。

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