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住友金属鉱山、ニッケル鉱石中の鉄分資源化技術を開発

2013-06-06

ニッケル鉱石中の鉄分資源化技術の開発について



 住友金属鉱山株式会社(本社:東京都港区、社長:家守伸正)は、フィリピン共和国においてHPAL(*1)法によりニッケルコバルト混合硫化物(*2)を生産していますが、HPAL法で発生する残渣中には鉄がヘマタイト(*3)として存在します。その鉄品位は概ね30〜40%と低いため鉄鋼原料としては使用できず、埋め立て処理しています。
 このたび当社では、HPAL法でニッケルおよびコバルト分を浸出・回収した後の工程を見直すことにより、残渣の鉄品位を一般的な鉄鉱石と同等の60%程度まで引き上げることに成功いたしました。

 本技術が実用化されれば、資源の有効活用が図れるのみならず、埋め立て処理量の削減にも大きく寄与することができます。当社は、2013年秋に当社子会社であるTaganito HPAL Nickel Corporation(本社:フィリピン共和国マカティ市、社長:藤村隆則、出資比率:当社62.5%、Nickel Asia Corporation22.5%、三井物産 15% 以下「THPAL」)において、HPAL法によるニッケルコバルト混合硫化物の生産工場を稼働させる予定です。当社は、THPALで本技術を用いたパイロットプラント建設を計画しており、今後実用化に向けて検討を進めてまいります。

 当社は、HPAL技術により低品位ニッケル鉱石からのニッケルコバルト生産商業化を世界で初めて成功させましたが、さらに資源の有効活用に向け鉱石・残渣からの有価金属の回収に取り組んでいます。すでにHPAL 技術によりニッケルコバルト混合硫化物の生産を行っているCoral Bay Nickel Corporation(所在地:フィリピン共和国パラワン島、社長:藤村隆則)ではスカンジウム、クロム回収のパイロットプラント建設を進めています。
 鉄分資源化は、これらと合わせて2012年中期経営計画の主要戦略である「回収金属の拡大」による資源の有効活用を推し進めるものとして期待されます。


*1 HPAL:High Pressure Acid Leach 高圧硫酸浸出
*2 ニッケルコバルト混合硫化物:電気ニッケル等を製造するためのニッケルコバルトを含有する中間製品。全量が当社ニッケル工場(愛媛県新居浜市)にて処理され、電気ニッケルおよび電気コバルトに製品化される。
*3 ヘマタイト:Hematite 赤鉄鉱のこと。化学組成はFe2O3。主な使用用途は鉄鋼原料。



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