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川崎重工、中期経営計画「中計2013」(2013〜2015年度)を策定
中期経営計画「中計2013」(2013〜2015年度)
−「Kawasaki 事業ビジョン2020」実現に向けた道筋の具体化−
川崎重工は、2013年度から2015年度を計画期間とする「中計2013」を策定いたしましたので、その内容をお知らせいたします。
今回策定した「中計2013」は、2012年度までの事業環境の変化や自らの足取りを振り返るとともに、最終年度となる2015年度が2010年に策定した「Kawasaki 事業ビジョン2020」に向けた折り返し地点に位置することを意識し、今回の中期経営計画での取り組みがビジョン実現の成否を左右するという認識に立って描いた、今後3年間のアクションプランになります。
「中計2013」の位置付け
※参考画像は添付の関連資料を参照
1.中期経営計画「中計2013」
前中期経営計画においては、リーマンショク以前までの「成長軌道への復帰」と「将来の成長に向けた基盤整備」を大きな目標と掲げて事業運営に取り組んできました。期間中は前提よりも大幅な円高水準の継続や先進国経済の低迷がありましたが、特に中国経済の急成長を背景に2010年度と2011年度は2年連続で大きな成果を得ることができました。しかし、中国経済の減速が顕著になった2012年度は一転して、前年比で減益を余儀なくされました。
今回の中計期間では、前中計期間に蒔いた将来のための種を着実に成長させることに加えて、更なる将来に向けた基盤整備や、事業環境の変化に柔軟に対応できる経営体質の構築に取り組むことで、「Kawasaki 事業ビジョン2020」実現を確実なものとすると共に、持続的に成長する企業へと脱皮することを目指していきます。
(1)基本目標
・厳しい経営環境にも耐えうる効率的な事業運営
・経営環境の変化を踏まえた施策の実施
・事業ビジョン実現に向けた具体的施策の実施
・新製品・新事業の早期事業化
・社会とともに持続的に発展する企業を目指す
(2)重点施策
−事業基盤の拡大に向けた取り組み−
〔1〕ソリューションの提供
・お客様のニーズに的確に対応するソリューションの提供を通じて、市場優位性の確保と付加価値の向上を図る。
〔2〕既存事業の領域拡大
・既存事業の上流・下流事業を取り込むことで、グローバル市場において差別化を図る。
〔3〕成長市場に向けたグローバル展開の加速
・パートナーシップや合弁事業への参画も含めてグローバル展開を加速し、新興国や資源国を中心とする成長市場の取り込みを強化する。
〔4〕新製品・新事業の早期事業化
・自社開発、M&A、アライアンスによる早期事業化を促進し、先行者利益の獲得を目指す。
〔5〕既存事業の競争力強化
・高度化・差別化による市場優位性の確保と国内工場をマザーファクトリーとするグローバルな最適生産体制、グローバルレベルでの最適調達の追求によりコスト競争力の強化を図
る。
−将来収益基盤の整備に向けた取り組み−
〔1〕研究開発の推進と設備投資の継続
・システムソリューションを柱とする新製品・新事業やコンカレントを追求する高付加価値製品の開発を強化するとともに、将来を見据えた基盤技術・コア技術の開発を推進する。
・既存設備の有効活用や投資実行時期の最適化を行ないながら、将来事業基盤の整備に必要不可欠な投資を実行する。
〔2〕知的資産共有活動の推進とグローバル人財の育成強化等
・グループ内で保有する製品・技術を組み合わせた新たな価値の提供を加速し、従来製品の高度化、新分野での製品開発を推進する。
・ダイバーシティ施策の推進とともに、グローバル人財の育成・強化を図る。
−強固な経営体質の構築に向けた取り組み−
〔1〕財務体質の強化
・収益性の向上、資金回収の早期化、棚卸資産の圧縮、設備投資の抑制、投資効率の向上に取り組み、有利子負債の圧縮およびキャッシュフローの改善に努める。
〔2〕共通業務の効率化推進
・グローバルかつ連結経営の視点から、関係会社を含めたシステムの共通化と集中管理による業務の効率化と信頼性の向上を図る。
(3)数量目標
2020年度の連結数量ビジョン実現が確かなものとなる水準を目標とする。
<2015年度の連結数量目標>前提為替レート:95円/$
・売上高 :1兆6,000億円
・営業利益 :900億円(営業利益率 5.6%)
・経常利益 :850億円(経常利益率 5.3%)
・ROIC(税前) :11.0%
※表は添付の関連資料を参照
【株主利益還元】
・業績に見合った配当を安定的に継続すると共に、中長期的な連結配当性向の基準を30%に置く。
(4)投入経営資源計画
・設備投資額:平均700億円/年
・研究開発費:平均460億円/年
・在籍人員(2015年度末):35,400人(国内 26,000人、海外 9,400人)
2.Kawasaki 事業ビジョン2020
2010年に策定した「Kawasaki 事業ビジョン2020」では、「世界の人々の豊かな生活と地球環境に貢献する“Global Kawasaki”」という当社グループミッションを実現するための将来の目指す姿や方向性に加えて、投入する経営資源を長期的視野で考えるため、2020年度における数量ビジョンについても明らかにしています。
(1)目指すべき姿(ビジョン)
〔1〕事業分野と事業目的
・『陸・海・空の輸送システム』、『エネルギー環境』、『産業機器』を主な事業分野とし、革新的・先進的な技術力により世界の人々の多様な要望にこたえる製品・サービスを素早く提供し、顧客・社会の可能性を切り拓く企業
〔2〕収益力と成長投資
・事業環境の変化に対し高い適応力を持ち、将来への成長投資を続ける収益力の高い企業
〔3〕ものづくり重視とグローバル展開
・国内工場をマザーファクトリーとして高度化するとともに、生産から販売に至る海外での事業展開を積極的に進める企業
〔4〕社会との共存・共栄
・社会の課題やステークホルダーからの期待に対して、事業活動を通じ、その解決や実現に貢献していく企業
〔5〕地球環境への貢献
・低環境負荷技術を究めた製品とこれらを組み合わせたシステムで、豊かな生活と地球環境の改善を実現する企業
〔6〕働きがいの追求
・安全で働きやすい職場環境の中で、従業員が将来に対する夢と希望を持ち、活き活きと働く企業
(2)数量ビジョン
<2020年度における連結数量ビジョン> 前提為替レート:90円/$
・売上高:2兆円以上(世界のGDP成長率+αを目安として成長を実現)
・経常利益率:5.0%以上
・ROIC(税前):12.0%以上
(3)経営資源投入の考え方
・設備投資:売上高の3〜5%を目安として弾力的に投資を実行
・研究開発:売上高の3〜5%を目安として弾力的に投資を実行
・人員規模:人財開発およびIT投資や生産設備の高度化などによる生産性の向上に努め、適正な人員規模を確保
以上