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MM総研、2012年度(12年4月〜13年3月)の国内PCサーバー出荷概況を発表

2013-06-11

2012年度国内PCサーバー出荷概況

 ■出荷台数は4.2%減の51万2,854台と2年ぶり減少
 ■出荷金額は3年連続の増加で、前年度比2.3%増の2,162億円
 ■SNS、テレコム市場の需要に一巡感


 MM総研(東京都港区所長・中島洋)は、2012年度(12年4月〜13年3月)のPCサーバー国内出荷実績をまとめた。それによると、わが国のPCサーバー市場は、前年度比4.2%減の51万2,854台を出荷した(表1)。半期別に見ると、上半期は前年同期比3.7%減の25万6,674台。下半期は、前年度比4.7%減の25万6,180台となった(表2)。下半期はスマートフォンの急増に伴う移動系通信事業者やSNS事業者のサーバー設備増強に一巡感が出て需要が伸び悩んだ。
 出荷金額は前年度比2.3%増の2,162億円となり、3年連続の増加。出荷単価は42.1万円と前年度から1万2,000円の上昇となった(表3,表4)。仮想化集約などの広がりにより1台あたりに搭載するCPU、メモリ、HDD、SDD等の増加が出荷単価を押し上げていること、また、Linuxなどのオープンソースの活用拡大が大規模システム、基幹系領域にも広がりつつあることもサーバーの単価上昇に寄与している。下半期から一部のメーカーで円安により原価が上昇したことに伴いパーツ価格の上昇などが見られた。
 メーカーシェア(表1)は順位に変動はなかったものの、3位富士通、4位デルがシェアを拡大した。しかしながらランキング対象となるすべてのメーカーが台数では前年を下回る結果となった。
 13年度の出荷台数は1.5%減の50.5万台に減少(表2)、出荷金額は2,180億円(0.8%増)と若干の成長を見込む(表4)。PCサーバー利用は性能向上により従来のメインフレームやUNIXサーバー領域を侵食しているが、一方、仮想化技術の拡大、クラウド事業者の拡大により従来のPCサーバー領域の集約も進んでいるため、台数の増加は見込みにくい状況。今年度は円安による原材料費の上昇の影響も見込まれ、サーバーメーカー各社にとっては転換点といえる年となりそうだ。

■今回発表のポイント
(1)2010年度以来の2年ぶり台数減も出荷金額は3年連続の成長
 12年度の国内PCサーバー市場は、出荷台数は前年度比4.2%減と2年ぶりの台数減、出荷金額は2.3%増と3年連続のプラス成長となった。11年度は震災後の出荷反動、BCPに伴うサーバー増強、移設等の需要があったことに加え、スマホ対応により携帯電話事業者、SNS事業者等のサーバー増設が続いたため成長したが、12年度はその反動が出て再び台数が伸び悩んだ。PCNo.1サーバーの性能向上に伴い、利用領域は特にUNIXサーバーなどの上位領域を侵食していること、そして仮想化によりサーバー集約が進むことでメモリ、CPU、HDD等を多く搭載した上位機に需要がシフトしていることで出荷金額、単価は上昇傾向にある。

(2)メーカーシェア
 ランキング対象となる上位5社に順位変動はなかったが、3位富士通、4位デルがシェアを拡大した。またランキング対象となる全メーカーが出荷台数で前年を割り込んだ。上半期は通信事業者、データセンター事業者で大口案件があったが下半期に入り目立った案件がなかった。SNS事業者はいわゆる「コンプガチャ問題」が発生して以降、サーバー投資は事業者によりまばらであり、また自社の設備増強だけでなく開発、サービス提供とも初期投資を抑えられるクラウドサービスの利用が一層目立ってきている。このようなクラウド事業者には、サーバーをODM事業者から直接調達する事業者も存在し、サーバーメーカーと競合するような競争環境の変化が起こっている。

(3)13年度も台数減、金額増が続く
 13年度のPCサーバー市場は前年度比1.5%減の50万5,000台、出荷金額は0.8%増の2,180億円を予測する。サーバーメーカーも新しい取り組みを始めている。IBMのPureSystemsのように用途に応じたひな形を実装したサーバーの展開や、またストレージやネットワーク製品を統合したサーバーなどいわゆる垂直統合型サーバーのラインアップを充実させている。一方、汎用型サーバーへ高度な運用管理ソフトを実装し、運用管理費の削減を狙う動きもある。これまでの価格性能比競争からは一線を画す新しい戦略を実行しつつある。このような戦略が市場にどの程度受け入れられていくのかを見極める一年となるとみられる。


 (注)PCサーバーとは、32bitベースの汎用CPUと汎用OSを組み合わせた企業向けサーバーを指す。従来は、企業内システムでのファイル・プリンタ共有など情報系システムを中心に活用されてきた。
 現在ではCPU性能と製品全般の堅牢性・信頼性の向上に伴い、独自OS・独自64bitCPUで構成するUNIXサーバーの牙城であったDBサーバーなど、基幹系システムにも浸透し、現在では、金額ベースで全サーバー出荷金額の50%以上、台数ベースでは95%を占める。


 ※表1〜表4は添付の関連資料を参照

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