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トランスジェニックと熊本大学、「ヒト化マウスの開発」に関して共同研究契約を締結

2010-12-27

国立大学法人熊本大学との共同研究契約締結に関するお知らせ


 株式会社トランスジェニック(代表取締役社長:福永健司、熊本県熊本市)と国立大学法人熊本大学(以下、熊本大学)(学長:谷口功、熊本県熊本市)は、2010年12月21日、「ヒト化マウスの開発」に関して共同研究契約を締結しましたので、お知らせいたします。

 このたびの共同研究は、新薬の効能評価や疾病の原因解明に供される実験動物であるマウスを、ヒト臓器保有マウス(ヒト化マウス)にすることにより、より有用なモデル動物の創出を目指すものです。
 今後、当社と熊本大学生命資源研究・支援センター 山村研一教授の研究グループは、ヒトiPS細胞から分化誘導した細胞を用い、マウス生体内でヒト臓器・組織の再構築を行い、持続的にヒトの機能を有するマウスを開発します。
 当社は、ヒト化マウスを開発し事業化することにより、当社独自技術であるトラップマウス技術を軸とした遺伝子破壊マウス事業と併せて、マウス事業の拡大を図るものです。
 また、このたびの共同研究契約に基づき、本共同研究成果のうち、事業化が期待される成果については、知的財産権の確保など権利化を図る予定です。

 本共同研究契約の平成23年度連結業績への影響は軽微であり、業績予想に変更はありません。


◆ご参考 :
●ヒト化マウス
 ヒト化マウスとは、便宜的に遺伝子レベルでのヒト化マウス、細胞レベルでのヒト化マウス、組織・臓器レベルでのヒトマウスの3種類があります。遺伝子レベルでのヒト化マウスは、トランスジェニック社が持つ可変型遺伝子トラップ法または可変型相同組換え法によりすでに作製可能です。細胞レベルでのヒト化マウスの例としては、ヒト白血球を持つマウス、ヒト抗体を産生するマウスがあげられます。本共同研究で目指すのは、組織・臓器レベルでのヒトマウスでマウスの生体内で正常にヒト組織や臓器を再構築し、持続的に機能をさせ、ヒトの細胞や組織が拒絶されることなく体内に存在するマウスです。例えば、ヒト肝臓持つマウスなどがあります。このようなヒト化マウスを用いることにより、非臨床試験(新薬の安全性テスト)や創薬研究がよりヒトの状態を反映したモデルで進めることが可能となります。

●iPS細胞(人工多能性幹細胞
 iPS細胞とは、ヒトの皮膚などの体細胞に数種類の遺伝子を導入することにより、様々な臓器の細胞や組織に分化する多能性を有する細胞です。iPS細胞から分化誘導させた神経細胞、心筋細胞、膵細胞や肝細胞を用いて、病態解明、薬剤の副作用評価、新薬の探索・開発を効率的に進めることが期待されます。また、患者由来のiPS細胞を分化誘導した組織や細胞を移植する再生医療への応用も期待されます。

●可変型遺伝子トラップ法
 熊本大学生命資源研究・支援センター 教授 山村研一(当社取締役)らにより発明された、遺伝子改変マウスの効率的な作製方法であり、トラップベクターによりマウスES細胞に発現する遺伝子をランダムに完全破壊する方法です。従来のトラップ法に比べて、遺伝子の完全破壊が行えること、破壊した遺伝子の位置にヒト遺伝子や突然変異などを挿入可能であることが特徴であり、ヒト疾患モデル動物の開発や詳細な遺伝子機能解析に有用な手法です。


以上

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