富士電機、電力損失を大幅に削減した変換回路適用のパワーモジュールを発売

「AT‐NPC　３レベル１２　in　１　IGBTモジュール」シリーズの発売について
〜３モジュール分の回路を１パッケージにして機器の小型化に貢献〜



　富士電機株式会社（東京都品川区、代表取締役社長：北澤通宏）は、「AT‐NPC（Advanced　T‐type　Neutral‐Point‐Clamped）３レベル１２　in　１　IGBTモジュール」シリーズを発売しますのでお知らせいたします。

１．狙い
　当社は、２０１０年２月に、電力損失を大幅に削減する「AT‐NPC３レベル（新３レベル）変換回路」を開発し（※１）、２０１１年２月、本回路を適用したパワーモジュールを製品化しました（※２）。
　今回発売する製品は、省エネに加えて、必要な回路の１パッケージ化により、インバータやUPS（無停電電源装置）などパワーエレクトロニクス機器の小型化ニーズに応えます。

２．製品の特長
（１）搭載機器の小型化に貢献
　１台のパワーエレクトロニクス機器（３相電源）に必要とされる３モジュール分の回路を１モジュールに集約しました。当社従来品を組み合わせた場合と比較し、実装面積（底面積）を６０％縮小します。

（２）消費電力を大幅に削減
　当社の特許取得技術である「RB‐IGBT（逆阻止IGBT）」を用いた「AT‐NPC３レベル変換回路」により、電力損失を５０％削減します（※３）。

（３）２種類のピン形状を用意
　ソルダピン（はんだ付け）とプレスフィットピン（圧力による装着）の両タイプを用意し、お客様の組立工程に合わせた選択が可能です。

（※１）プレスリリース　http://www.fujielectric.co.jp/about/news/10020401/index.html
本技術は公益財団法人電気科学技術奨励会の「第６０回電気科学技術奨励賞」を受賞しました。
（※２）プレスリリース　http://www.fujielectric.co.jp/about/news/11021701/index.html
（※３）当社２レベル方式との比較。キャリア周波数７kHz、電源電圧７００V、出力電流３０A（実効値）にて２０kVAインバータ動作時。

（３レベル変換回路とRB−IGBTについて）
　３レベル変換回路は、出力電圧ステップ数を３レベル化することにより、従来の２レベルと比較してスイッチング時の電源電圧が１／２となり、スイッチング損失を低減します。加えて、当社の特許取得技術のRB‐IGBTを搭載することで、逆方向電流をブロックするためのダイオードが不要となり、導通損失をさらに低減でき、変換回路の効率をより高めることができます。

　＊製品画像は添付の関連資料を参照

３．概略仕様

　※添付の関連資料を参照

４．主な用途
　インバータ、無停電電源装置（UPS）、家庭用太陽光発電用パワーコンディショナーなど

５．受注開始
　２０１３年４月


（ご参考）「AT‐NPC　３レベル１２　in　１　IGBTモジュール」の回路図

　※添付の関連資料「参考画像」を参照


以上