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エーザイ、抗てんかん剤「イノベロン」の日本での製造販売承認を取得

2013-03-28

抗てんかん剤「イノベロン(R)」日本において製造販売承認を取得



 エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、本日、抗てんかん剤「イノベロン(R)錠100mg、同錠200mg」(一般名:ルフィナミド)について、希少疾患であるレノックス・ガストー症候群(Lennox−Gastaut syndrome:LGS)に対する抗てんかん薬との併用療法に係る適応で、厚生労働省より製造販売承認を取得しましたので、お知らせします。

 本剤は、2009年10月に厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の前身である「未承認薬使用問題検討会議」において未承認薬開発支援品目に指定され、当社は日本での臨床開発に取り組み、2012年8月に製造販売承認申請を行っていました。また、本剤は日本において、2011年6月に希少疾病用医薬品に指定されています。

 LGSは小児から発症する重篤な難治性てんかんのひとつです。LGSは複数のてんかん発作型を示すため、発作の制御が極めて困難であり、通常患者様は数種類の抗てんかん薬を服用しています。LGS患者様は発作時の意識消失による転倒、および発達遅延や行動障害を伴う場合もあることから、患者様とそのご家族のQOLに著しい影響を及ぼす疾患です。

 当社は、てんかん領域を重点疾患領域と位置づけており、本剤に関しては、2007年1月に欧州、2008年11月に米国で承認を取得し、販売しています。当社は、日本における本剤の承認取得により、引き続きLGSに苦しむ患者様とそのご家族、さらには医療関係者の多様なニーズの充足とベネフィット向上に貢献してまいります。


以上


<参考資料>

1. 製品概要

1)製品名
 イノベロン(R)錠100mg、イノベロン(R)錠200mg

2)一般名
 ルフィナミド

3)効能・効果
 他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないLennox−Gastaut症候群における強直発作及び脱力発作に対する抗てんかん薬との併用療法

4)用法・用量
 ・4歳以上の小児
  体重15.0〜30.0kgの場合:通常、ルフィナミドとして、最初の2日間は1日200mgを1日2回に分けて食後に経口投与し、その後は2日ごとに1日用量として200mg以下ずつ漸増する。維持用量は1日1000mgとし、1日2回に分けて食後に経口投与する。なお、症状により、1日1000mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は2日以上の間隔をあけて1日用量として200mg以下ずつ行うこと。
体重30.1kg以上の場合:成人の用法・用量に従う。
 ・成人
  通常、ルフィナミドとして、最初の2日間は1日400mgを1日2回に分けて食後に経口投与し、その後は2日ごとに1日用量として400mg以下ずつ漸増する。維持用量は体重30.1〜50.0kgの患者には1日1800mg、体重50.1〜70.0kgの患者には1日2400mg、体重70.1kg以上の患者には1日3200mgとし、1日2回に分けて食後に経口投与する。なお、症状により維持用量を超えない範囲で適宜増減するが、増量は2日以上の間隔をあけて1日用量として400mg以下ずつ行うこと。

2. レノックス・ガストー症候群(LGS)について
 LGSは希少かつ重篤なてんかん症候群のひとつであり、その多くは脳症など何らかの脳の器質障害を有し、通常は就学前の小児で発症します。複数のてんかん発作型を示し、発作が頻回に発生することに加え、知的発達の遅れやパーソナリティ障害を伴うことがこの疾患の特徴です。ほとんどの症例で強直発作(筋肉の攣縮)、脱力発作(突然の筋緊張の弛緩)および欠神発作(短時間の意識消失)が認められます。強直間代発作(大発作)やミオクロニー発作(突発的な筋肉の攣縮)などを発現する場合もあります。その中でも強直発作や脱力発作は、転倒発作と呼ばれるLGSに特徴的な発作のひとつで、突然激しく倒れ、しばしば外傷を負います。LGSの患者様は外傷予防のために顔面保護機能付きのヘルメットを装着することもあります。LGSの治療は抗てんかん薬による薬物治療が主体となりますが、薬物治療で発作の抑制が困難な重症例には外科的手術が行われる場合もあります。

