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浜松ホトニクス、持ち運んで実験可能な生産技術開発向け小型エキシマランプ光源を発売

2013-04-09

環境に優しく、ダメージや粉塵が生じないドライ処理
表面改質や洗浄工程の生産技術開発向け
持ち運んで実験可能な小型エキシマランプ光源を新発売


 当社は、業界唯一の高周波(RF)放電型で平面バルブの紫外線エキシマランプを搭載した、持ち運んで実験可能な生産技術開発向け小型エキシマランプ光源EX−mini「L12530」を、国内の電気機器や半導体装置メーカーに向けて5月1日から発売を開始します。これにより、樹脂などの表面改質工程や半導体などの洗浄工程で、環境に優しく、ダメージや粉塵が生じないドライ処理による生産技術開発が進み、処理速度、品質、歩留まり向上が期待できます。

 なお、本製品は、4月10日(水)から東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される、高機能フィルム成形・加工技術の専門展「第4回 高機能フィルム展 〜フィルムテックジャパン〜」に出展します。


<製品の概要>
 本製品は、キセノンガスのエキシマ発光を利用して、発光波長172ナノメートル(nm)の高エネルギー紫外線を効率よく発生する、表面改質や洗浄に最適な紫外線光源です。表面改質や洗浄工程では、環境負荷のある薬液処理や、材料へのダメージや粉塵の問題があるコロナ放電が主流です。エキシマランプは、ドライ処理により、これらの問題を解決するだけでなく、単一波長のため効率の良い処理、低温処理、瞬時点灯/消灯、大気中での使用、水銀レスが特長です。
 本製品は、エキシマランプ処理の生産工程への新規導入に向けて、持ち運びができる小型照射ボックスにランプと電源をまとめ低価格にしました。いつでもどこでも簡易な実験で、表面改質、洗浄効果の評価、確認が可能になります。
 本製品は、業界唯一の高周波(RF)放電型で平面バルブ構造により、ちらつきが少なく安定して発光すると共に、大面積で均一な照射が可能です。また、独自開発の点灯周波数のオートチューニング機能によりロスが少ない高効率な点灯が得られます。これらにより、従来のエキシマランプ光源に比べても、製造工程での処理速度、品質、歩留まりが向上します。
 また、トリガ電極の接触構造を改良することで、発光範囲のロスがなく、低電力で良好なランプ点灯が実現し、電源を低価格に抑えました。さらに、オプションのオゾン分解ユニットを装置本体に取り付けることで、ダクト排気が不要になり、室内で容易に使用できます。
 エキシマランプの用途としては、樹脂などの前処理で表面を改質して接着強度を向上させることや、半導体やフラットパネルディスプレイなどのプロセス工程で材料の表面に付着した有機物を洗浄によって除去することなどに用いられます。


<主な特長>
1、小型化により、いつでもどこでも表面改質、洗浄の実験が可能
 持ち運びができる小型照射ボックス(344mm×233mm×230mm)にランプと電源をまとめ低価格にすることで、いつでもどこでも簡易な実験で、表面改質、洗浄効果の評価、確認が可能になります。
 また、エキシマランプから発生するオゾンの異臭対策として、オプションのオゾン分解ユニットを装置本体に取り付けることで、オゾン排出濃度を0.1ppm以下に下げ、室内でダクト排気をしないで、容易に使用することができます。

2、約1.7MHzの高周波(RF)放電により、ちらつきが少なく安定した紫外線出力を実現
 従来の誘電体バリア放電は、点灯周波数数十kHzで針状のマイクロプラズマ放電のため発光ムラがありましたが、高周波(RF)放電は、点灯周波数約1.7MHzで雲状のグロー放電のため発光ムラがなく照度の均一性が高いのが特長です。そのため、ちらつきが少なく安定した紫外線出力が得られます。

3、平面バルブの採用により大面積で均一な照射が可能
 エキシマランプを大気中で使用する場合、材料との距離が離れると紫外線出力が急激に減少するため、その距離を10mm以下に近接する必要があります。従来の円筒形バルブは、ランプ中心部直下しか近接照射できないため、多くの紫外線が無駄になっていました。本製品は、平面バルブのため、広い面積で近接照射が可能になりました。
4、電源のオートチューニング機能により高効率の点灯を実現
高周波(RF)放電では、インピーダンスマッチングを考慮する必要があります。本製品は、独自に開発したオートチューニング方式により、1.6MHzから1.9MHzの範囲で自動的に最適な点灯周波数に調整し、電源出力の高効率化を実現しました。


<エキシマランプの特長と用途>
 従来から表面改質や洗浄の方法として、薬液処理とコロナ放電などのプラズマ処理がありますが、薬液処理は廃液処理の環境問題があり、プラズマ処理は材料へのダメージと粉塵の問題がありました。エキシマランプは、ドライ処理で、ダメージと粉塵が生じないだけでなく、単一波長のため効率の良い処理、低温処理、瞬時点灯/消灯、大気中での使用、水銀レスが特長です。
 紫外線による表面改質や洗浄の原理は、高エネルギーの紫外線がオゾンと活性酸素を大量に生成し、同時にランプ照射した材料表面において分子・原子レベルの結合を切断(解離)することにより、化学反応が生じて材料表面への機能性の付与や材料表面の有機物汚染を除去するものです。近年、この原理を利用して、精密さを要求される製造工程などで、材料の表面改質や洗浄にエキシマランプが用いられています。
 表面改質では、材料表面を親水性に改質することができます。例えば、樹脂の表面を親水性に改質することで、接着強度を向上させる接着前処理などが可能です。樹脂、インキ、コーティング剤の前処理や、プリント基板、金属、プラスチック、フィルム、ゴム材料の表面改質などに用いられています。
 また、洗浄では、材料表面に付着した有機物汚染を化学反応により水分や二酸化炭素などに変化させ、揮発、発散して除去することが可能です。特に、ウエット洗浄で除去しきれない汚れ、ウエット洗浄不可な材料などに有効な洗浄方法です。半導体シリコンウエハやLCDガラス基板などのレチクル・有機膜・レジストの除去などのドライ洗浄工程で用いられています。


●主な仕様

 ※添付の関連資料を参照

●発売日        2013年5月1日

●発売価格(税込)  小型エキシマランプ光源EX−mini「L12530」120万円

●販売目標台数   1年目30台/年、3年後100台/年


 ※製品画像は添付の関連資料を参照

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