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鹿島など、コンクリート構造物の品質向上で目視調査に基づく品質管理手法を開発

2013-04-27

コンクリート構造物の表層品質評価手法の開発と品質向上への取組み
目視調査に基づく品質管理を実現場へ適用


 鹿島(社長:中村満義)は、コンクリート構造物の品質向上を目指して、目視調査に基づく品質管理手法を開発しました。本手法は、横浜国立大学細田暁准教授と共同で開発したもので、脱型したコンクリートの品質を目視で評価して、定量的な結果に基づいて次の施工に反映させる手法です。2011年から実現場で適用を開始しており、現在までに14現場に導入、コンクリート構造物の品質向上に大きな効果をあげています。今後は、さらに大型コンクリート工事への適用及び水平展開を推進し、コンクリート構造物の品質・信頼性の向上を図っていく方針です。

<開発の背景>
 コンクリート構造物の品質は、使用する材料や配合など、コンクリート自体の品質に加えて、製造、運搬、型枠、打込み、締固め及び養生などの施工要因の影響を大きく受けます。例えば、同一のコンクリートを用いて構造物を構築したとしても、施工の良し悪しによって、極めて品質の高いものから、逆に、品質の低いものになる場合もあります。
 一方、コンクリート構造物の耐久性に着目すると、劣化因子はコンクリートの表面から浸透するため、構造物の表層部の品質が重要になります。しかし、コンクリート構造物は打ち込まれたコンクリートが鉄筋を通過してかぶり部に充填されて形成されるため、表層部のコンクリートは打込み,締固め,養生などの施工の影響を受けやすく、また、一般的に内部のコンクリートよりも材料分離が生じやすく、密実に充填されない場合もあります。
 コンクリートの表層部の品質が密実でなく、表面気泡、砂すじ、沈みひび割れなどがある場合には、そのコンクリート構造物は比較的早期に劣化することがわかっています。したがって、コンクリート構造物の品質を考える場合にはこの表層部の品質が極めて重要になります。

 ※参考画像1は添付の関連資料を参照

 一方、土木分野では、橋梁、トンネル、ボックスカルバート等の多くのコンクリート構造物は、長期にわたって同じような部材が連続的に繰返し施工されます。施工者はコンクリートを施工するたびに品質向上の改善を図るため、施工現場において、PDCAサイクルを回していくことになります。しかしながら、これまで「C:Check」の評価手法が確立されていなかったことから、構築したコンクリートの品質評価は現場技術者の経験に基づく判断に委ねられてきました。この場合、施工の反省、改善点が次の機会に定量的に反映されにくいという課題がありました。

 ※参考画像2は添付の関連資料を参照


<今回開発した表層品質評価手法の概要>
<現場への適用>


 ※添付の関連資料「概要など」を参照


<今後の展開>
 今後、当社では本手法を活用し、耐久性、美観に優れたコンクリート構造物の施工を目指すと共に、品質向上に資する各種工夫の蓄積、高品質のコンクリートを施工するための新工法の開発など、さらなる検討を推し進めていく方針です。また、大型コンクリート工事へ適用を図ると共に、全国の現場へ広く水平展開していくことにしています。

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PDCAサイクル 横浜国立大学 手法

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