イマコト

最新の記事から注目のキーワードをピックアップ!

Article Detail

ナノキャリア、pH応答性エピルビシン結合高分子ミセルに関する共同研究を開始

2010-12-27

国立がん研究センターとの共同研究開始のお知らせ



 この度、当社は独立行政法人国立がん研究センター(東京都築地)とpH応答性エピルビシン結合高分子ミセル(以下NC−6300)に関する共同研究を開始しましたので、お知らせ致します。


研究目的:
 NC−6300の臨床での有用性を検証するため、ヒトに発生する腫瘍に近い同所移植モデルなどを用い、NC−6300の薬理効果および毒性に関する詳細なデータを取得する。


研究内容:
 NC−6300は、抗がん剤エピルビシンをpH応答性結合させたミセル化ナノ粒子製剤(*1)である。その粒子径は約50nmで、血液内では薬物がミセル内に留まりEPR効果(*2)(Enhanced Permeability and Retention 効果)により腫瘍組織への集積が高まる。この粒子は、エンドソームと呼ばれる細胞膜が陥没した小胞を介して細胞内に取り込まれる。エンドソーム内のpHは酸性であることが知られており、このpH酸性化により粒子から薬物が放出されるもので、がん細胞内で時限的かつ急激に薬物を放出する効果が期待される。
 これまでにNC−6300はヌードマウスの皮下に移植したヒト腫瘍モデルにおいて優れた薬効が確認されており、本共同研究では、より臨床に近い同所移植モデルである肝臓がんの同所移植モデルなどを用いた抗腫瘍効果およびエピルビシンが有する心毒性を軽減するなどの毒性学的知見を得ることで、NC−6300の臨床での有用性を検証する。


当社業績への影響:
 本共同研究開始による2011年3月期業績への影響はありません。


*1 エピルビシンをpH応答性結合させたミセル化ナノ粒子製剤:
 生体内のpH変化に応答してエピルビシンを効果的に放出する性質を有するミセル化ナノ粒子製剤

 ・参考文献
  Improved anti−tumor activity of stabilized anthracycline polymeric micelle formulation,NC−6300.
  Harada M,Bobe I,Saito H,Shibata N,Tanaka R,Hayashi T,Kato Y.
  Cancer Sci 2011,102,192−199

*2 EPR効果:がん細胞周辺などに形成される血管を形成する細胞同士の間隔が正常細胞より広いためナノメートルサイズの微粒子が集まる現象

 ・参考文献
  A new concept for macromolecular therapeutics in cancer chemotherapy:mechanism of tumoritropic accumulation of proteins and the antitumor agent smancs.
  Matsumura Y and Maeda H
  Cancer Res 1986,46,6387−6392



以上


Related Contents

関連書籍

  • 死ぬまでに行きたい! 世界の絶景

    死ぬまでに行きたい! 世界の絶景

    詩歩2013-07-31

    Amazon Kindle版
  • 星空風景 (SKYSCAPE PHOTOBOOK)

    星空風景 (SKYSCAPE PHOTOBOOK)

    前田 徳彦2014-09-02

    Amazon Kindle版
  • ロンドン写真集 (撮影数100):ヨーロッパシリーズ1

    ロンドン写真集 (撮影数100):ヨーロッパシリーズ1

    大久保 明2014-08-12

    Amazon Kindle版
  • BLUE MOMENT

    BLUE MOMENT

    吉村 和敏2007-12-13

    Amazon Kindle版