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バイエル薬品、治癒切除不能な進行・再発結腸・直腸癌適応の「スチバーガ錠」の製造販売承認を取得

2013-03-28

治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
バイエル薬品
経口マルチキナーゼ阻害剤「スチバーガ(R)錠」の製造販売承認を取得
・1日1回の経口投与で、標準治療施行後の進行・再発大腸癌の生存期間を延長



 大阪、2013年3月25日―バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:カーステン・ブルン、以下バイエル薬品)は本日、厚生労働省より「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の適応症で、「スチバーガ(R)錠40mg」(一般名:レゴラフェニブ水和物)の製造販売承認を取得しました。

 スチバーガ(R)錠は、ドイツ・バイエル ヘルスケア社が開発した1日1回投与の経口マルチキナーゼ阻害剤です。腫瘍血管新生、腫瘍微小環境および腫瘍形成にかかわる複数のシグナル伝達を阻害し、抗腫瘍効果を発揮します。

 スチバーガ(R)錠は、既承認薬剤による標準治療施行後に病勢進行が認められた転移性大腸癌において、全生存期間と無増悪生存期間がプラセボと比べ、統計学的に有意に延長することを証明した国際共同 第III相臨床試験CORRECT(Colorectal cancer treated with regorafenib or placebo after failure of standard therapy)の結果1に基づき承認されました。スチバーガ(R)錠の安全性と忍容性は概ね予想通りであり、管理可能でした。同試験には、日本の20施設が参加しています。同試験では全体集団と同様に、日本人部分集団においてもスチバーガ(R)錠が死亡および病勢進行のリスクを軽減したことが示されており、この結果は2012年に開催された第10回日本臨床腫瘍学会学術集会で発表されています。

 日本では、大腸癌により毎年4万人以上が亡くなり、がんによる死亡の第3位となっているほか、年間約10万人が新たに大腸癌と診断されています。また、日本の大腸癌罹患数は、過去20年で増加しています2。

 バイエル薬品は、スチバーガ(R)錠の転移性大腸癌に対する製造販売承認申請を2012年7月に行い、適応疾患の重篤性と医療上の有用性に基づき、同省より優先審査に指定されていました。

 国立がん研究センター東病院消化管内科医長の吉野孝之氏は、次のように述べています。「日本では、大腸癌の発症が増えており、進行した癌患者さんに使える治療選択肢は限られています。スチバーガ(R)錠は全生存期間を延長し、癌の進行を遅らせることが示されており、ほかの治療選択肢がない転移性大腸癌患者さんに、福音をもたらします」


<スチバーガ(R)錠の製品概要>

 販売名:スチバーガ(R)錠40mg(STIVARGA(R) Tablets 40mg)
 一般名:レゴラフェニブ水和物 (regoragenib hydrate)
 効能・効果:治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
 用法・用量:通常、成人にはレゴラフェニブとして1日1回160mgを食後に3週間連日経口投与し、その後1週間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
 承認取得日:2013年3月25日
 出典:
  1 Grothey A, et al. Regorafenib monotherapy for previously treated metastatic colorectal cancer(CORRECT):an international, multicentre, randomised, placebo−controlled, phase 3 trial. Lancet 2013 Jan 26;381(9863):303−12.
  2 国立がん研究センターがん対策情報センター


<スチバーガ(R)錠(レゴラフェニブ)について>

 スチバーガ(R)錠(有効成分:レゴラフェニブ)は、血管新生、腫瘍形成、腫瘍微小環境の維持といった腫瘍増殖と腫瘍進行にかかわる機序において、さまざまなキナーゼを阻害する経口マルチキナーゼ阻害剤です。臨床試験では、レゴラフェニブが腫瘍血管新生(新しい血管の成長)の役割を果たす複数のVEGF受容体キナーゼを阻害することが明らかになりました。また、腫瘍増殖、間質微小環境の形成、疾患進行に単独、あるいは集合的に影響を及ぼすVEGFR1−3、KIT、RET、PDGFR、FGFRを含むさまざまな腫瘍形成や腫瘍微小環境にかかわるキナーゼも阻害します。

 米国では2012年9月に、レゴラフェニブは転移性大腸癌の適応症で、製品名「Stivarga(R)」として米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)から承認され、2013年2月には消化管間質腫瘍(GIST:gastrointestinal stromal tumors)に対しても承認されました。また、欧州連合(EU:European Union)では2012年5月に、転移性大腸癌に対する承認申請を行っています。日本では、転移性大腸癌のほかに、GISTに対する承認申請を同年12月に行い、優先審査に指定されています。


 バイエル薬品株式会社
 2013年3月25日、大阪
 Bayer Yakuhin, Ltd./Communications(JPN−BHC−2013−0092)


バイエル薬品株式会社について>
 バイエル薬品株式会社は本社を大阪に置き、医療用医薬品、ラジオロジー&インターベンショナル(画像診断関連製品)、動物用薬品(コンパニオンアニマルおよび畜産用薬品)の3事業からなるヘルスケア企業です。医療用医薬品部門では、循環器領域、腫瘍・血液領域、婦人科・皮膚科領域、眼科領域の4領域に注力しています。バイエル薬品は、「よりよい暮らしのためのサイエンス(Science For A Better Life)」の企業スローガンのもと、技術革新と革新的な製品によって、日本の患者さんの「満たされない願い」に応える先進医薬品企業を目指しています。
 バイエル薬品ホームページ:http://www.bayer.co.jp/byl

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