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第一三共、抗EGFR抗体「ニモツズマブ」の肺癌と胃癌を対象とする第3相臨床試験開始

2013-05-02

抗EGFR抗体「ニモツズマブ」の国内における第3相臨床試験開始のお知らせ


 第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、抗EGFR抗体nimotuzumab(プロジェクトコード:DE-766、以下「ニモツズマブ」)の肺癌および胃癌を対象とする第3相臨床試験を国内において開始しましたので、下記の通りお知らせします。





1.肺癌を対象とした第3相臨床試験について

 本試験は、切除不能な局所進行肺扁平上皮癌患者の一次治療として、ニモツズマブと同時化学放射線療法との併用療法の有効性を、プラセボと同時化学放射線療法との併用療法と比較検討する、多施設共同、二重盲検、無作為化、プラセボ対照、並行群間比較試験です。主要評価項目として全生存期間(OS)を、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)および安全性を評価します。約420例を対象として、国内の約60施設で実施する計画です。


2.胃癌を対象とした第3相臨床試験(ENRICH試験)について

 本試験は、EGFR過剰発現の進行・再発胃癌および胃食道接合部癌患者の二次治療として、ニモツズマブとイリノテカン塩酸塩水和物(以下、「イリノテカン」)の併用療法の有効性を、イリノテカン単剤療法と比較検討する非盲検無作為化比較試験です。主要評価項目として全生存期間(OS)を、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)および安全性を評価します。なお、本試験は日韓共同で実施しており、約400例を対象として、日本及び韓国の約40施設で実施する計画です。韓国においてはKuhnil Pharmaceutical Co., Ltd.(本社:ソウル、以下「Kuhnil社」)が推進します。


以上


(ご参考)

局所進行肺扁平上皮癌について

 日本において、肺癌による死亡数は癌死亡全体の中で第1位であり、2011年には約7万人が肺癌により死亡しています。肺癌全体の80%以上を腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌などの非小細胞肺癌が占めます。根治手術が不能な病期のうちIII期の局所進行非小細胞肺癌に対して、根治的放射線照射が可能な場合、根治を目指した同時化学放射線療法が現在の標準治療とされています。このうち扁平上皮癌は3〜4割を占め、EGFRの発現レベルが特に高いことが知られています。


胃癌について

 東アジア地域の胃癌患者数は世界の約半数を占めています。日本の胃癌による死亡者数は約5万人で、癌による死亡原因の中で2番目に多い癌種です。また、韓国の胃癌による死亡者数は約1万人です。近年、胃癌に対する治療成績は向上がみられていますが、未だ予後は不良であり、約50%以上の胃癌患者で根治的外科手術が施行されるものの、約60%以上の患者で局所再発あるいは遠隔転移を起こすと報告されています。


ニモツズマブとEGFRについて

 ニモツズマブは、CIMAB社(キューバ)で創製されたヒトEGFRに対する組換えヒト化IgG1モノクローナル抗体であり、EGFRを標的として特異的に結合する分子標的薬です。海外では、頭頸部癌、悪性脳腫瘍、および食道癌の治療薬として承認されています。EGFRは、特定の癌に高率に発現していることが知られており、癌の悪性化に寄与していることが知られています。また、放射線照射によって活性化されることも示されており、放射線抵抗性の原因と考えられています。

 当社は2006年にニモツズマブをCIMAB社及びCIMYM BioSciences社(カナダ)より導入し、日本における開発および販売権を保有しております。韓国においては、Kuhnil社が開発および販売権を保有しております。

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