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アストラゼネカ、進行非小細胞肺がん対象のEGFR遺伝子変異検査の多施設共同国際試験を開始

2013-06-05

アストラゼネカ、進行非小細胞肺がんを対象としたEGFR遺伝子変異検査に関する
多施設共同国際試験(ASSESS試験)開始



 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ガブリエル・ベルチ)は日本においてASSESS試験を開始したことを本日発表しました。本試験は、ヨーロッパおよび日本の進行非小細胞肺がん患者(1,300例、内日本人300例)において、血液によるEGFR遺伝子変異検査の可能性および各国におけるEGFR遺伝子変異検査状況を評価することを目的としたものです。この試験により、診断時または診断後に腫瘍サンプルが入手できない進行非小細胞肺がん患者さんが、血液によりEGFR遺伝子変異の有無が確認でき適切な治療を提供できることが期待されます。さらに、将来、遺伝子検査をより多くの患者さんに提供できることに繋がることが期待されます。

 なお、アジア太平洋地域とロシアでも同様の試験(IGNITE試験:3,500例)が並行して実施されており、これらの試験を合わせると、進行非小細胞肺がんにおいてこれまでに実施された試験の中で最大規模の試験となります。

 現在、EGFR遺伝子変異検査の実施率は世界の各地域で大きく異なり、検査を支える医療体制に必要なインフラ等、地域によって違いが見受けられます。ASSESS試験とIGNITE試験で各国でのEGFR遺伝子変異検査の実態を調査することで、検査プロセスが研究施設、病院、および各国でどのように改善され、最終的に患者さんの治療がどのように改善できるかが明らかになることが期待されます。

 両試験は、世界のトップクラスの臨床腫瘍医、病理学者、分子生物学の専門家等のメンバーから構成される試験運営委員会の監督下で実施されます。日本からは、埼玉医科大学呼吸器内科教授萩原弘一先生が代表として参加されます。

 埼玉医科大学呼吸器内科教授萩原弘一先生は、次のように述べています。「日本は、世界に先駆け高感度の検査技術を開発し、EGFR遺伝子検査は日常診療においてすでに浸透しています。一方、他国では、まだ十分に同検査が浸透しておらず、患者さんに適切な治療を提供できていません。この多施設共同国際試験に日本が参加することで、他国の患者さんに適切な治療を提供し延命につながる検査システムの改善に貢献できることを期待しています。」

 アストラゼネカ株式会社メディカル本部長ムジガン・アテスは、次のように述べています。「個別化医療は肺がんの確立された治療であり、イレッサが、その先駆けとなったことを嬉しく思います。この試験で血液による検査が実現できれば、将来診断時または診断後に腫瘍サンプルが入手できない患者さんへの適切な治療の選択、予後改善をもたらすことが期待できます。さらに、その他の癌治療に多くの知識をもたらすことが期待でき、革新的な治療と個別化医療に対してアストラゼネカの取り組みが貢献できることを喜ばしく思います。」


<注記>

■ASSESS試験について
 ASSESS試験は、進行非小細胞肺がん患者(局所進行および/または転移)を対象としたEGFR遺伝子変異状況を調査する国際多施設共同試験です。この試験の主要目的は、組織/細胞から得たEGFR遺伝子変異状況と血液(血漿)検査から得たEGFR遺伝子変異状況の一致率を明らかにすることで、血液(血漿)が患者のEGFR遺伝子変異状況を確実に判断できる適切なサンプルかどうかを確認することです。この試験は、ヨーロッパ(n=1,000)と日本(n=300)の進行非小細胞肺がん患者1,300人を対象として計画されました。

■IGNITE試験について
 IGNITE試験は、進行非小細胞肺がん患者(局所進行および/または転移)を対象としたEGFR遺伝子変異状況を調査する国際多施設共同試験です。試験の主要目的は、進行非小細胞肺がん患者のEGFR遺伝子変異頻度(変異サブタイプを含む)を明らかにすることです。試験は、アジア太平洋(n=2,500)およびロシア(n=1,000)の化学療法未治療の進行非小細胞肺がん患者3,500人を対象として計画されました。

■肺がんについて
 化学療法が幅広く利用できるにもかかわらず、肺がんは、依然として男性のがん死因の第1位(1)、女性のがん死因の第2位(1)となっています。毎年、アジア太平洋地域とロシアでは約941,900人(2)、ヨーロッパと日本では約475,600人(2)が新たに肺がんと診断されています。病期によって予後は大きく異なり、肺がん全体の約56%が進行期と診断されています(3)。予後は全体として不良であり、5年生存率は17%程度となっています(3)。

■EGFR遺伝子変異検査について
 上皮成長因子受容体(EGFR)の遺伝子変異は、ヨーロッパの非小細胞肺がん患者の約10〜15%(4,5,6)、アジアの非小細胞肺がん患者の約30〜40%(7,8)で発現します。一般に、遺伝子変異状況は細胞サンプルまたは生検サンプルによって検査されますが、検査頻度には大きく幅があります(9)。さまざまな試験から、EGFR遺伝子変異状況に応じて治療戦略を決定することにより、医師は肺がん予後の改善を期待できることが明らかになっています。非小細胞肺がんのEGFR遺伝子変異陽性例は、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)による一次療法への感受性が特に高く、2剤併用化学療法を用いた場合と比較して、優れた結果(PFS、ORR、QoL、および症状)が得られることが期待されます(10,11,12,13)。


アストラゼネカ株式会社について」
 アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細はこちらでご覧ください。http://www.astrazeneca.com
 日本においては、主にがん、循環器、消化器、呼吸器、糖尿病、ニューロサイエンスを重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。当社についてはこちらでご覧ください。http://www.astrazeneca.co.jp


 ※参考文献は添付の関連資料を参照

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