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川崎汽船、運航中の大型石炭船へのバラスト水処理装置搭載実験を実施

2010-12-25

運航中大型石炭船へのバラスト水処理装置搭載実験


 川崎汽船株式会社は、財団法人日本海事協会(NK)の「業界要望による共同研究」のスキームにより同協会の研究支援を受け、株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド(IHIMU)、JFEエンジニアリング株式会社(JFEエンジ)、株式会社エス・イー・エー創研(SEA創研)と共同で、当社が運航中の大型石炭運搬船の機関室内を改造し、処理能力3,500m3/hの大型バラスト水処理装置を搭載する実験プロジェクトを実施する事と致しました。改造する実験船は主に豪州より日本向けに石炭を輸送するばら積運搬船で、バラスト水処理装置はJFEエンジ製、改造工事はIHIMUの国内工場にて来年5月に実施する予定です。
 大量のバラスト水処理を必要とする就航中の大型バルクキャリアーへ、本格的な大型処理装置を改造して搭載、運用する試みは世界初となります。

 国際航海に従事する船舶により運ばれるバラスト水は、寄港国毎の取排水地域が異なる為に地域生物の生態系に影響を及ぼすとされ、国際海事機関(IMO)に於いて『船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理の為の国際条約』の規制が定められました。この条約が発効要件を満たして強制化されると、バラスト水中に含まれる生物及び細菌類を、処理装置を用いて除去・殺菌することが求められますが、処理装置の搭載改造は大掛かりのものとなり、特に大型船においては、改造工事の規模が大きいことやスペースの制約等の困難が予想されます。さらに装置取付け後の実運用にも本船乗組員の取扱い習熟度等の問題が発生するのではないかと言われております。
 今般NKの支援協力を得て実施する本プロジェクトは、大型船へのバラスト水処理装置搭載の為の技術的問題を明らかにしてこれの解決策を検討するとともに、装置の取扱いノウハウ蓄積を目的としています。さらに先進的な取組みとして、3次元レーザースキャナーにより本船機関室構造データをデジタル化して改造設計に利用する『リバースエンジニアリング』手法を実験的に取り入れ検討するため、SEA創研にもプロジェクトの参加を募りました。

 当社はこのプロジェクトから得られる知見・経験を生かし、今後大量に改造工事が見込まれる運航船舶に対し改造搭載の準備を進めることにより、海洋環境の保全の為の取り組みを積極的にすすめます。


以 上


 ※参考画像は関連資料を参照

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