パテント・リザルト、おむつ関連技術の特許総合力ランキングを発表

おむつ関連技術　特許総合力ランキング
トップ３はP＆G、ユニ・チャーム、大王製紙


　赤ちゃんを中心に尿や便の捕捉に使用されるおむつは、入院患者や障害者などの利用のほか、少子高齢化を見据えて高齢者にも利用拡大が期待されています。おむつは、使い捨ての便利さや捕捉性などの長所により「紙おむつ」が主流である一方、ゴミが生じにくくまたおむつはずしにも役立つ「布おむつ」の良さも見直しされています。そこで弊社は、これら「紙おむつ」と「布おむつ」を合わせたおむつ全般の関連技術に着目し、参入企業の競争力に関する調査を行いました。１９９３年から２０１３年３月末までに日本の特許庁で公開された関連特許１２，０６９件を対象に、特許の質と量から総合的に見た「特許総合力ランキング（注１）」を集計しました。

　その結果、１位　THE　PROCTER＆GAMBLE（P＆G）、２位　ユニ・チャーム、３位　大王製紙という結果となりました（表１、図１）。


【おむつ関連技術　特許総合力トップ５】（表１）

　※表１は添付の関連資料を参照


　１位P＆Gの注目度の高い特許には、液体ポリオールポリエステルエモリエント剤及び固定化剤含有ローションをトップシートに有することにより、排便の皮膚への粘着を減少し、また皮膚に対する柔軟性も向上した「使い捨て吸収製品」などが挙げられます。

　２位ユニ・チャームの注目度の高い特許には、通気性メッシュベルトで挟んだ吸収性複合体を水蒸気噴射により薄くした「吸水性材料」や、レッグギャザーを構成する伸縮性部材を脚周りに配置して横漏れを防止する「使い捨ておむつ」などが挙げられます。同社は２００２年以降一時出願件数が減少するものの、２００６年以降再び活発に出願しており、有効特許（権利維持されたもの、または今後権利化される可能性のあるもの）は１，２３１件と全企業の中で最も多くなっています。

　３位大王製紙は、バックシートの折り返し部の両面をトップシートで覆い形成された立体ギャザーにより、体液の漏れ・染み出し防止や高い使用感を備える「吸収性物品」などが挙げられます。また同社は、出願件数１，０６５件のうち９割弱となる９１８件が有効特許であり、その割合は全企業の中で最も高くなっています。

　４位花王は、止着用テープファスナーによりおむつを丸め、廃棄処理が容易で衛生面を満たす「パンツ型の使い捨ておむつ」などが、５位KIMBERLY−CLARKは、尿に反応しておむつに描かれた図柄（キャラクター）が出現又は消失して排尿が判断できるとともにおむつはずしにも適する「使い捨て吸収性物品」などが挙げられます。

　６位以下では、使い捨ておむつを中心に出願する王子製紙（王子ネピアを含む）やリブドゥコーポレーション、吸水性材料に関する技術を中心に出願する日本触媒、また海外企業としてBASF（ドイツ）、SCA　HYGIENE　PRODUCTS（スウェーデン）等の企業が上位にランクインされています。

　図２は、国内企業総合力上位５社のパテントファミリー（注２）を、WIPOやEPOなどの機関を除く、５社内の上位５ヶ国で集計した結果です。５社全体では中国、アメリカにパテントファミリーが多くみられるものの、企業ごとに見ると各社傾向が異なります。中でもユニ・チャームが他４社と比較して活発に海外出願していることが出願件数から見受けられます。
ユニ・チャームは、全期間では中国、アメリカへの出願が多く、中国への出願の割合は特に２００１年以降の期間で増加しています。また他４社と比較して、オーストラリアへの出願が多くみられます。他４社についてみると、２００１年以降の期間において、大王製紙は韓国への出願が、花王は台湾への出願が、リブドゥコーポレーションはアメリカや台湾への出願がそれぞれ増加しています。


（注１）：総合力の評価では、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を機関ごとに集計し、パテントスコアが５０点以上のものを合算しています。５０点以上のものだけを集計している理由は、パテントスコアが低くても特許件数が多いことによって総合力が上がってしまうことを防ぐためです。

（注２）：ファミリーデータは欧州特許庁のDefinition　３（http://www.epo.org/searching/essentials/patent-families/definitions.html）相当を使用。

（注３）：本分析では以下企業のグループ化を行っています。
　王子製紙：王子製紙、王子ネピア
　大王製紙：大王製紙、エリエールプロダクト


　本分析の詳細については、簡易コンサルレポート「おむつ関連技術」にてご覧いただけます。（《コース１》税込９９，８００円／《コース２》税込３１万５０００円）。

【おむつ関連技術　簡易コンサルレポート収録内容】
　コース１、２共通コンテンツ
　　・出願件数の推移
　　・企業別　出願件数ランキング（権利者ベース）
　　・ステータス状況
　　・パテントスコア分布
　　・権利者スコアマップ
　　・パテントスコア上位１０件の特許リスト
　　・権利者スコアマップ経時変化
　　・経過情報から見た主要企業比較
　　・引用情報から見た主要企業の注目企業・公報
　　・発明者分析

　コース２
　　コース１に個別企業分析（主要５社）を追加。

　レポートのサンプルは下記を参照。
　http://www.patentresult.co.jp/img/c-reportB.pdf
　＊個別特許の経過情報付きリストをご希望の場合は、別途お見積もりいたします。

【レポート価格】
　≪コース１≫
　　「全体俯瞰　競合分析」：９９，８００円（税込）　納期：１週間

　≪コース２≫
　　「全体俯瞰　競合分析」＋「個別企業分析（主要５社）（＊）」：３１万５０００円（税込）
　　納期：２週間
　　＊「個別企業分析」の対象企業５社につきましてはご相談に応じます。

【レポート納品形態】
　冊子１冊。CD−ROMにレポートのPDF、分析に使った特許公報リストCSVを収録。
　上記データを収録したエクセルをCDで納品。

＜＜お申し込み方法＞＞
　簡易コンサルレポートは、弊社ホームページお問い合せフォームよりお申込み下さい。
　http://www.patentresult.co.jp/contact.html
　また特許分析ツール『Biz　Cruncher』を使うと、ご自身でも詳細な分析が可能です。こちらも詳しくはお問い合わせください。

【調査対象の特許群について】
　１９９３年から最新２０１３年３月末までに公開された特許公報が対象。公開、登録、公表、再公表のすべてが対象で、登録と、公開・公表・再公表が重複している場合は、登録を優先。企業等の集計単位は権利者ベースとしています。おむつ関連技術の検索式は多数の特許分類コードやキーワードを組み合わせて作成しております。詳細はレポートをご購入のうえご確認ください。


　※図１、図２は添付の関連資料を参照