野村総研、福岡県の健康サイトに「将来の生活習慣病の危険度チェック」プログラムを提供

福岡県の健康ポータルサイトに
「将来の生活習慣病の危険度チェック」プログラムを提供
〜生活習慣病発病の危険度を予測し、生活改善による危険度低下を示唆〜


　株式会社野村総合研究所（本社：東京都千代田区、代表取締役社長：嶋本　正、以下「NRI」）は、このほど、福岡県（小川　洋知事）からの受託により、同県が構築する「福岡県健康ポータルサイト」（http://www.kenko.pref.fukuoka.lg.jp）用に、アクセスした人が自身の健康データなどを入力することで、将来、生活習慣病にかかる危険度を示すプログラム「将来の生活習慣病の危険度チェック」（以下、「本プログラム」）を作成しました。

　本プログラムは、これまで医療従事者が患者などの指導ツールとして採用してきた、生活習慣病指導支援システム「健康みらい予報」のシステムを活用したものです。


【日本最大の疫学ビッグデータの成果を活用した「健康みらい予報」】
　生活習慣病指導支援システム「健康みらい予報」は、九州大学が同県の糟屋郡久山町において、１９６１年から今日まで調査・蓄積してきた、日本最大で国際的にも評価の高い疫学ビッグデータである「久山町研究（※）」の成果を基に、NRIが久山生活習慣病研究所と共同で２００９年に開発しました。

　住民一人ひとりについての問診や検査結果をもとに、生活習慣病の今後１０年間の発症リスク（危険度）を算出するとともに、特定の検査項目の値が上下したときの発症リスクの変化をシミュレーションする仕組みです（特許出願中）。これまで、生活習慣病の患者やその予備群と目される方々を指導する医療従事者が、患者などの生活習慣の改善に向けた目標設定や動機付けを行うためのツールとして、活用されてきました。


【医療従事者向けの仕組みを一般市民向けに】
　今回NRIが提供する本プログラムは、福岡県からの受託に基づき、久山生活習慣病研究所の監修のもと、これまで医療従事者向けに提供していた内容を、はじめて一般市民にとってわかりやすい生活習慣病のチェックプログラムに作り変えたものであり、福岡県の健康ポータルサイト上で公開されます。


【生活習慣病の発症危険度と生活改善による効果を予測】
　本プログラムを活用することで、現在の健康状態や生活習慣から今後１０年間の虚血性心疾患（心筋梗塞など）、脳卒中および糖尿病について、発症危険度を知ることができます。また、このプログラムは、（１）定期的な運動、（２）減量、（３）禁煙、といった生活習慣の改善によって、どの程度発症の危険度が低下するかという可能性を示すこともでき、健康への意識付けや生活改善への動機づけとなることを狙っています。

　なお、NRIは、福岡県に対し、同県内市町村の保健指導者向けの上記医療従事者向け指導ツール「健康みらい予報」を提供しています。

　NRIは、今後も久山生活習慣病研究所との共同研究を深め、「健康みらい予報」や本プログラムの提供・改善を通じて、人々の健康増進に貢献していきます。

　※久山町研究
　　九州大学と久山町の共同事業として、福岡県糟屋郡久山町（人口約８，０００人）において５０年以上にわたって続けられている、精度の高い生活習慣病（脳卒中・悪性腫瘍・高血圧症・糖尿病など）の疫学調査。１９６１年以降の住民健診データをもとに、データベース化された疫学ビッグデータは、世界に類を見ない精度を誇っており、生活習慣病に関するさまざまな医学分野で注目されている。（詳細は、http://www.envmed.med.kyushu-u.ac.jp/）


●関連URL
「健康みらい予報」について
　http://www.nri.co.jp/news/2012/120514.html
　http://www.nri.co.jp/news/2009/091020.html