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NHK、指や手で物を触れたときの感覚を再現できる触力覚提示装置を開発
「物の輪郭をなぞる感覚」を再現できる装置を開発
〜触れてわかる情報伝達の実現に向けて〜
□NHKは、高齢者やさまざまな障害のある方などにも分かりやすく情報をお伝えする「人にやさしい」放送技術の研究を進めています。
今回、視覚に障害のある方に情報をお伝えする手段として、指や手で物を触れたときと同様の感覚を再現できる触力覚提示装置を開発しました。
□触力覚提示装置とは、手や指先が物に触れたときに生じる力を力覚デバイス(*1)によって提示し、そこに物体があるかのように仮想的に再現することができる装置です。
□これまで、指先の1点に力を発生させる方式を用いてきましたが、物の角張った部分などを提示する場合、力のかかった指先が仮想物体から外れやすく、物の形状を把握することが困難でした。
□今回、一つの指先の5点に独立した力を発生させる方式を新たに開発したことによって、「物の輪郭をなぞる感覚」の再現が可能となり、物の形状をより明確に識別できるようになりました。
□この研究成果は、5月30日(木)〜6月2日(日)に開催する「技研公開2013」でご覧いただけます。今後は、指の可動範囲を拡げることで、直線的な輪郭だけでなく曲面なども再現可能となるよう、さらなる向上を目指していきます。
*1)指先や、手に持ったペンの先などに対し、その位置に応じてモーターなどを制御して押し返す力を発生することで、指先などに伝わる力を模擬できるデバイス。
※本研究の一部は、東京大学大学院新領域創成科学研究科の篠田研究室と共同で実施したものです。
・別紙は添付の関連資料を参照