3. ルフィナミドについて
 ルフィナミドは、新規構造のトリアゾール誘導体であり、てんかん発作の原因となる過剰電荷を帯びている脳内ナトリウムチャネルの活動を調節することでナトリウムチャネルの不活性状態を延長し、抗てんかん作用を示すと考えられています。当社は、双極性障害、不安障害、眼科領域疾患を除き、ヒト治療用として、全世界における本剤の独占的開発、使用、製造および販売に関するライセンス契約を2004年2月にノバルティス社と締結しました。本剤は、欧州では「Inovelon(R)」として2007年1月に、米国では「Banzel(R)」として2008年11月に、LGSに対する抗てんかん薬との併用療法に係る適応で承認を得て、現在はアジア地域も含め販売しています。

4. 日本における臨床試験について
 4歳〜30歳のLGS患者様59人を対象にルフィナミドまたはプラセボを12週間投与する二重盲検比較試験(他の抗てんかん薬との併用療法)が実施されました。維持用量は海外試験を参考として体重別に1000mg、1800mg、2400mg、3200mgと設定されました。その結果、ルフィナミド投与群では、強直・脱力発作頻度(発作頻度変化率、ルフィナミド群:−24.2%、プラセボ群:−3.3%、p=0.003)および総発作頻度(発作頻度変化率、ルフィナミド群:−32.9%、プラセボ群:−3.1%、p=<0.001)がプラセボ群と比較して有意に減少しました。
 また、発現頻度の高かった副作用は、食欲減退、傾眠および嘔吐でした。

5. 海外臨床第III相試験について
 4歳〜30歳のLGS患者様138人を対象にルフィナミドまたはプラセボを12週間投与する二重盲検比較試験(他の抗てんかん薬との併用療法)が実施されました。維持用量は45mg/kg/日を目安として体重別に1000mg、1800mg、2400mg、3200mgと設定されました。その結果、ルフィナミド投与群では、強直・脱力発作頻度(発作頻度変化率、ルフィナミド群:−42.5%、プラセボ群:1.4%、p=<0.0001)および総発作頻度(発作頻度変化率、ルフィナミド群:−32.7%、プラセボ群:−11.7%、p=0.0015)がプラセボ群と比較して有意に減少しました。
 また、発現頻度の高かった副作用は、傾眠、食欲減退および嘔吐でした。

6. エーザイのてんかん領域での取り組みについて
 当社は、てんかん領域を重点疾患領域と位置づけ、レノックス・ガストー症候群の治療剤である「Inovelon(R)/Banzel(R)」に加え、部分てんかん治療剤として「Zonegran(R)」(創製・ライセンス元:大日本住友製薬、Na/Caチャネル阻害等に基づく抗てんかん剤:欧州、米国、アジア)および「Zebinix(R)」(同:BIAL−Portela&Ca社、電位依存性Naチャネル阻害に基づく抗てんかん剤:欧州)、てんかん重積状態などの治療に用いる「ホストイン(R)」(販売提携:ノーベルファーマ、フェニトインの水溶性プロドラッグ:日本)を販売しています。
 また、自社創製のAMPA受容体拮抗剤「Fycompa(R)(一般名:ペランパネル)」について、新規作用機序を有する部分てんかんの治療剤として2012年7月に欧州、2012年10月に米国で承認を取得し、2013年3月現在、欧州6カ国で販売しています。ペランパネルは、日本では部分てんかんを対象とした臨床第III相試験を進行中で、全般てんかんについても国際共同治験として臨床第III相試験を実施しています。当社は、てんかん領域に豊富な製品ラインナップを保有し、複数の治療オプションを提供することで、てんかん患者様とそのご家族の多様なニーズの充足とベネフィット向上に貢献してまいります。

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